歯科医療の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染予防 2020 年 4 月 12 日
東京歯科大学名誉教授 奥田克爾
1.スタンダードプリコーションの遵守
① 歯科診療にあたっては、全ての患者は何らかのキャリアとみなして、ラテックスグローブ、マスク、 フェースガード(または防塵グラス)、白衣(必要に応じて防水エプロンの重ね着)などの個人防護
具を着用し、スタッフ一丸となり感染防御に当たる。在宅診療を含めて診療前後のアルコール系擦
式手指消毒剤での手洗いを徹底する。
② 患者毎に滅菌済みのタービンハンドピースや器具類を使用し、使用後には速やかに滅菌を行う。
③ 全ての患者に対し、処置前に抗菌性洗口液でのガラガラ嗽を求め、エアロゾルの感染因子を減少さ せる。
④ タービンや超音波スケーラーの使用時には、バキューム・口腔外バキュームを使用する。
⑤ 印象採得などは速やかに専用の次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒する。
2.発熱患者への対応
① 4 日間、37.5℃以上の発熱が続いている患者に対しては、最寄りの保健所に設置されている「帰国 者・接触者相談センター」に相談する。
② 37.5℃以上の発熱がある患者に対しては応急処置に限定する。
③ 全ての発熱患者に、速やかな帰宅を促す。
3.処置前の抗菌性洗口液によるガラガラ嗽をさせる
① ポビドンヨード液は多くのウイルスを不活化させるため、イソジンやネオヨジンによる所定の濃度 でのガラガラ嗽をさせる。
②日常的に使われる抗菌性洗口液のエッセンティシャルオイルのリステリン液は、エンベロープを有 するインフルエンザウイルスを不活化させるため、SARS-CoV-2 にも有効と考えられる。しかし、抗菌性洗口液に含まれるグルコン酸クロルヘキシジン (CHX)と塩化セチルピリジウム(CPC)の短時間
でのウイルス不活化効果は低い。
4.診療室の頻繁な消毒と換気
① エンベロープを有する SARS-CoV-2 は、消毒用アルコールで不活化するため、ユニットを始めとする 周辺環境に噴霧する。次亜塩素酸ナトリウムは 0.05〜0.1 濃度で不活化させるためユニット、床、
ドアなどの消毒に有効である。使用時は充分に換気をする必要があり、使用後は水道水で洗い流す。
(キッチンハイターで 0.1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を作る場合は、1,000 mL の水道水にキャッ
プ 2 杯を加える。希釈した次亜塩素酸ナトリウムの濃度は低下するため作ってすぐに使う)。
② SARS-CoV-2 はエアロゾルで短時間に不活化しないことが分かってきたとから頻繁な換気が行う。 在宅診療でも換気をしてから診療する。可能ならば窓を解放したまま診療する。
③診療室を離れる際には、手指消毒剤での手指の消毒と消毒用アルコールのユニットなどへ噴霧する。
④殺菌灯があれば退出時につける。(プラスチック器具は紫外線で劣化しやすいので注意が必要)
⑤殆どの洗剤は、エンベロープを持つ SARS-CoV-2 を不活化でき白衣は複数揃え頻繁に洗濯する
5.診療機関スタッフに発熱のある場合は医療現場に立ち入らない。
以上
東京歯科大学名誉教授 奥田克爾
1.スタンダードプリコーションの遵守
① 歯科診療にあたっては、全ての患者は何らかのキャリアとみなして、ラテックスグローブ、マスク、 フェースガード(または防塵グラス)、白衣(必要に応じて防水エプロンの重ね着)などの個人防護
具を着用し、スタッフ一丸となり感染防御に当たる。在宅診療を含めて診療前後のアルコール系擦
式手指消毒剤での手洗いを徹底する。
② 患者毎に滅菌済みのタービンハンドピースや器具類を使用し、使用後には速やかに滅菌を行う。
③ 全ての患者に対し、処置前に抗菌性洗口液でのガラガラ嗽を求め、エアロゾルの感染因子を減少さ せる。
④ タービンや超音波スケーラーの使用時には、バキューム・口腔外バキュームを使用する。
⑤ 印象採得などは速やかに専用の次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒する。
2.発熱患者への対応
① 4 日間、37.5℃以上の発熱が続いている患者に対しては、最寄りの保健所に設置されている「帰国 者・接触者相談センター」に相談する。
② 37.5℃以上の発熱がある患者に対しては応急処置に限定する。
③ 全ての発熱患者に、速やかな帰宅を促す。
3.処置前の抗菌性洗口液によるガラガラ嗽をさせる
① ポビドンヨード液は多くのウイルスを不活化させるため、イソジンやネオヨジンによる所定の濃度 でのガラガラ嗽をさせる。
②日常的に使われる抗菌性洗口液のエッセンティシャルオイルのリステリン液は、エンベロープを有 するインフルエンザウイルスを不活化させるため、SARS-CoV-2 にも有効と考えられる。しかし、抗菌性洗口液に含まれるグルコン酸クロルヘキシジン (CHX)と塩化セチルピリジウム(CPC)の短時間
でのウイルス不活化効果は低い。
4.診療室の頻繁な消毒と換気
① エンベロープを有する SARS-CoV-2 は、消毒用アルコールで不活化するため、ユニットを始めとする 周辺環境に噴霧する。次亜塩素酸ナトリウムは 0.05〜0.1 濃度で不活化させるためユニット、床、
ドアなどの消毒に有効である。使用時は充分に換気をする必要があり、使用後は水道水で洗い流す。
(キッチンハイターで 0.1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を作る場合は、1,000 mL の水道水にキャッ
プ 2 杯を加える。希釈した次亜塩素酸ナトリウムの濃度は低下するため作ってすぐに使う)。
② SARS-CoV-2 はエアロゾルで短時間に不活化しないことが分かってきたとから頻繁な換気が行う。 在宅診療でも換気をしてから診療する。可能ならば窓を解放したまま診療する。
③診療室を離れる際には、手指消毒剤での手指の消毒と消毒用アルコールのユニットなどへ噴霧する。
④殺菌灯があれば退出時につける。(プラスチック器具は紫外線で劣化しやすいので注意が必要)
⑤殆どの洗剤は、エンベロープを持つ SARS-CoV-2 を不活化でき白衣は複数揃え頻繁に洗濯する
5.診療機関スタッフに発熱のある場合は医療現場に立ち入らない。
以上