MUSIC FOR LIFE~2より
国境の南、太陽の西
1992年10月、書き下ろし長編小説として講談社より発行。1995年10月講談社文庫刊。アメリカのプリンストンで書かれた。
『ねじまき鳥クロニクル』を執筆し、第1稿を推敲する際に削った部分が元になり、そこに更に加筆する形で書かれている。
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ねじまき鳥クロニクル
1991年、村上がプリンストン大学に客員研究員として招聘された際、滞在1年目に1部と2部が執筆された。その後、加筆と推敲をあわせて、第3部までが出版されるまでに4年半の歳月が費やされている。村上の小説としては初めて、戦争等の巨大な暴力を本格的に扱っている。
「僕はFM放送にあわせてロッシーニの『泥棒かささぎ』の序曲を口笛で吹いていた。…クラウディオ・アバドは今まさにロンドン交響楽団をその音楽的ピークに持ちあげようとしていたのだ。」
第1部p11より
スプートニクの恋人
この小説は村上自身が語るように、彼の文体の総決算として、あるいは総合的実験の場として一部機能している。その結果、次回作の『海辺のカフカ』では、村上春樹としては、かなり新しい文体が登場することになった。
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