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歯科技工士・岩澤 毅

木村 誠 歯科医養成の現状と課題

2012年09月01日 | 基本・参考
JICD, 2012, Vol. 43, No. 1

木村 誠 歯科医養成の現状と課題

http://www.icd-japan.gr.jp/pub/vol43/vol43_17.pdf

2004年には1万1574人の志願者が、2011年には4927 人と58%も減少しています。これは当然、文部科学省の歯学部入学定員削減策や、国家試験の難化ということも背景にありますけれども、基本的には歯科医を希 望する受験生が減ったということでしょう




しかし、全体的にいえば、やはり高校の進学指導に おいて、歯科医師を進路として勧めるような高校教諭 が減少しているということが、志願者減の大きな原因 ではなかろうかと思います。先生方が歯科医療の現状 を理解して、将来の展望について生徒に説得できる データを提供すれば、志願者が増えていくのではない でしょうか。  

今の高校生が歯科国家試験を受けて合格して現場に 出るころは、7、8年後です。では7、8年後はどう なっているでしょうか。  

現状のように国家試験の合格率が低くなるのでは、 さらに志願者が減り入学充足率がより低くなるでしょ う。歯学部入試は入りやすいけれども、歯科医になっ ても投下コストに見合う豊かな生活できないという状 況認識が、受験生に広がって定着してしまうと、どん どん志願者は加速度的に減り、入学定員充足率は下が ります。そうすると、自然に入学定員が減らさざるを えません。  

国家試験合格レベルを維持するため、歯科大学の教 育コストは高止まりしますから、経営的に非常に厳し い状況になるということは目に見えております。  

それを乗り切れるのは総合大学などある程度財政規 模の大きい私立大学歯学部でしょう。伝統のあるOB が多い歯科大学は残るでしょうが、新設の歯科単科系 大学は非常に厳しいと思われます。  

ただそうした自然淘汰が、本当に国民の歯科医療に とって良いことなのか、それは疑問です。

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