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ビスマルクとの会見と娘婿の死

2015-03-09 16:28:52 | 日記
1888年3月にドイツ皇帝ヴィルヘルム1世が崩御し、娘婿フリッツがフリードリヒ3世としてドイツ皇帝に即位した。しかし彼は喉頭癌を患っており、先は長くなかった。4月にヴィクトリアはフリードリヒ3世のお見舞いも兼ねてイタリア、オーストリア、ドイツ歴訪の外遊に出た。
ドイツに到着すると宰相オットー・フォン・ビスマルクを引見した。ヴィクトリアはビスマルクが噂に聞くより紳士的であったことに驚いたという。ビスマルクはオーストリアがロシアに攻撃されたらドイツはオーストリアを助けねばならない。ロシアはフランスと組むであろうから、そうなるとイギリスが重要になってくると述べた。これに対してヴィクトリアはフランスは政権が不安定なので早々戦争には乗り出さないだろうと無難に返事をした。またヴィクトリアはヴィッキーとフリッツを支えてほしいと依頼した。ビスマルクは自由主義者のこの二人を全く信用していなかったが、その場の口先ではもちろんですと返答した。フリッツとヴィッキーの長男である皇太子ヴィルヘルム(愛称ウィリー)についても話が及び、ヴィクトリアは「ウィリーは未熟であり、イングランド以外にも外遊させて見聞を広げさせるべきではないか」と述べたが、ビスマルクは「殿下はまだ文政をご存じでないですが、もともと頭の良い方なので水の中で放っておいて差し上げればすぐにも泳げるようになりましょう」と回答した。
ついでフリードリヒ3世に面会したが、エルメスピコタン 彼はすでに死にかけの状態でしゃべることはできなかった。ヴィクトリアは彼に接吻し、回復したら是非イングランドへ訪問をと要請した。また駅まで出迎えに出たヴィッキーを慰めた。ヴィクトリアは日記に「ゆっくりと駅を離れる汽車の窓越しに顔をくしゃくしゃにしたヴィッキーを見ながら、私はあの子を待ち受ける恐ろしい運命を思ってぞっとした。哀れな我が子よ。貴女の苦難を少しでも軽くするためなら私はどんなことを厭いません。」と書いている。

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