提案 歯科補てつ物法「歯科補てつ物並びに歯科補てつ物等の作成等の業務委託に関する法律」
医療法の趣旨に準じた歯科補てつ物法の考え方
(第1稿)2008.08.22
(第2稿)2008.08.24
(第3稿)2008.08.25
(第4稿)2008.08.26
岩澤 毅(秋田市)
[説明]
歯科医療機関から外部委託される歯科技工に関し、経済問題等の他に最近では海外委託等の混乱が見られる。現在と将来予想される混乱に対し、医療法の業務委託の趣旨(第一条) 「業務の連携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与する」に準じた規定を設けることにより、歯科医療機関と歯科技工所の業務委託関係に法令の規定を設け明確化する必要があると考える。
第一選択として医療法改正により必要な文言を挿入する方法も考えられるが、医療法改正史を概観すれば歯科分野単独の改正の壁は厚いものと思われる(医療法は利害関係者が多数に渡り且つ複雑。医科・薬科・看護等の関係者の歯科に対する理解は低い)。立法技術上(既存の厚生労働省の窓口と審議会の存在)また国会情勢(桜井充議員の存在と参議院における民主党優位)等を考慮すると、医療法の趣旨に準じた特別法として「歯科補てつ物並びに歯科補てつ物等の作成の業務委託に関する法律」の成立を期すことが、現時点では最良の選択ではないかと考える。また、歯科技工指示書に関する片務的状態の解消等も同時に解決を目指すことが出来る。
歯科技工士法と(通称)歯科補てつ物法の関係は、重なり合う部分もあるが、これは相互にその存在を前提とし、医療法と臨床検査技師法・クリーニング業法・栄養士法・食品衛生法・臨床工学士法・ガス害事業法・道路運送事業法等々と同様の関係であり、矛盾するものでは無い。
政令・省令等への委託規定は、みんなの歯科ネットワークによる「契約機能付き技工指示書」構想、東京都歯科技工士会による品質管理構想等を具体化する際には、政令・省令・通知等の形で法を根拠とすることが出来るものと考える。
そのためには、構想者には自らの構想を法文化する努力が求められる。
本試案は、簡潔な幹と将来の枝葉がバランス良く成長し、歯科業界の長年の悪癖を除去する道具となることを願ったものである。
本稿を目にされた方々により、本試案の更なる進化と現実の立法化へとつながることを願う。何らかの提案等は、岩澤宛に送付頂ければ幸いである。
[資料編]
医療法(昭和二十三年七月三十日法律第二百五号)
第一条 この法律は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項、医療の安全を確保するために必要な事項、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備並びに医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。.
第十五条の二 病院、診療所又は助産所の管理者は、病院、診療所又は助産所の業務のうち、医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務又は患者、妊婦、産婦若しくはじよく婦の入院若しくは入所に著しい影響を与えるものとして政令で定めるものを委託しようとするときは、当該病院、診療所又は助産所の業務の種類に応じ、当該業務を適正に行う能力のある者として厚生労働省令で定める基準に適合するものに委託しなければならない。
○医療法施行規則(昭和二十三年十一月五日)
(厚生省令第五十号)
第九条の八 法第十五条の二の規定による人体から排出され又は採取された検体の微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査及び生化学的検査(以下この条において「検体検査」という。)の業務を病院又は診療所の施設で適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託する業務(以下「受託業務」という。)の責任者として、検体検査の業務(以下「検査業務」という。)に関し相当の経験を有する医師が受託業務を行う場所に置かれているか、又は受託業務の責任者として検査業務に関し相当の経験を有する臨床検査技師が受託業務を行う場所に置かれ、かつ、受託業務を指導監督するための医師を選任していること。
二 受託業務の従事者として、医師又は臨床検査技師その他の受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者が必要な数受託業務を行う場所に置かれていること。
三 第一号に掲げる受託業務の責任者及び前号に掲げる者のほか、専ら精度管理(検査の精度を適正に保つことをいう。以下同じ。)を職務とする者として、医師又は臨床検査技師(検査業務に関し相当の経験を有し、かつ、精度管理に関し相当の知識及び経験を有する者に限る。)を有すること。
四 電気冷蔵庫、電気冷凍庫、顕微鏡、直示天びん及び遠心器のほか、別表第一の二の上欄に掲げる検査の内容に応じ、同表の下欄に掲げる検査用機械器具を有すること。ただし、委託する者の検査用機械器具を使用する場合は、この限りでない。
五 別表第一の三に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
六 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 検査方法
ロ 基準値及び判定基準
ハ 病院又は診療所に緊急報告を行うこととする検査値の範囲
ニ 病院又は診療所の外部で検査を行う場合にあつては、所要日数
ホ 検査の一部を委託する場合にあつては、実際に検査を行う者の名称
ヘ 検体の採取条件、採取容器及び採取量
ト 検体の提出条件
チ 検査依頼書及び検体ラベルの記載項目
リ 業務の管理体制
七 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
