岩澤毅 一文字の価値、一文字の重み

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37号千秋楽号（2007年5月 日発行）

一文字の価値、一文字の重み


　平成17年3月18日「医政発第318003号」「歯科技工所の構造設備基準及び歯科技工所における歯科補てつ物等の作成等及び品質管理指針について」を繰り返し読むにつけ、一文字の価値、一文字の意味を考えさせられます。
　歯科技工所が満たさなければならない構造設備基準を大項目で8、小項目で12を示したなかで、「10平方メートル以上の面積」を歯科技工所の基準とし、歯科技工室に関しては「歯科技工室に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のないものであること」と示し、「所」と「室」の概念整理を行っている。
　診療所・薬局や理容所に関する構造設備基準においては、調剤室・貯蔵設備・作業室・待合等にも各々面積・高さ等の基準が示されているが、その作業において歯科技工所の現状データ等を勘案し出発した構造設備基準研究から導き出された今回の医政局長通知は、この一文字から、求めるレベルを何処に置いているかが推測される。
　何時の日か、薬局や理容所に見劣りしない、いやドイツの歯科技工所と比較研究が意味を持ち得る実態整備の上に、より進んだ構造設備基準改定が行われる日を、一文字の価値を噛み締めながら夢見ている。
2006.10.15記