『14歳からの哲学』が中学や高校の課題図書に選ばれるほどだとも知らず・・・
ハンブルク図書館にある東野圭吾さん、宮部みゆきさん、伊坂幸太郎さんとお気に入り作家さんの本を読み尽くしてしまい、じゃあ・・これでも読んでみようかなぁと手にしたのがこの3冊で。
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高校生の頃から倫理、哲学、心理学にはとても興味があり、プラトンやデカルト、ユングやフロイトなど学校の図書館に置いてあるそういった本をやたらと読みまくってました。
大嫌いだった数学の授業中に机の下に隠しながら「リヴァイアサン」を読んでいて先生に見つかり取り上げられて。
先生が「私の授業は小難しい哲学の本よりつまらないのか?!」って激怒したのを覚えてます(笑)
雑誌や漫画よりも哲学の本は数学の先生のプライドを刺激したようで・・
でも就職してから今まで哲学の本とはまったく無縁の生活を送ってきました。
この3冊の本を読んだあと、なんかこう人生の視界がクリアになって、そしてなんともいえない安堵感がありました。
「こーすべき、あーすべき」ってお説教くさい話ではなくて池田さんの飾らない言葉で語る「死」とは?「魂とは」?「私」とは?って文章にものすごく引き込まれました。
私が今まで考えたり、意見として主張して、でも否定されたり批判されてきたことが池田さんの本の中では当たり前のこととして書かれていることにもものすごく嬉しさを感じました。
感想・・と聞かれるとなんて書いていいのかわからないのですが「確信でき自信が持てた」それに尽きます。
そしてきっとこれから訪れるであろう両親、親戚、友達、旦那そして自分の死、そしてその後の魂の行方・・そういうことに直面した時にもうろたえることなく冷静にまだわからない起こるべきことを受け止めることができる自信が少し持てた気がします。
池田晶子さんにこの気持ちを伝えてみたかったのですが残念ながら2007年に46歳の若さで亡くなられてしまいましたのでそれは叶わないです。
でも池田さんはこの世をさられても池田さんの残された言葉を通じてたくさんの人達を導いてるんだなって思います。
私は動物が大好きで。
『赤ちゃんが嫌い』という人よりも『動物が嫌い』って人を敬遠してしまう傾向すらあって。
ドイツ語のクラスで仲良くしていた移民のクラスメイトが動物が大嫌いで鳥や猫に石を投げて殺したことがあると聞いてから彼女とうまく接することができなくなりました。
池田さんのお父様の愛犬が死ぬ間際に3度吠えてそして息絶えたことをお父様はずっと別れの挨拶だったと信じているそうで。
永劫の時間の中で、輪廻転生は繰り返され実は私たちは何度も魂と出会っているんだと涙が出ました。
お釈迦様が道端で犬を叩いてる男に
『打つな、それはお前の父親だった』と言った話も強く心に残りました。
池田さんも愛犬のコリーをとても愛していてそれは魂と魂のつながりで。
『犬とは、犬の服を着た魂である。そして人間は人間の服を着た魂である』と。
言葉を超えた魂のつながりを私も動物達に感じてきたのでものすごく共感し、そして感動しました。
好き嫌いあるかとは思いますがぜひ一生のうちに1度、ちょっとだけでも池田さんの本を読んでみて欲しいです。
何かが変わり、見えなかった何かが見えてくると生き方も変わって、そして何より人生を静かに終わることができるのではないかと思います。