2 法第十五条の二の規定による検体検査の業務を病院又は診療所以外の場所で適正に行う能力のある者の基準は、臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)第二十条の三第一項の規定により都道府県知事、保健所を設置する市の市長若しくは特別区の区長の登録を受けた者又は同項の規定により厚生労働大臣の定める施設の開設者であることとする。
(平五厚令三・追加、平八厚令一三・平八厚令六二・平一〇厚令五七・平一二厚令一二七・平一七厚労令一七二・平一八厚労令七五・平一九厚労令二七・一部改正)
第九条の九 法第十五条の二の規定による医療機器又は医学的処置若しくは手術の用に供する衣類その他の繊維製品の滅菌又は消毒(以下「滅菌消毒」という。)の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、クリーニング業法(昭和二十五年法律第二百七号)第三条第三項第五号の規定により行う医学的処置若しくは手術の用に供する衣類その他の繊維製品(以下「繊維製品」という。)の消毒のみを委託する場合にあつては、第十三号に掲げる基準とする。
一 受託業務の責任者として、滅菌消毒の業務(以下「滅菌消毒業務」という。)に関し相当の経験を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護師、歯科衛生士、臨床検査技師又は臨床工学技士を有すること。ただし、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合は、滅菌消毒業務に関し相当の知識及び経験を有する者を受託業務の責任者とすることができる。
二 受託業務の指導及び助言を行う者として、滅菌消毒業務に関し相当の知識及び経験を有する医師等を選任していること。ただし、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合は、この限りでない。
三 従事者として、滅菌消毒の処理に使用する機器の取扱いその他の受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者を有すること。
四 構造設備が安全かつ衛生的であること。
五 滅菌消毒作業室、繊維製品の洗濯包装作業室、滅菌又は消毒済みの医療機器又は繊維製品の保管室が区分されていること。
六 滅菌消毒作業室は、受託業務を適切に行うことができる十分な広さ及び構造を有すること。
七 滅菌消毒作業室の機器及び設備は、作業工程順に置かれていること。
八 滅菌消毒作業室の床及び内壁の材料は、不浸透性材料(コンクリート、タイル等汚水が浸透しないものをいう。)であること。
九 保管室は、室内の空気が直接外部及び他の区域からの空気により汚染されない構造であること。
十 次に掲げる機器及び装置又はこれらに代替する機能を有する機器及び装置を有すること。
イ 高圧蒸気滅菌器
ロ エチレンオキサイドガス滅菌器及び強制脱気装置
ハ 超音波洗浄器
ニ ウォッシャーディスインフェクター装置(洗浄及び消毒を連続して行う装置をいう。)又はウォッシャーステリライザー装置(洗浄及び滅菌を連続して行う装置をいう。)
十一 汚水処理施設及び排水設備を有すること。ただし、共用の汚水処理施設を利用する場合は、この限りでない。
十二 運搬車並びに密閉性、防水性及び耐貫通性の運搬容器を有すること。ただし、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合は、運搬車を有することを要しない。
十三 クリーニング業法第三条第三項第五号の規定により行う繊維製品の消毒を行う場合にあつては、当該業務を行う施設について、クリーニング業法第五条第一項の規定により、都道府県知事にクリーニング所の開設の届出を行つていること。
十四 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 運搬
ロ 滅菌消毒の処理の方法
ハ 滅菌消毒の処理に使用する機器の保守点検
ニ 滅菌消毒の処理に係る瑕疵があつた場合の責任の所在に関する事項
十五 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 取り扱う医療機器及び繊維製品の品目
ロ 滅菌消毒の処理の方法
ハ 滅菌の確認方法
ニ 運搬方法
ホ 所要日数
ヘ 滅菌消毒を実施する施設の概要
ト 業務の管理体制
十六 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
2 前項の規定にかかわらず、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合であつて、当該病院、診療所又は助産所が滅菌消毒業務を実施するために、適切な構造及び設備を有していると認められる場合は、同項第四号から第十一号までの規定は適用しない。
(平五厚令三・追加、平一四厚労令一四・平一六厚労令一一二・平一七厚労令一七二・平一八厚労令七五・一部改正)
第九条の十 法第十五条の二の規定による病院における患者、妊婦、産婦又はじよく婦の食事の提供(以下「患者等給食」という。)の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 調理業務を受託する場合にあつては、受託業務の責任者として、患者等給食の業務に関し、相当の知識及び経験を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
二 調理業務を受託する場合にあつては、受託業務の指導及び助言を行う者として、次のいずれかの者を有すること。
イ 病院の管理者の経験を有する医師
ロ 病院の給食部門の責任者の経験を有する医師
ハ 臨床栄養に関する学識経験を有する医師
ニ 病院における患者等給食の業務に五年以上の経験を有する管理栄養士
