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桃の香りと主への想い(審神者&歌仙)

2020年04月16日 | 刀剣乱舞関係

 

 

これは、東雲千尋(しののめちひろ)の審神者と歌仙兼定のSSです。

台詞が多いSSで、然も短いです。それでも宜しければ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

<桃の香りと主への想い>


また東雲千尋が審神者を勤める本丸の刀剣男士が中傷で出陣から帰還した。
審神者としての自分の力がまだ未熟だからと今夜も思い詰めた表情で、
千尋は夜を徹して「手伝い札」を書いていた。
その最中だった。
「ねぇ我が君。まだ起きてるんだろう。桃のフレーバーティーを淹れて来たよ」
この声は近侍である歌仙兼定の声だ。彼もまだ起きていたようだった。
「歌仙さん、こんな遅くまで起きていたのかい」
「その台詞はそっくりそのままお返しするよ。開けていいかい」
「あ、うん。勿論。あ、でもちょっと待って。散らかっているから」
音も無く障子が開くと、水菓子と湯飲みが載った盆を持った歌仙が控えていた。
千尋は札の束と硯や筆を机から片付けて、書き損じた札は散り箱に入れていた。
「ゴメンね。もしかして、僕が起きていたから起きててくれてたのかい」
「これでも、君の近侍だよ。当然だろう」
「うん、有難う」
「そうだね。謝れるよりお礼を言って貰った方が僕は嬉しいよ」
湯飲みには桃の花の浮いた緑茶が淹れられていた。
果肉も煎じられているのか、桃の香りがとても心地よかった。
「この前、現世に行った時、街中で味見して美味しそうに飲んでいただろう」
「あれ・・・観られてたんだ。恥ずかしいな。おじさんなのに」
「愛らしかったけど。おいしそうに飲んでて」
頬からぼっと火が出たんじゃないかと思うくらいに、千尋は頬を紅潮させる。
今、歌仙は何と言ったのか。夜更かしをし過ぎて幻聴でも聞こえるようになったのか。
千尋は湯飲みを両手に持ったまま目をクルクルさせた。
「出陣した刀剣男士達の傷は君の所為じゃないよ。
武人に怪我は付き物。気にしちゃ駄目だから。それだけは分かっておいて」
「え」
暫く千尋の百面相を楽しんでいた歌仙は、急に真面目な表情になって、そう切り出して来た。
「僕達の傷を我が事のように苦しんでくれるのは、正直嬉しい。
でも、君が根詰めて徹夜して札を書いているのを観るのは、辛いよ」
「ごめんなさい」
「ああ。そうだね。其処で素直に謝れるのも君の美点だね」
「そんなに褒めないでおくれよ。恥ずかしくて僕は顔から火が出そうだよ」
歌仙はふふと微笑むと水菓子を切って審神者である千尋に差し出す。桃の水菓子だった。
「桃三昧だね。桃に何か意味があるのかい」
「桃の花言葉は『天下無敵』だよ。これからはきっと勝ち続きさ。願掛けって奴だね」
「へぇ・・・それは良い事を聴いた。これからも桃のお茶淹れて欲しいな」
「勿論、じゃあ、これは君からのリクエストという事で良いね」
千尋はきょとんとして首を傾げながら歌仙の物言いを不思議に思ったが、頷いた。
「さあ。これを食べたら歯を磨いて今日はお休み。後少しで夜が明けてしまう」
「うん。そうするよ。有難う」
盆に皿と湯飲みを載せ、歌仙は審神者の部屋を後にする。
千尋は後になって、桃の花言葉の真意を知って真っ赤になった顔を両手で覆い叫んだ。
「歌仙さん!桃のお茶はもういいです!止めて下さい!」
----桃の花言葉----私はあなたのとりこ-----


<了>

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単に私が桃の緑茶を飲んでいて思いついた話なのですが、
桃の花ことばは偶然です(笑

 

 

 

 

 


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