『ゆきちゃん、もう、結納???』
『はああ、明日はぁ、結納かぁ。』
結納!結納!すぐっ結納!
『いつ、結納したの?』
あれ、高校三年生で、結納でしょ、、。
『ウギャハハハハハ!!嘘~~!!』
『ホントにぃ?』
『ちゃっかり、してるっ!』
いやぁ、あれは、あんまり、オススメできん。
『なしてぇ。高校三年生で、結納ったら、女子のぉ、憧れ!』
『あんまり、色気がない。』
なあああ。
『チビ?』
なんちゅうか、干からび魚?
ウギャハハハハハ!!
『干からび魚嵐!!』
(Ok! No crazy's...now)
『はああ、明日はぁ、結納かぁ。』
「んん?えっとぉ、岐阜の短期大学卒と、英文科、、。二年かぁ。」
「おとおとが、1人。実家は、中学校の教員と、、。」
「どぉ?」
「ゆきちゃん、キレイ!キレイ!」
ゆきちゃん、はぁ、札幌の、短期大学の補欠入試になんとか引っかかり、地元の同級生には、女子寮に入り、国文科の短期大学という、矛先で、明日は、死んだはずのおとおさんが、決めた「長年のフィアンセ」との、結納を待ち構えておった、、。
「振り袖はぁ、これでいいわ、、。」
「あちらは、カタクチだから、、。」
ゆきちゃん、はぁ、内心とっても、嬉しかった、、。いつか、私のすごさ見せてやるわ!と、思っておったから、このぉ、特異なぁ、多重生活にぃ、ゆきちゃんはぁ、とっても乗り気でおった、、。
(振り袖はぁ、搾り紅型、黒地がぁ、素敵❤)
「襟は、どうする?ゆきちゃん。」
「えっとぉ、綿レ~ス!」
「フロ~レンス聖子かぁ?」
「好きに、させまひょ。」
「自分で、おやり。」
ゆきちゃん、はぁ、ウキウキと、自分で、縫った女物のぉ、襦袢にぃ、綿レ~スを、チクチクと、縫い付けてぇ、、。
「アタマは、どないする?」
「ふわふわでぇ、丸くてぇ、可愛い❤」
「綿帽子か?」
「綿帽子じゃない!!」
「角隠しで、いいな、、。」
ウギャハハハハハ!!
(はああ、私が一番ノリ~!あの、伸び伸びデブっ!びっくりするだろうなぁぁ。)
「はあ、おなかすいた、、。」
ピシッ!
「もう、旦那はん、決まったのですからね!!ソイツとくいやああ!!」
「デブっ!になったら、困るでえ。」
ウギャハハハハハ!!
ゆきちゃん、のぉ、結納はぁ。
チビ綿レ~スが付いた、白襟に、
堅絞り、黒地と赤に、総絞りのジミメの振り袖。
帯揚げはぁ、金糸に、白地の縮緬、波目紋様。
帯締めは、結婚式用の、金糸銀糸の、丸帯締め。
帯は、結納なので、なんとか大ばあちゃんの箪笥から掘り当てた。金閣寺のぉ織り込まれた、留め袖ようの、袋帯でぉあった、、。
「ゆきちゃん、キデイ、、。」
「アタマなあああ。」
「三つ編みにい!するっ!」
「三つ編み可愛いな、ばあちゃんがぁ、結ってやる、、。」
ばあちゃんはぁ、手馴れた手付きで、編み込みの三つ編みを、お下げに作り、後ろで束ねて、白い羽根の付いた、髪飾りを、指してくれた、、。
「かわうい!かわうい!聖子ちゃんやなああ。」
「聖子より、百恵だなぁ。」
「もう、止めるんだな、、。」
「おとおさん、御世話にぃ、なりました。」
「ゆきちゃん、、、、。頑張って!」
踏ん張って!!
ウギャハハハハハ!!
ゆきちゃんのぉ、隠れ家はぁ、蕎麦屋の裏の安アパ~トで、新婚生活が始まるらしい。
「蕎麦やさんのぉ、すぐ裏なの!みんな食べに来てね。」
「うんうん、、。」
地元のぉ、定食屋の二階で、結納が滞りなく、行われ。
結婚式はぁ、写真でぇ、済ました。
結納の、お母さんはぁ、かすりのぉ、涼しげなぁ、お着物にぃ、男らしい博多帯。
お婆ちゃんはぁ、逸品のぉ、大島にぃ、御茶席でぇ、使う、じゅらく紋様のぉ、プラチナ袋帯。
死んだはずのぉおとおさんはぁ、アイヌ民族衣装でぇ、おどけて、、。
「イランカラプテェ。」とぉ、挨拶した、、。
一つも、砕けない、長年のぉ、フィアンセのご家族はぁ。
「よろしゅう、お願いいたしそおろう。」
と、アタマを下げ、、、。
「嬉しい、ハムニカ。」
とぉ、挨拶した。
「ハムニカ。ハムニカ。結納ハムニカ。」
長年のぉ、フィアンセはぁ、皆さん、ス~ツ姿で、、、。
フィアンセはぁ、白い麻のス~ツでぇ、あった、、、。
「よろしくね、、。」
(おとおさんにぃ、似たタイプ、、。)
ゆきちゃん、はぁ、黒縁メガネの、口の曲がった、フィアンセを見て、ちょっと、ホットしておった、、。
「幸せにね。」
「幸せで、ありたいハムニダ。」
「ハムニダ。ハムニダ。ハムニダ。」
結納金はぁ、三十万。
フィアンセの国は、為替が低めなので、母国ではぁ、三億の価格だと、ずっと、はなしておった、、、。
「これはぁ?」
「これはぁ、婚約指輪ですよ。」
「まぁ、、、。」
金地の花形の琥珀がぁ付いたリングに、ゆきちゃん、はぁ、目を奪われた、、。
「素敵ねぇ、ゆきちゃん、、、。」
「おっと!」
「なによおおお??」
「お母さんが!先よ!!」
「いやっ!」
びっ、びくうううう。
「おとおさんが、先だ!」