
この刀で、物斬りはしないつもりだ。
しかし、もし斬らねばならないとき、利器としてその用を成すべく拵える。
その意味で柄は重要で、全体の大きさと形は、刀身、縁、頭によりおおよそ決まる。
そのことを踏まえて、下地の木材、部品を選んだ。
左上に見えるのは、テンカラ風延べ竿だ。
オーナーは仕事が忙しく今年は釣りは無理とのことだが、来シーズンあたり使ってもらいたい。
これとほぼ同じものを、引越し後の第1作と考えている。
縁や頭は、本歌物には手が出ないのだが、肥後と江戸肥後の中間くらいをイメージして選んだ。
太く見えるのは柄糸が太いのためで、柄下地自体は殊更太くも厚くもない。
でも、持った時、私にとってコレしかないという形にはできたと思う。
本歌の肥後拵は、エッというほどの、必要最小限の長さしかない。
それではこの刀身にはキツいので、バランスを考え8寸程にした。
掌の方を少し厚く刃方を薄く、自然と刃筋正しく持てる感じに出来た。
肥後ならば柄糸は革だそうだが、やはり糸、中でも絹がいい。
手に入れるのは不可能かもしれないが、野蚕で編んだ糸があれば使ってみたい。
昔、薄緑色した繭が実家の栗の木に大量に付いて、駆除が大変だった。
親父が、これで良いテグスが作れると言っていたが、今思うと、勿体無いことをしたものだ。
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