第3回日本訪問歯科医学会 -国際学会-
■日 時 : 平成15年11月16日(日)10:15~16:00
■場 所 : 東京ダイヤモンドホテル ダイヤホール
特別基調講演 『訪問歯科診療におけるメディカルインタビューとは』
東京歯科大学 社会歯科学研究室教授 石井拓男先生
メディカルインタビューとは医療面接とも称されるもので、ここ数年急速に医学、歯学
教育の場で普及してきているものです。医療面接はラポール形成、病歴聴取、患者指導(イ
ンフォームド・コンセント、コンプライアンス)の3 つの柱からなっております。
歯科の初診ではともすると閉じられた質問から始まることが多いと思われます。「痛いの
ですか?」 「いつからですか?」 「では、ちょっと診させてください」といった具合です。
患者は早く診てもらいたがっている。診ればわかることをつべこべ聞くことはない、と患
者は思っているに違いない。というふうに歯科界では考えられています。確かにそういう
思いの患者もいるでしょうが、多くの場合初めて歯科診療室に来る人は苦痛と不安と不満
と緊張等のないまぜとなった状態にあるのです。
この患者の緊張を和らげ、不安を解消するのに必要なのが、患者と医療従事者の良好な
コミュニケーションなのです。そして良好なコミュニケーションに不可欠なのが、治療的
自我です。
J.Watokinsが言った「患者の心に入って不安を和らげることが出来るのが治療的
自我である」は、M.Balintが提唱した「薬としての医者」と同じ概念とされています。
治療的自我は向上できるものであり、生涯にわたってそうすべきものであるのが医療従事
者の務めと思われます。医療面接の第1 の柱にラポール形成が位置づけられていることの
意味は、上記のような背景があるからです。さらに、医療面接は習得可能な態度であり技
能であるとされています。
訪問歯科診療では患者とのコミュニケーションが困難であり、患者を取り巻く諸事情が
特異的です。今後この面での医療面接の確立が重要と思われます。
略 歴
石井 拓男(昭和23 年1月21 日生)
最終学歴
昭和47 年3月 愛知学院大学歯学部卒業
主な経歴
昭和47 年 5月 愛知学院大学歯学部助手(口腔衛生学教室)
53 年10 月 愛知学院大学歯学部講師
63 年11 月 愛知学院大学歯学部助教授
平成 2年 2月 厚生省入省
3年 4月 厚生省保険局医療課課長補佐
5年 1月 厚生省保険局歯科医療管理官
7年 6月 厚生省健康政策局歯科衛生課課長
9年 7月 厚生省健康政策局歯科保健課課長
11 年 9月 東京歯科大学社会歯科学研究室教授
主な公職
日本口腔衛生学会理事、日本保健行動科学会理事、
日本歯科医学史学会評議員、日本歯科医学教育学会評議員、
日本公衆衛生学会評議員
http://www.houmonshika.org/pdf/society/gakkai_2003.pdf
■日 時 : 平成15年11月16日(日)10:15~16:00
■場 所 : 東京ダイヤモンドホテル ダイヤホール
特別基調講演 『訪問歯科診療におけるメディカルインタビューとは』
東京歯科大学 社会歯科学研究室教授 石井拓男先生
メディカルインタビューとは医療面接とも称されるもので、ここ数年急速に医学、歯学
教育の場で普及してきているものです。医療面接はラポール形成、病歴聴取、患者指導(イ
ンフォームド・コンセント、コンプライアンス)の3 つの柱からなっております。
歯科の初診ではともすると閉じられた質問から始まることが多いと思われます。「痛いの
ですか?」 「いつからですか?」 「では、ちょっと診させてください」といった具合です。
患者は早く診てもらいたがっている。診ればわかることをつべこべ聞くことはない、と患
者は思っているに違いない。というふうに歯科界では考えられています。確かにそういう
思いの患者もいるでしょうが、多くの場合初めて歯科診療室に来る人は苦痛と不安と不満
と緊張等のないまぜとなった状態にあるのです。
この患者の緊張を和らげ、不安を解消するのに必要なのが、患者と医療従事者の良好な
コミュニケーションなのです。そして良好なコミュニケーションに不可欠なのが、治療的
自我です。
J.Watokinsが言った「患者の心に入って不安を和らげることが出来るのが治療的
自我である」は、M.Balintが提唱した「薬としての医者」と同じ概念とされています。
治療的自我は向上できるものであり、生涯にわたってそうすべきものであるのが医療従事
者の務めと思われます。医療面接の第1 の柱にラポール形成が位置づけられていることの
意味は、上記のような背景があるからです。さらに、医療面接は習得可能な態度であり技
能であるとされています。
訪問歯科診療では患者とのコミュニケーションが困難であり、患者を取り巻く諸事情が
特異的です。今後この面での医療面接の確立が重要と思われます。
略 歴
石井 拓男(昭和23 年1月21 日生)
最終学歴
昭和47 年3月 愛知学院大学歯学部卒業
主な経歴
昭和47 年 5月 愛知学院大学歯学部助手(口腔衛生学教室)
53 年10 月 愛知学院大学歯学部講師
63 年11 月 愛知学院大学歯学部助教授
平成 2年 2月 厚生省入省
3年 4月 厚生省保険局医療課課長補佐
5年 1月 厚生省保険局歯科医療管理官
7年 6月 厚生省健康政策局歯科衛生課課長
9年 7月 厚生省健康政策局歯科保健課課長
11 年 9月 東京歯科大学社会歯科学研究室教授
主な公職
日本口腔衛生学会理事、日本保健行動科学会理事、
日本歯科医学史学会評議員、日本歯科医学教育学会評議員、
日本公衆衛生学会評議員
http://www.houmonshika.org/pdf/society/gakkai_2003.pdf