あぽまに@らんだむ

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その唇で名前を呼んで(京浮スタ)

2020年03月20日 | BLE◆CH関連

 

 

 

これはBLE◆CHの「京楽+浮竹×スターク」です。腐的表現があります。

閲覧には充分注意して御覧下さい。大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<その唇で名前を呼んで>


雨乾堂へ続く長い渡り廊下を京楽は足音を忍ばせて進んでいた。
足許は仄かに薄暗い。
もうすぐ夕暮れを過ぎようかという時間。
世界は橙から藍に呑み込まれようとしていた。
小さな庵が見えてくる。
行灯の明かりが細い人影を浮かび上がらせている。
長い髪から今は療養中の十三番隊隊長の浮竹だろう。
その足許に蹲る陰も見える。
京楽は目許を綻ばせた。
障子の横に膝を折ると「京楽、遅かったな」と中から労いの声があった。

「ゴメンね。療養中の君に預ける羽目になっちゃって」

障子を開けると布団に下半身が入ったまま浮竹が京楽を出迎えた。
その膝には京楽の屋敷に居る筈の元第1十刃(プリメーラ・エスパーダ)だった男が静かに寝息を立てている。
目を丸くしている京楽に、浮竹が得意そうに歯を見せて笑った。
しかし、飽くまでも声は潜めたままだ。

「はっはっは、京楽。やっと俺にも懐いたぞ。」

緩くウェーブした黒髪に指を絡め、あやすかのように頭を撫でてやれば、
気持ち良さそうに「んんん」と身悶える。
まるで大きな野生の狼だと二人は思った。
京楽は少し妬けるなぁと軽く微笑むが、スタークの表情が余りにも幸せそうだったので、
浮竹同様に顔を綻ばせてしまう。
いつもこんな顔をしていて欲しいのだ。
最近は警戒されて余り寝顔を見せて貰えないので、ここぞとばかりに京楽はスタークの寝顔を眺める。
そんな京楽に浮竹は呆れて溜息を吐くと説教を始めた。

「お前な。幾ら三日の遠征だとしても、半日位詰めて来いよ。
今日の午後から、ず~っとスターク君、お前を待ってて疲れちゃったんだぞ。
夕餉も少ししか摂れなかったし、心配だ」

事は三日前。
京楽が隊長を務める八番隊の遠征が決まり、京楽も暫し屋敷を空ける事になった。
その間、世界で唯一の破面(アランカル)となったスタークを、どの隊が預かるか隊主会で検討された。
協議の結果、隊務に支障も無く現在療養中である第十三隊隊長、浮竹十四郎に決まったのだ。
幾ら顔馴染みだとは言え、初めて訪れた雨乾堂内で不安そうに見上げてくるスタークに京楽は微笑む。

「なるべく早く帰るから、浮竹の言う事を聴いて、いい子で待ってるんだよ?」

何か言いたげな表情で開き掛けた唇を噛み締め、スタークは無言のまま頷き、京楽を送り出してくれたのだ。

「遅くなっちゃって、ゴメンね。スターク」

微かに涙が滲んでいる目許に口付けると、スタークが何かを呟いた。
浮竹と二人、首を傾げていると、スタークがまた何かを呟く。
今度ははっきりと聞き取れた。

「…ん……しゅんす…い……」

((可愛い~~~~~~~っっっ))

浮竹と京楽は、スタークが起きないように声を殺して身悶えた。
今まで一回も名前で呼んで貰えていないのに夢の中では呼んでくれているのかと京楽は小躍りしたくなって来る。
浮竹も声を殺して笑う。

「余程淋しかったんだろう。ちゃんと埋め合わせしてやるんだぞ、お前」

それに答えるように京楽が不敵そうに笑った。

「勿論だよ。嫌だと顔が真っ赤になる位、甘々にしてあげるさ」

雨乾堂の中、スタークが目を醒ますまで、隊長二人はスタークの寝顔を肴に酒を酌み交わすのだった。


<了>

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しゅんしゅい!…と仔スタに言って欲しいなぁ。

 

 

 

 

 


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