三 調理業務を受託する場合にあつては、栄養士(献立表の作成業務を受託する場合にあつては、治療食(治療又は健康の回復のための食事をいう。)に関する知識及び技能を有する栄養士とする。)が受託業務を行う場所に置かれていること。
四 従事者として、受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者を有すること。
五 調理業務を受託する場合にあつては、前号の従事者(調理業務に従事する者に限る。)が受託業務を行う場所に置かれていること。
六 病院の外部で食器の洗浄業務を行う場合にあつては、食器の消毒設備を有すること。
七 病院の外部で調理業務又は食器の洗浄業務を行う場合にあつては、運搬手段について衛生上適切な措置がなされていること。
八 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 適時適温の給食の実施方法
ロ 食器の処理方法
ハ 受託業務を行う施設内の清潔保持の方法
九 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 人員の配置
ロ 適時適温の給食の実施方法及び患者がメニューを選択できる食事を提供することの可否
ハ 業務の管理体制
十 受託業務を継続的かつ安定的に遂行できる能力を有すること。
十一 病院が掲げる給食に係る目標について、具体的な改善計画を策定できること。
十二 従事者に対して、適切な健康管理を実施していること。
十三 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加、平八厚令一三・平一二厚令一二七・平一三厚労令二二・平一七厚労令一七二・一部改正)
第九条の十一 法第十五条の二の規定による患者、妊婦、産婦又はじよく婦の病院、診療所又は助産所相互間の搬送の業務及びその他の搬送の業務で重篤な患者について医師又は歯科医師を同乗させて行うものを適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、患者、妊婦、産婦又はじよく婦の搬送に関し相当の知識及び経験を有する者を有すること。
二 従事者として、受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者を有すること。
三 次に掲げる要件を満たす搬送用自動車を有すること。
イ ストレッチャー又は車椅子を確実に固定できること。
ロ 自動車電話又は携帯電話を備えていること。
ハ 医師を同乗させる場合にあつては、医療上の処置を行うために必要な広さを有すること。
ニ 十分な緩衝装置を有すること。
ホ 換気及び冷暖房の装置を備えていること。
四 次に掲げる資器材を有すること。
イ 担架、枕、敷物、毛布、体温計、膿のう盆及び汚物入れ
ロ 医師を同乗させる場合にあつては、聴診器、血圧計、心電計、手動又は自動人工呼吸器、酸素吸入器、吸引器及び点滴架設設備
五 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 搬送途上の患者の急変に対する応急手当の方法
ロ 患者の観察要領
ハ 主治医との連携
ニ 搬送用自動車及び積載する資器材の滅菌又は消毒及び保守管理
六 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 利用料金
ロ 搬送用自動車の構造及び積載する資器材
ハ 業務の管理体制
七 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加)
第九条の十二 法第十五条の二の規定による第九条の七に定める医療機器の保守点検の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、相当の知識を有し、かつ、医療機器の保守点検業務に関し三年以上の経験を有する者を有すること。
二 従事者として、次に掲げる業務を行うために必要な知識及び技能を有する者を有すること。
イ 保守点検
ロ 高圧酸素その他の危険又は有害な物質を用いて診療を行うための医療機器の保守点検業務を受託する場合にあつては、当該危険又は有害な物質の交換及び配送
ハ 医療機関との連絡
ニ 病院、診療所又は助産所の外部で診療の用に供する医療機器の保守点検業務を受託する場合には、患者及び家族との連絡
三 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 保守点検の方法
ロ 点検記録
四 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 保守点検の方法
ロ 故障時の連絡先及び対応方法
ハ 業務の管理体制
五 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加、平八厚令一三・平一七厚労令一七二・一部改正)
第九条の十三 法第十五条の二の規定による医療の用に供するガスの供給設備の保守点検の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)の規定による販売主任者又は製造保安責任者の資格を有し、かつ、医療の用に供するガスの供給設備の保守点検業務に関し三年以上の経験を有する者を有すること。
二 従事者として、受託業務を行うために必要な知識を有する者を有すること。
三 圧力計(真空計を含む。)、気密試験用機具、流量計、酸素濃度計その他医療の用に供するガスの供給設備の保守点検に必要な資器材を有すること。
四 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知させていること。
イ 保守点検の方法
ロ 点検記録
五 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 保守点検の方法
ロ 業務の管理体制
六 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加、平九厚令二四・一部改正)
