K.M. Rodsmiths

自分で作ってしまえ (バンブーロッド、ランディングネットetc.)、ネコ、

春の幻

2008年11月28日 | フライフィッシング
落ち込みのプールに何がいるかは説明の必要はないと思う。
十分な作戦をたてて臨んだ。
リーダーとティペットは細い方が有利だが、6Xでは取れないかもしれない。
ロッドは柔らかめ真竹#4、リーダーは5Ⅹ12フィート、ティペットは5Ⅹ、リーダーとティペットは新品、フライはカディス#12(これには理由がある)。

橋の上から身を潜めて、魚の位置を確認。
この前と同じところについている。
下に降り、リールからラインを引き出しフォルス1回で狙ったところににフライが入った。
魚のフィーディングレーンをフライが流れる。
スーッと浮いてきて、ゆっくりとフライを吸い込む。
ロッドを立て、ラインを軽く引く。
フックセット!
合わせが完璧に決まった。

魚は流れを上へ下へと暴れる。
余分なラインを巻き取り、水際まで降り、ネットをリリーサーから引き抜きランディングの体制に入る。
ネットを差し出しながら、魚を横から見るとほとんどパーマークが見えない。
大きい。
いよいよ掬おうと斜めから見たとき、サビとパーマークが確認できた。
あと少しで私の勝ちだ。

次の瞬間、魚が首を振って上流に走ると同時、ロッドのテンションが抜けた!
風に吹かれて虚しく宙に漂うライン…
その先には、フライも勿論ヤマメも何もない。
5Xなのになぜ!!

ティペットは、フライのアイの結び目で切れていた。
5Xをブチ切るとは…
アイに傷があったか、セメントか何か残っていて擦れて切れたか…
ネットに収める直前の出来事に、しばらくその場で呆然…

ここはしばらくポイントを休ませれば何とかなるかもしれない。
その場を離れ、トボトボと上流に釣り上がった。
それから何度か反応があったが、気が抜けてしまって合わせられない。
そこで少し早いが昼食を取り、しばし休憩することに。

約2時間後、再び戻って、確認する。
魚は、3メートルほど上流の泡の切れ目に移っている。
後ろから確認するとやはり大物だ。
何かにライズしているのだが、確認できない。
フライは何を選ぶ?
そのとき手にしたのは、昨年岩魚釣りで活躍した山蟻系アント。

なぜか選んだアントであったが、3回ライズしてきた。
フライの選択は誤ってはいなかった。
ライズはするが、直前でフライを見切っているようだ。
その日はロッドが大き弧を描くことはもうなかった。

もし磯玉網のような柄の長いものを持っていたなら、こんなことにはならなかったかもしれない。
リールのドラグを使っていたら、ラインブレイクは防げたかもしれない。
魚がローリングするのを嫌って、必要以上にロッドを立てたのがいけなかったのかもしれない。
コアーに伸びのあるラインを使っていたら、魚のパワーを吸収できたかもしれない。
後悔が頭をよぎる。

遠い記憶の中から思い出したことが一つある。
岩魚やヤマメの大物、特に鼻が曲がったオスのクチは、かなり硬い。
釣堀りの虹鱒など較べ物にならない。
#12~3くらいのフックなら簡単に曲げてしまう。
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