華氏９１１を観てきました

この映画の狙いは？？思ったより面白くはなかった。

話題のマイケル・ムーア監督の「華氏９１１」を観てきました。
作品にふれる前に、またグチを言わせてもらいます。
おじぃちゃん、映画館で映画を観ている時は携帯を切るのがマナーだよ（怒）
目の前で悲しいシーンになっても、へんなメロディが何回も何回も流れるのは
勘弁してほしい。。。もう耐えきれず注意しちゃいました。

さて本題ですが、思ったより面白くなかったと書きましたが、一見の価値はある
ような気はします。しかし娯楽作品なのか、ドキュメンタリー作品なのか、監督
の狙いはどっちにあるのか気になりました。娯楽作品としてはシュールな笑い
ばかりで特別面白くもなかった。この方向でカンヌのパルムドールを取れたとは
思えない。じゃあドキュメンタリー作品としてはどうかいうと、かなり民主党の
プロパガンダ作品の要素が強い。アンチ戦争のテーマには共感。アンチブッシュ
にはどうなんだろうか、実際問題の話アメリカ市民でないので立ち入った話は
できないと思うが、共感しきれないことが多い気がした。もっとも初めて見る
映像が多かったし、この作品を何も知らず頭から信じるとするならば、そもそも
ビンラディンやフセインに武器を渡していたのはアメリカ自身であり、ブッシュ
大統領の後ろにネオコンやオイルビジネスの影を感じ、それらの利益の為に
イラク戦争（先制攻撃）は行われた、いやそれより、４年前にブッシュ大統領が
当選したのも怪しいということになる。今回のイラク戦争は、はっきりいって
マッチポンプだということだろう。この点に関して監督の強いバイアスを感じた。
それを除いた部分においては、すごく優れた戦争ドキュンタリー作品だと思う。
これはまさに賞賛に値する作品だと思った。TVのニュースでは伝えきれていない
戦争の悲惨を目の当たりにして、少しショックを受けた。９．１１やイラクで
息子など家族を失った人とイラクで空爆にあって家族を失った人も、同じでは
ないかと思った。そして、兵士にもインタビューしていて、その中でも一番印象に
残ったのが、「ここにいると僕の魂が殺される。無力なイラク国民を殺すたび、
僕は魂が死んでいく」というようなコメントした兵士が印象的だった。アメリカが
唱えている理想とイラクで目の当たりにした現実、その心理的な矛盾に苦悩して
いることが見てとれた。

日本人として感じたのは、ホワイトハウスがこの作品へのコメントとして書いて
いる通り、まず時の大統領を批判するような作品を堂々と製作して公開できると
いう”自由”はすばらしいと思う。そして、イラク戦争に追随している小泉首相を
はじめとする日本政府の方針は、本当に日本国民の利益や目的（国是）に合致
しているのだろうかと考えさせられた作品でした。

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