第九条の十四 法第十五条の二の規定による患者、妊婦、産婦又はじよく婦の寝具又はこれらの者に貸与する衣類(以下「寝具類」という。)の洗濯の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、診療所及び助産所における当該業務を委託する場合にあつては、第十号に該当する者であることとする。
一 受託業務を行うために必要な従事者を有すること。
二 洗濯施設は、隔壁等により外部及び居室、便所等の他の施設と区分されていること。
三 寝具類の受取場、洗濯場、仕上場及び引渡場は、洗濯物の処理及び衛生保持に必要な広さ及び構造を有し、かつ、それぞれが区分されていること。
四 洗濯施設は、採光、照明及び換気が十分に行える構造であること。
五 消毒、洗濯、脱水、乾燥、プレスのために必要な機械及び器具を有すること。
六 洗濯物の処理のために使用する消毒剤、洗剤、有機溶剤等を専用に保管する保管庫又は戸棚等を有すること。
七 仕上げの終わつた洗濯物の格納施設が清潔な場所に設けられていること。
八 寝具類の受取場及び引渡場は、取り扱う量に応じた適当な広さの受取台及び引渡台を備えていること。
九 寝具類の運搬手段について、衛生上適切な措置を講じていること。
十 受託業務を行う施設について、クリーニング業法第五条第一項の規定により、都道府県知事にクリーニング所の開設の届出を行つていること。
十一 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 運搬の方法
ロ 医療機関から受け取つた洗濯物の処理の方法
ハ 施設内の清潔保持の方法
十二 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 寝具類の洗濯の方法
ロ 業務の管理体制
十三 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加)
第九条の十五 法第十五条の二の規定による医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務の用に供する施設又は患者の入院の用に供する施設の清掃の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、診療所又は助産所における当該業務を委託する場合にあつては、この限りではない。
一 受託業務の責任者として、施設の清掃に関し相当の知識及び経験を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
二 従事者として、受託業務を行うために必要な知識を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
三 真空掃除機(清潔区域(手術室、集中強化治療室その他の特に清潔を保持する必要のある場所をいう。)の清掃を行う場合にあつては、高性能エアフィルター付き真空掃除機又はこれに代替する機能を有する機器とする。)、床磨き機その他清掃用具一式を有すること。
四 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 区域ごとの作業方法
ロ 清掃用具、消毒薬等の使用及び管理の方法
ハ 感染の予防
五 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 業務内容及び作業方法
ロ 清掃用具
ハ 業務の管理体制
六 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加、平一三厚労令八・平一四厚労令一四・平一九厚労令三九・一部改正)
[法案編]
歯科補てつ物並びに歯科補てつ物等の作成等の業務委託に関する法律(岩澤案)
(この法律の目的)
第一条 この法律は、歯科補てつ物並びに歯科補てつ物等の作成等の業務委託に関し必要な事項を定めること等により、良質な歯科補てつ物の質の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第二条 この法律において、「歯科補てつ物」とは、特定人に対する歯科医療の用に供する補てつ物、充てん物又は矯正装置等をいう。
2 この法律において、「歯科技工所」とは、歯科技工士法(昭和三十年八月十六日法律百六十八号)第五章第二十一条から第二十七条に定めるものをいう。
(品質基準)
第三条 「歯科補てつ物」の品質基準は、良質な歯科補てつ物の確保を図るものでなければならない。
(業務委託)
第四条 病院、歯科診療所の管理者は、歯科補てつ物等の作成等の業務を歯科技工所に委託しようとするときは、当該業務を適正に行う能力のある者として厚生労働省令で定める基準に適合するものに委託しなければならない。
(歯科技工指示書)
第五条 歯科医師は、歯科補てつ物等の作成等の業務を歯科技工所に委託しようとするときは、歯科技工士法(昭和三十年八月十六日法律百六十八号)第四章第十八条に定める歯科技工指示書を発行しなければならない。
(省令への委任)
第六条 「歯科補てつ物」の品質基準は、厚生労働省令で定める。
2005/12/09作成 2005/12/11修正2008/8/22修正
http://blog.goo.ne.jp/akisigi/e/97c7b9e0e533f085e857765beed06c93
[注]
岩澤試案は、2005年某歯科技工所経営者団体の某氏の依頼により作成したものである。
その後、京都で発行されていた歯科技工士の同人誌『ごまめ』に投稿し、36号(2006年9月発行)掲載された。現在、その原稿は、上記歯科技工管理学ブログ(http://blog.goo.ne.jp/akisigi)に掲載している。
※本資料の原型は、あるご縁で知遇を得た仙台市在住の歯科医師Y氏の手を経て、桜井参議院議員とその歯科ネットワーク幹事会に提出されたとの報告を得た。桜井議員が幹事会の席上において資料性を高めることを求められたとの報告を得た。
