葬儀司会「青柳司会事務所」ブログ

葬儀司会歴20年以上の青柳(あおやぎ)がお送りする
仕事の日々や寺社仏閣参拝のブログ。

僧侶には敵わない功徳

2020年07月31日 | 司会コラム
「我々僧侶の唱えるお経には、敵わない功徳があるのですよ」

このお言葉を過去に式場で聞いたことがあります。
功徳とは、簡単に言うと「善い行い」のこと。
とあるご葬儀で、開式前に、とあるお寺様から掛けられた一言でした。
お相手は、小さなお子様連れのお母さん。喪主様の娘さんでしょうか。

小さなお子様が祭壇前で遊ぶことに対してでした。
亡き人のご霊前で、お孫様やひ孫様が元気な顔を見せて、こうして遊んでくれることは
お経には敵わない功徳があるのですよ、と。

そしてこの新型コロナウイルス拡大で騒がれている昨今、また違うお寺様からこのようなお話がありました。

「生前にお世話になった方々が出来る限り集まってくださるのは、生きている私達でも嬉しいこと。
ご遺族だけでなく、故人にとっても勿論嬉しいことなのです。これは私たち(寺院)では出来ないご供養であります」

これはご遺族の立場になると経験することが多いです。
いつも顔を合わせる方々が、亡き人のために一堂に会してくれることは感動を覚える程嬉しいことなのです。
喪主様がご挨拶で「泣くつもりがなかったのに」涙してしまうのは、これが原因だったりします。

しかし、このご時世で ご葬儀も大勢で集まることが難しくなっております。
県外の方(特に関東圏にお住まいのご遺族)は、なるべく自主的に参列せずにご弔電をお送りになるケースも増えました。

この辺りは本来ならば現在も「なるべく多くの縁者の皆様で集まってご葬儀をする」という風習が色濃い地域。
ゆかりのあった皆様に直接集まって頂き、亡き人を偲ぶ。
お子様やお孫様の笑顔を、大切な人に見せてお送りしたい。
これが出来ずに「悔やまれます」とご挨拶をされる喪主様もいらっしゃいました。
それは亡き人だけでなく、残された皆様の『心を整える』ためにも、必要なことではないでしょうか。

いつかそのような日々がまたやってきますように。
私は、今できる限りのことを引き続き精一杯臨んでいきたいと思います。

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ちなみに、お子様の同伴について。
私も上記の内容を踏まえ、お子様連れの親御さんにご説明しています。
開式前であれば、物を壊したりケガをしたり、周りにご迷惑にならない範囲であれば
私は自由に遊んでもらっても構わないと思っています。
(ただしお寺様の影響を受けた私の個人的な考えです。式場にもよりますのでご注意くださいね)

大人でも1時間~2時間の読経をずっと座って聞いているのは大変だと感じる方もいらっしゃいます。
お子様はもってのほかですよね…おしゃべりしたい子、飽きちゃう子も勿論います。
なので、式中は出来る範囲でご参列してもらって、お子様がぐずったり嫌がったり、遊びたがったりした場合は
出入り自由ですので休みながら参加してくださいね、とお話しています。
大人も疲れたりお手洗いに行きたくなったら、少し中座しても大丈夫です。

話は逸れますが、以前5歳の女の子が祭壇のご遺影に向かい手を合わせ、頬を伝うような静かな涙を流していたことがありました。
それを見たときに、優しいような切ないような気持ちになり、私も手を合わせたくなりました。
年齢は関係なく死を理解しているお子様もおりますので、お子様ご本人の意思を尊重してあげたいですね。

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