リーマン面の計量は、足し上げを行った分配関数が行列模型という手法をつかう。
このとき、計量は、分配する無限個の変数を持つ可積分な非線形偏微分方程式系の解になる。
この手法を超弦理論に応用する事で、興味深い考察ができる。それは、ミラー対称性の意味を知る事であり、その対称性が、非常に重要であることを示す事にある。
まず、弦インスタントンは、無限の結合定数をもって発散しており、これは、コヒーレンスが無限の位相に分断されている状況に似ている。
また、膜インスタントンも同様に発散しており、この膜インスタントンは、宇宙ブレーンが無限大のエネルギーを持つ事と同様の意味をもっている。
面白い事に、この弦インスタントと、膜インスタントは足しあ合わせると相殺されてゼロになるのだ。すなわち、両者は実質的に同じものの違う表現方法である事が示唆できるのである。
さて、これが、ミラー効果と如何なる関係があるのかが、肝心であるが、ミラー対称性を考察する必要がある。ミラー対称性は、カラビヤウ多様体にある特定の特異点におけるインスタント補正によって現れる対称性です。即ち、弦インスタントと、膜インスタントの足しあ合わせは、ミラー対称性と、結局のところ同じ性質の事を言っているのである。簡単に言えば、「1-1は0」「1+1は2」、と言っている事と同じ意味になっている。