※「作成等」 = 特定患者の歯科医療のように供する「作成+修理+加工」全般を表現するために、「等」が挿入された。
医療法の趣旨に準じた歯科補てつ物法の考え方
(第1稿)2008.08.22
(第2稿)2008.08.24
(第3稿)2008.08.25
(第4稿)2008.08.26
岩澤 毅(秋田市)
[説明]
歯科医療機関から外部委託される歯科技工に関し、経済問題等の他に最近では海外委託等の混乱が見られる。現在と将来予想される混乱に対し、医療法の業務委託の趣旨(第一条) 「業務の連携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与する」に準じた規定を設けることにより、歯科医療機関と歯科技工所の業務委託関係に法令の規定を設け明確化する必要があると考える。
第一選択として医療法改正により必要な文言を挿入する方法も考えられるが、医療法改正史を概観すれば歯科分野単独の改正の壁は厚いものと思われる(医療法は利害関係者が多数に渡り且つ複雑。医科・薬科・看護等の関係者の歯科に対する理解は低い)。立法技術上(既存の厚生労働省の窓口と審議会の存在)また国会情勢(桜井充議員の存在と参議院における民主党優位)等を考慮すると、医療法の趣旨に準じた特別法として「歯科補てつ物並びに歯科補てつ物等の作成の業務委託に関する法律」の成立を期すことが、現時点では最良の選択ではないかと考える。また、歯科技工指示書に関する片務的状態の解消等も同時に解決を目指すことが出来る。
歯科技工士法と(通称)歯科補てつ物法の関係は、重なり合う部分もあるが、これは相互にその存在を前提とし、医療法と臨床検査技師法・クリーニング業法・栄養士法・食品衛生法・臨床工学士法・ガス害事業法・道路運送事業法等々と同様の関係であり、矛盾するものでは無い。
政令・省令等への委託規定は、みんなの歯科ネットワークによる「契約機能付き技工指示書」構想、東京都歯科技工士会による品質管理構想等を具体化する際には、政令・省令・通知等の形で法を根拠とすることが出来るものと考える。
そのためには、構想者には自らの構想を法文化する努力が求められる。
本試案は、簡潔な幹と将来の枝葉がバランス良く成長し、歯科業界の長年の悪癖を除去する道具となることを願ったものである。
本稿を目にされた方々により、本試案の更なる進化と現実の立法化へとつながることを願う。何らかの提案等は、岩澤宛に送付頂ければ幸いである。
[資料編]
医療法(昭和二十三年七月三十日法律第二百五号)
第一条 この法律は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択を支援するために必要な事項、医療の安全を確保するために必要な事項、病院、診療所及び助産所の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備並びに医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。.
第十五条の二 病院、診療所又は助産所の管理者は、病院、診療所又は助産所の業務のうち、医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務又は患者、妊婦、産婦若しくはじよく婦の入院若しくは入所に著しい影響を与えるものとして政令で定めるものを委託しようとするときは、当該病院、診療所又は助産所の業務の種類に応じ、当該業務を適正に行う能力のある者として厚生労働省令で定める基準に適合するものに委託しなければならない。
○医療法施行規則(昭和二十三年十一月五日)
(厚生省令第五十号)
第九条の八 法第十五条の二の規定による人体から排出され又は採取された検体の微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査及び生化学的検査(以下この条において「検体検査」という。)の業務を病院又は診療所の施設で適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託する業務(以下「受託業務」という。)の責任者として、検体検査の業務(以下「検査業務」という。)に関し相当の経験を有する医師が受託業務を行う場所に置かれているか、又は受託業務の責任者として検査業務に関し相当の経験を有する臨床検査技師が受託業務を行う場所に置かれ、かつ、受託業務を指導監督するための医師を選任していること。
二 受託業務の従事者として、医師又は臨床検査技師その他の受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者が必要な数受託業務を行う場所に置かれていること。
三 第一号に掲げる受託業務の責任者及び前号に掲げる者のほか、専ら精度管理(検査の精度を適正に保つことをいう。以下同じ。)を職務とする者として、医師又は臨床検査技師(検査業務に関し相当の経験を有し、かつ、精度管理に関し相当の知識及び経験を有する者に限る。)を有すること。
四 電気冷蔵庫、電気冷凍庫、顕微鏡、直示天びん及び遠心器のほか、別表第一の二の上欄に掲げる検査の内容に応じ、同表の下欄に掲げる検査用機械器具を有すること。ただし、委託する者の検査用機械器具を使用する場合は、この限りでない。
五 別表第一の三に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
六 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 検査方法
ロ 基準値及び判定基準
ハ 病院又は診療所に緊急報告を行うこととする検査値の範囲
ニ 病院又は診療所の外部で検査を行う場合にあつては、所要日数
ホ 検査の一部を委託する場合にあつては、実際に検査を行う者の名称
ヘ 検体の採取条件、採取容器及び採取量
ト 検体の提出条件
チ 検査依頼書及び検体ラベルの記載項目
リ 業務の管理体制
七 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
