試合

 師範の先生からの“試合に出てみないか”とのお誘いには、“はい” とこたえるしかなく…
試合当日は、数日前からの足腰の痛みもあり、不安な気持ちで会場に入った。
進行の関係から大人の試合は子供たちの後で行なわれるため、待っている間も緊張と不安が続いた。

 そんな私の状況を察してか、先生から貴重なアドバイスをいただいた。
“初太刀を大切に、得意技を自信を持って打って行きなさい”と。
当日はJr.君も一緒に行くとのことだったので、試合の様子を撮影してもらうことに。

 

 現役のときはかなり頑張ったのだが、両親とも忙しく見に来てもらったことはなく、写真すらないのは少し寂しい。
そんなことから親として、Jr.君の試合は可能な限り見に行くようにした。 
今回は自分が剣道する姿を撮ってもらったが、生まれて初めてのことで、このことも期待と不安が… 

 しかし、ひとたび面を着け試合場に入れば、そんな気持ちも吹き飛んでしまう。
お相手の方は皆さん若く動きが早いので、“若い奴らにはまだまだ負けんぞ”と頑張った。 
初戦で、まず出籠手が決まりそれからは何とか自分の剣道ができた。 

 

 結果は全勝、“試合に出てよかったやろ！” 先生の言葉に頷きながらホッとした。
Jr.君に、頑張っている姿を見てもらうことと、努力を結果として出すことの難しさとその意義を少しは伝えることが出来たのではないだろうか。
 
帰宅後、ビデオを見て、いつも先生方に直しなさいとご指摘いただいている所がよく分かった。 
動画恐るべし、これはスキーも是非動画に撮ってみなければ…
足腰に加えて、肩と背中が痛い… でも、何物にも代え難い体験ができた。