2頭目の猫さんを迎える時
先住猫さんと仲良くなれるか
とても気になりますよねー
このお話が参考になればと…
書かせて頂きました。
1歳7ヶ月の三毛猫ミンミ
女のコだけど体は大きめ。
性格もツンデレで人にベタベタ
甘えてくる子ではありません。
譲渡会でも怖い顔をして
固まっているので
なかなかお声が
掛かりませんでした。
2月後半の譲渡会
一組のご夫婦が
そんなミンミの前で
足を止めて下さいました。
「三毛猫がいい」と言うご主人。
若いけどしっかりとした
優しい雰囲気のご夫婦でした。
成猫は子猫のようにはいかない事
メスはオスより気難しい事
ミンミの性格などなど
包み隠さず
色々お話しさせて頂きました。
ご夫婦「10分だけ時間を下さい。」
そう言うと会場から退室。
10分が経ち
何かを吹っ切った表情で
戻って来られました。
「トライアルお願いします!」
お話すべき事は全部伝えた上での
トライアル希望でした。
子猫希望の方が多い中
成猫に目を向けて下さる方が
いるということに
嬉しさと感謝の気持ちで
いっぱいになりました。
先住猫さんは
スコティッシュフォールドの♂
スコは温厚な子が多い。
そしてオスは面倒見がいい。
それでも会わせてみないと
お互いどうなるかはわかりません。
そしてお届け。
新しい環境、知らない人、初めての匂い
ミンミの頭の中は真っ白か混乱か…と
言った感じでしょうか。
かなり警戒していました。
そしてケージの前に張り付くスコちゃん。
怖い顔で威嚇の嵐。
これこそ第一関門突破!
先住猫さんがケージに近づかない。
ケージがある部屋にはいれない。
…これが一番避けたい問題。
なので先住猫さんが
ケージの前で威嚇する行為は
絶対的に必要な儀式であり
そこを人が止めてはいけません。
ここは先住猫さんの縄張りであり
そこに新しく入れてもらう為の儀式。
新入りさんは先住猫さんに
逆らってはいけないことを
体で覚えていきます。
それがのちに先住猫さんを慕い
先住猫さんのここのおうちでの
しきたりを見習うことに
繋がっていきます。
威嚇をしながらも毎日
ミンミのいるケージの前に
張り付くスコちゃん。笑笑
気になる証拠です。
そしてケージの中で
警戒イカ耳だったミンミも
ケージ内で動きを見せるようになれば
こちらも環境に慣れてきた証拠。
第二関門突破です!
里親さんのお宅は共働きの為
お留守番の時間が長い。
でもそれは人がいない間に
猫だけの時間で距離を縮められる
良い機会となります。
お互い攻撃性がない事が分かると
更に距離を縮めていく。
ケージ越しに鼻ツンツン
チョンチョンし出したら
ケージを開放しても大丈夫となります。
最終関門突破です!
3週間というトライアルの中で
2頭の成猫の距離を
これだけ縮められるのは
なかなかできる事ではありません。
見守って下さった里親さんには
本当に感謝です。
そしてミンミは
正式譲渡となりました。
トライアル期間…これから先
猫が15年20年生きたとして
その長い年月を家族として
暮らせるかどうかのお試し期間。
それを勘違いしている人は多い。
お試し期間は
人主体ではなく
猫主体であるということ。
猫と猫の相性
猫と人との相性
猫と家との相性
よく鳴くから。
粗相するから。
夜鳴きで寝れないから。
なかなか人慣れしないから。
毛が落ちるから。
家具や柱で爪をとぐから。
…などなど
猫主体ではなく人主体で返すのだけはやめていただきたいのです。
この子達は自分が保護猫であり
いずれ新しい家族ができるのだということを理解していません。
保護されおうちでの生活を覚え
当然そこが居場所であると認識します。成猫にもなれば譲渡=捨てられたと思う子もいるかもしれません。
だからこそ「とりあえずトライアルしてダメなら返せますよね?」
それでは猫が可哀想過ぎるんです。
この子達は動く縫いぐるみではありません。
人と同じ心があります。
都合良く自分達の思うようにいくわけがありません。
人と同じで猫も十人十色。
そこをまず理解した上で
保護猫を迎え入れてほしいと切に願います。