2 法第十五条の二の規定による検体検査の業務を病院又は診療所以外の場所で適正に行う能力のある者の基準は、臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)第二十条の三第一項の規定により都道府県知事、保健所を設置する市の市長若しくは特別区の区長の登録を受けた者又は同項の規定により厚生労働大臣の定める施設の開設者であることとする。
(平五厚令三・追加、平八厚令一三・平八厚令六二・平一〇厚令五七・平一二厚令一二七・平一七厚労令一七二・平一八厚労令七五・平一九厚労令二七・一部改正)
第九条の九 法第十五条の二の規定による医療機器又は医学的処置若しくは手術の用に供する衣類その他の繊維製品の滅菌又は消毒(以下「滅菌消毒」という。)の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、クリーニング業法(昭和二十五年法律第二百七号)第三条第三項第五号の規定により行う医学的処置若しくは手術の用に供する衣類その他の繊維製品(以下「繊維製品」という。)の消毒のみを委託する場合にあつては、第十三号に掲げる基準とする。
一 受託業務の責任者として、滅菌消毒の業務(以下「滅菌消毒業務」という。)に関し相当の経験を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護師、歯科衛生士、臨床検査技師又は臨床工学技士を有すること。ただし、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合は、滅菌消毒業務に関し相当の知識及び経験を有する者を受託業務の責任者とすることができる。
二 受託業務の指導及び助言を行う者として、滅菌消毒業務に関し相当の知識及び経験を有する医師等を選任していること。ただし、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合は、この限りでない。
三 従事者として、滅菌消毒の処理に使用する機器の取扱いその他の受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者を有すること。
四 構造設備が安全かつ衛生的であること。
五 滅菌消毒作業室、繊維製品の洗濯包装作業室、滅菌又は消毒済みの医療機器又は繊維製品の保管室が区分されていること。
六 滅菌消毒作業室は、受託業務を適切に行うことができる十分な広さ及び構造を有すること。
七 滅菌消毒作業室の機器及び設備は、作業工程順に置かれていること。
八 滅菌消毒作業室の床及び内壁の材料は、不浸透性材料(コンクリート、タイル等汚水が浸透しないものをいう。)であること。
九 保管室は、室内の空気が直接外部及び他の区域からの空気により汚染されない構造であること。
十 次に掲げる機器及び装置又はこれらに代替する機能を有する機器及び装置を有すること。
イ 高圧蒸気滅菌器
ロ エチレンオキサイドガス滅菌器及び強制脱気装置
ハ 超音波洗浄器
ニ ウォッシャーディスインフェクター装置(洗浄及び消毒を連続して行う装置をいう。)又はウォッシャーステリライザー装置(洗浄及び滅菌を連続して行う装置をいう。)
十一 汚水処理施設及び排水設備を有すること。ただし、共用の汚水処理施設を利用する場合は、この限りでない。
十二 運搬車並びに密閉性、防水性及び耐貫通性の運搬容器を有すること。ただし、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合は、運搬車を有することを要しない。
十三 クリーニング業法第三条第三項第五号の規定により行う繊維製品の消毒を行う場合にあつては、当該業務を行う施設について、クリーニング業法第五条第一項の規定により、都道府県知事にクリーニング所の開設の届出を行つていること。
十四 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 運搬
ロ 滅菌消毒の処理の方法
ハ 滅菌消毒の処理に使用する機器の保守点検
ニ 滅菌消毒の処理に係る瑕疵があつた場合の責任の所在に関する事項
十五 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 取り扱う医療機器及び繊維製品の品目
ロ 滅菌消毒の処理の方法
ハ 滅菌の確認方法
ニ 運搬方法
ホ 所要日数
ヘ 滅菌消毒を実施する施設の概要
ト 業務の管理体制
十六 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
2 前項の規定にかかわらず、病院、診療所又は助産所の施設で滅菌消毒業務を行う場合であつて、当該病院、診療所又は助産所が滅菌消毒業務を実施するために、適切な構造及び設備を有していると認められる場合は、同項第四号から第十一号までの規定は適用しない。
(平五厚令三・追加、平一四厚労令一四・平一六厚労令一一二・平一七厚労令一七二・平一八厚労令七五・一部改正)
第九条の十 法第十五条の二の規定による病院における患者、妊婦、産婦又はじよく婦の食事の提供(以下「患者等給食」という。)の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 調理業務を受託する場合にあつては、受託業務の責任者として、患者等給食の業務に関し、相当の知識及び経験を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
二 調理業務を受託する場合にあつては、受託業務の指導及び助言を行う者として、次のいずれかの者を有すること。
イ 病院の管理者の経験を有する医師
ロ 病院の給食部門の責任者の経験を有する医師
ハ 臨床栄養に関する学識経験を有する医師
ニ 病院における患者等給食の業務に五年以上の経験を有する管理栄養士
三 調理業務を受託する場合にあつては、栄養士(献立表の作成業務を受託する場合にあつては、治療食(治療又は健康の回復のための食事をいう。)に関する知識及び技能を有する栄養士とする。)が受託業務を行う場所に置かれていること。
