歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

二つの「7:3」と二つの空洞化

2003年12月31日 | ごまめ・Dental Today
二つの「7:3」と二つの空洞化

-昭和63年「7:3」大臣告示と「7:3」運動-

岩澤 毅(秋田市)


 日中は、仕事場・集配のための移動の車でAMラジオ放送を聞く機会が多
い。
 2003年秋、全国の民間放送ラジオ101局では、「コトバのチカラ 統一キャ
ンペーン」を展開した。全国のAMラジオ局では、好きな言葉、嫌いな言葉、思い出
に残る言葉等をテーマにしたエッセイを番組内とインターネットで聴者を対象に募集
しました。小生が地元局に投稿した小文が運良く採用され、番組内で紹介されまし
た。私は、テーマに「嫌いな言葉」を選択し、「うざい」という言葉から受け取る拒
絶と絶望に関する思いをしたためました。他の応募者のエッセイは、素朴なコトバな
がらも思い出の詰まった聴者をホロリとさせ考えさせる内容のものが多かったようで
す。言葉への愛着、あるいは言葉の乱れへの憤慨、言葉への思いは様々なようでし
た。番組内で紹介されたことの記念として、私の小文が紹介された週は提供スポン
サーの郵政公社・郵パック「ズワイ蟹鍋セット」5000円相当を頂くことが出来まし
た。

 何人かの歯科技工士と電話やメール、あるいは直接会って会話する中で、更
には歯科技工士の筆による印刷物を読む機会に幾度か首を傾げたくなる場面に遭遇し
ました。

 言葉の使用方法を間違っているから考え方が混乱するのか、考え方が間違っ
ているから言葉の使用法が混乱するのか、考えさせられ、彼等との対話が成立せず、
読解が不能になることがあります。

「大臣告示の空洞化」この言葉の空疎で乱暴な使用法には、滅入ってしまいま
す。いわゆる昭和63年「7:3」大臣告示を指している様ですが、使用するに際し再考
願いたいものです。

 本誌『ごまめ』前号(30号特別記念号)で、昭和63年「7:3」大臣告示の健
康保険法上の意味を明らかにしましたが、昭和63年「7:3」大臣告示=診療報酬改定
告示の中の歯冠修復及び欠損補綴の部「通則の5」は、当時も今現在も存在し、「空
洞化」はしていません。健康保険法上の診療報酬点数改定に際し、中医協を舞台に医
療経済実態調査の結果とあいまって改定の基礎指標となっています。

「空洞化」したのは、昭和63年「7:3」大臣告示を契機に展開された「保険技
工に関する委託技工料7割請求・獲得運動」なのです。このことを理解せずに、「7:
3」の総括・歯科技工士の現状の理解と把握は困難と思います。一日も早くこの二つ
の「7:3」について歯科技工士間に理解が普及し、更には関係者との実り多い対話が
成立し、歯科界の困難な状況が克服される日が来ることを願っています。

「空洞化」したのが、国内の歯科技工産業と歯科技工士の思考回路・相互信頼
では、私達歯科技工士に明日はありません。


参照Webサイト

「コトバのチカラ」HP

伝えたいコトバがある、歌いたいコトバがある。
http://www.kotoba101.com/gateway.cgi

2003.12.12記

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