『日本歯技』7月号 歯科技工士法制定および日本歯科技工士会創立60周年を迎えて
時の流れは、社会にも個人にもあるのですが、個人にとっては、命とともに有限なものです。
公益社団法人日本歯科技工士会の創立60周年の本年、組織の長の任にある私は、「第12代会長」と位置付けられています。選挙があり、任期のある本会では、定められた期間を会員の信任を得ながら、時の大きな流れをこの体に受け止め、今その渦中にいます。
写真や記録だけでしか存じ上げない多くの先人の業績を、歴史教科書や歴史小説を読むように学ぶ場合もありますが、当事者として決断を求められる責任者として、課題を前にした時、歯科技工士会館に掲示された歴代会長の肖像写真の一つひとつと対面することがあります。
本会創立60周年の諸行事に取り組む九州福岡の現地実行委員会の取り組みや、本会内の実行委員会の働きを拝見するにつけ、歯科技工士組織がこの幾重もの人の営みにより築かれてきた貴重なものであることを再確認し、改めて心から感謝しなければなりません。
調べてみると、第12代横綱が陣幕久五郎、第12代内閣総理大臣が西園寺公望、第12代自民党総裁が竹下登さんということですが、私との共通点は何も見いたすことはできません。私は私なりの必要とされる「第12代」でいることこそが、相応しいと思っています。
"12"という数字は、一年を分けた月の数であり、一日を午前午後に二分した場合の時間を分けた数であり、一時間を分で等分する場合にも役に立つ数です。
私は、偶然に自分に配分された"60"と"12"の意味を考えながら、「自分が生き責任を負う時代」と「先人の時代」にあるつながりに、思いを巡らし、時が刻むように着実に歩みを進め、その先にある世界を見つめています。
生命が躍動する大地、北海道が生んだ歌姫・中島みゆきさんは、そのヒットソング『時代』で、短い時間をそれぞれが精一杯に生き、傷つきながらも再起し再生していく人々を、彼女の慈愛に満ちた歌声で包み込み、光に満ちた世界を描き出しました。
そして私たちは、この時代のその先に進むための「光明」を、この60年の時の流れから見出しています。
60周年と第12代
会長 杉 岡 範 明
時の流れは、社会にも個人にもあるのですが、個人にとっては、命とともに有限なものです。
公益社団法人日本歯科技工士会の創立60周年の本年、組織の長の任にある私は、「第12代会長」と位置付けられています。選挙があり、任期のある本会では、定められた期間を会員の信任を得ながら、時の大きな流れをこの体に受け止め、今その渦中にいます。
写真や記録だけでしか存じ上げない多くの先人の業績を、歴史教科書や歴史小説を読むように学ぶ場合もありますが、当事者として決断を求められる責任者として、課題を前にした時、歯科技工士会館に掲示された歴代会長の肖像写真の一つひとつと対面することがあります。
本会創立60周年の諸行事に取り組む九州福岡の現地実行委員会の取り組みや、本会内の実行委員会の働きを拝見するにつけ、歯科技工士組織がこの幾重もの人の営みにより築かれてきた貴重なものであることを再確認し、改めて心から感謝しなければなりません。
調べてみると、第12代横綱が陣幕久五郎、第12代内閣総理大臣が西園寺公望、第12代自民党総裁が竹下登さんということですが、私との共通点は何も見いたすことはできません。私は私なりの必要とされる「第12代」でいることこそが、相応しいと思っています。
"12"という数字は、一年を分けた月の数であり、一日を午前午後に二分した場合の時間を分けた数であり、一時間を分で等分する場合にも役に立つ数です。
私は、偶然に自分に配分された"60"と"12"の意味を考えながら、「自分が生き責任を負う時代」と「先人の時代」にあるつながりに、思いを巡らし、時が刻むように着実に歩みを進め、その先にある世界を見つめています。
生命が躍動する大地、北海道が生んだ歌姫・中島みゆきさんは、そのヒットソング『時代』で、短い時間をそれぞれが精一杯に生き、傷つきながらも再起し再生していく人々を、彼女の慈愛に満ちた歌声で包み込み、光に満ちた世界を描き出しました。
そして私たちは、この時代のその先に進むための「光明」を、この60年の時の流れから見出しています。