四 従事者として、受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者を有すること。
五 調理業務を受託する場合にあつては、前号の従事者(調理業務に従事する者に限る。)が受託業務を行う場所に置かれていること。
六 病院の外部で食器の洗浄業務を行う場合にあつては、食器の消毒設備を有すること。
七 病院の外部で調理業務又は食器の洗浄業務を行う場合にあつては、運搬手段について衛生上適切な措置がなされていること。
八 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 適時適温の給食の実施方法
ロ 食器の処理方法
ハ 受託業務を行う施設内の清潔保持の方法
九 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 人員の配置
ロ 適時適温の給食の実施方法及び患者がメニューを選択できる食事を提供することの可否
ハ 業務の管理体制
十 受託業務を継続的かつ安定的に遂行できる能力を有すること。
十一 病院が掲げる給食に係る目標について、具体的な改善計画を策定できること。
十二 従事者に対して、適切な健康管理を実施していること。
十三 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加、平八厚令一三・平一二厚令一二七・平一三厚労令二二・平一七厚労令一七二・一部改正)
第九条の十一 法第十五条の二の規定による患者、妊婦、産婦又はじよく婦の病院、診療所又は助産所相互間の搬送の業務及びその他の搬送の業務で重篤な患者について医師又は歯科医師を同乗させて行うものを適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、患者、妊婦、産婦又はじよく婦の搬送に関し相当の知識及び経験を有する者を有すること。
二 従事者として、受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者を有すること。
三 次に掲げる要件を満たす搬送用自動車を有すること。
イ ストレッチャー又は車椅子を確実に固定できること。
ロ 自動車電話又は携帯電話を備えていること。
ハ 医師を同乗させる場合にあつては、医療上の処置を行うために必要な広さを有すること。
ニ 十分な緩衝装置を有すること。
ホ 換気及び冷暖房の装置を備えていること。
四 次に掲げる資器材を有すること。
イ 担架、枕、敷物、毛布、体温計、膿のう盆及び汚物入れ
ロ 医師を同乗させる場合にあつては、聴診器、血圧計、心電計、手動又は自動人工呼吸器、酸素吸入器、吸引器及び点滴架設設備
五 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 搬送途上の患者の急変に対する応急手当の方法
ロ 患者の観察要領
ハ 主治医との連携
ニ 搬送用自動車及び積載する資器材の滅菌又は消毒及び保守管理
六 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 利用料金
ロ 搬送用自動車の構造及び積載する資器材
ハ 業務の管理体制
七 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加)
第九条の十二 法第十五条の二の規定による第九条の七に定める医療機器の保守点検の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、相当の知識を有し、かつ、医療機器の保守点検業務に関し三年以上の経験を有する者を有すること。
二 従事者として、次に掲げる業務を行うために必要な知識及び技能を有する者を有すること。
イ 保守点検
ロ 高圧酸素その他の危険又は有害な物質を用いて診療を行うための医療機器の保守点検業務を受託する場合にあつては、当該危険又は有害な物質の交換及び配送
ハ 医療機関との連絡
ニ 病院、診療所又は助産所の外部で診療の用に供する医療機器の保守点検業務を受託する場合には、患者及び家族との連絡
三 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 保守点検の方法
ロ 点検記録
四 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 保守点検の方法
ロ 故障時の連絡先及び対応方法
ハ 業務の管理体制
五 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加、平八厚令一三・平一七厚労令一七二・一部改正)
第九条の十三 法第十五条の二の規定による医療の用に供するガスの供給設備の保守点検の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。
一 受託業務の責任者として、高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)の規定による販売主任者又は製造保安責任者の資格を有し、かつ、医療の用に供するガスの供給設備の保守点検業務に関し三年以上の経験を有する者を有すること。
二 従事者として、受託業務を行うために必要な知識を有する者を有すること。
三 圧力計(真空計を含む。)、気密試験用機具、流量計、酸素濃度計その他医療の用に供するガスの供給設備の保守点検に必要な資器材を有すること。
四 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知させていること。
イ 保守点検の方法
ロ 点検記録
五 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 保守点検の方法
ロ 業務の管理体制
六 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加、平九厚令二四・一部改正)
第九条の十四 法第十五条の二の規定による患者、妊婦、産婦又はじよく婦の寝具又はこれらの者に貸与する衣類(以下「寝具類」という。)の洗濯の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、診療所及び助産所における当該業務を委託する場合にあつては、第十号に該当する者であることとする。
一 受託業務を行うために必要な従事者を有すること。
二 洗濯施設は、隔壁等により外部及び居室、便所等の他の施設と区分されていること。
三 寝具類の受取場、洗濯場、仕上場及び引渡場は、洗濯物の処理及び衛生保持に必要な広さ及び構造を有し、かつ、それぞれが区分されていること。
四 洗濯施設は、採光、照明及び換気が十分に行える構造であること。
五 消毒、洗濯、脱水、乾燥、プレスのために必要な機械及び器具を有すること。
六 洗濯物の処理のために使用する消毒剤、洗剤、有機溶剤等を専用に保管する保管庫又は戸棚等を有すること。
七 仕上げの終わつた洗濯物の格納施設が清潔な場所に設けられていること。
八 寝具類の受取場及び引渡場は、取り扱う量に応じた適当な広さの受取台及び引渡台を備えていること。
九 寝具類の運搬手段について、衛生上適切な措置を講じていること。
十 受託業務を行う施設について、クリーニング業法第五条第一項の規定により、都道府県知事にクリーニング所の開設の届出を行つていること。
十一 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 運搬の方法
ロ 医療機関から受け取つた洗濯物の処理の方法
ハ 施設内の清潔保持の方法
十二 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 寝具類の洗濯の方法
ロ 業務の管理体制
十三 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加)
第九条の十五 法第十五条の二の規定による医師若しくは歯科医師の診療若しくは助産師の業務の用に供する施設又は患者の入院の用に供する施設の清掃の業務を適正に行う能力のある者の基準は、次のとおりとする。ただし、診療所又は助産所における当該業務を委託する場合にあつては、この限りではない。
一 受託業務の責任者として、施設の清掃に関し相当の知識及び経験を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
二 従事者として、受託業務を行うために必要な知識を有する者が受託業務を行う場所に置かれていること。
三 真空掃除機(清潔区域(手術室、集中強化治療室その他の特に清潔を保持する必要のある場所をいう。)の清掃を行う場合にあつては、高性能エアフィルター付き真空掃除機又はこれに代替する機能を有する機器とする。)、床磨き機その他清掃用具一式を有すること。
四 次に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。
イ 区域ごとの作業方法
ロ 清掃用具、消毒薬等の使用及び管理の方法
ハ 感染の予防
五 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。
イ 業務内容及び作業方法
ロ 清掃用具
ハ 業務の管理体制
六 従事者に対して、適切な研修を実施していること。
(平五厚令三・追加、平一三厚労令八・平一四厚労令一四・平一九厚労令三九・一部改正)
[法案編]
歯科補てつ物並びに歯科補てつ物等の作成等の業務委託に関する法律(岩澤案)
(この法律の目的)
第一条 この法律は、歯科補てつ物並びに歯科補てつ物等の作成等の業務委託に関し必要な事項を定めること等により、良質な歯科補てつ物の質の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第二条 この法律において、「歯科補てつ物」とは、特定人に対する歯科医療の用に供する補てつ物、充てん物又は矯正装置等をいう。
2 この法律において、「歯科技工所」とは、歯科技工士法(昭和三十年八月十六日法律百六十八号)第五章第二十一条から第二十七条に定めるものをいう。
(品質基準)
第三条 「歯科補てつ物」の品質基準は、良質な歯科補てつ物の確保を図るものでなければならない。
(業務委託)
第四条 病院、歯科診療所の管理者は、歯科補てつ物等の作成等の業務を歯科技工所に委託しようとするときは、当該業務を適正に行う能力のある者として厚生労働省令で定める基準に適合するものに委託しなければならない。
(歯科技工指示書)
第五条 歯科医師は、歯科補てつ物等の作成等の業務を歯科技工所に委託しようとするときは、歯科技工士法(昭和三十年八月十六日法律百六十八号)第四章第十八条に定める歯科技工指示書を発行しなければならない。
(省令への委任)
第六条 「歯科補てつ物」の品質基準は、厚生労働省令で定める。
2005/12/09作成 2005/12/11修正2008/8/22修正
http://blog.goo.ne.jp/akisigi/e/97c7b9e0e533f085e857765beed06c93
[注]
岩澤試案は、2005年某歯科技工所経営者団体の某氏の依頼により作成したものである。
その後、京都で発行されていた歯科技工士の同人誌『ごまめ』に投稿し、36号(2006年9月発行)掲載された。現在、その原稿は、上記歯科技工管理学ブログ(http://blog.goo.ne.jp/akisigi)に掲載している。
※本資料の原型は、あるご縁で知遇を得た仙台市在住の歯科医師Y氏の手を経て、桜井参議院議員とその歯科ネットワーク幹事会に提出されたとの報告を得た。桜井議員が幹事会の席上において資料性を高めることを求められたとの報告を得た。
※「作成等」 = 特定患者の歯科医療のように供する「作成+修理+加工」全般を表現するために、「等」が挿入された。