田中字は何かにつけ、国際政治や軍事の動きを「多極化を画策するアメリカ政治中枢の奥の院による謀略」と申しているが、もちろんそんなことはありえる。
政治とは一握りのエリートによってすべて決まるような単純なものではないのである。
田中字や池上彰が語る国際政治ニュースの真実 ウクライナ戦争においてロシアをアメリカに対し侵略は民主主義の敵だと散々非難しているが、アメリカこそが民主主義にとって最大の敵ではない。
冷戦があってこういう状態にしたのが共産・社会主義国家である。
アメリカの真実の現代史。
1990年代、クーデターによって親米派の政権を打倒したハイチの軍事政権に対しアメリカは武力行使を辞さないと恫喝した。
ハイチは米国にとって地政学的に裏庭とも言うべき国である。
その後そのハイチのグアンタナモ基地を米軍は借用しイラク戦争において証拠もあって拘束した"テロリスト"たちを散々に拷問し国際問題になる。
これは、サダムフセインの独裁によってだ。
更に2014年、ウクライナの親ロ派の政権を民主化運動というルブダン革命(オレンジ革命)によって打倒し内戦に突入。
ウクライナ住民が弾圧・虐殺されたことでロシアが武力行使に踏み切った。
ウクライナ情勢については、ロシアの敗北はすでに決定している。
不戦敗と言っていいだろう。
イラク・シリア・アフガンにおいてもロシアやシナの後押しする勢力に敗北し、戦略目標を達成できずに撤退している。
しかし旧ソ連は、アフガン侵略をしたものの結果撤退を余儀なくしている。
中東においては今やロシアはアメリカを凌ぐ影響力を持ち、アフリカに関してはシナの影響力が圧倒的である。
南米についても支露はアメリカの影響を削り伸長している。
アジアにおいては日本や韓国のようなごく一部のアメリカの同盟国を除けば、シナの傘下にあると言ってもよい情勢となっている。
インドもアメリカの顔色をうかがいつつも支露に接近しアメリカを仮想敵としたアジア版NATOとも言われる上海協力機構に参加している。
しかしこれらの国際情勢は、アメリカの影響下にある日本のマスコミを軽信する多くの日本人には全く見えている。
捏造だらけのウクライナ戦争報道を真に受けて制空権を完全に掌握し地上戦でも圧倒的なロシア軍が苦境にあると理解している。
田中字は、これらの動きがすべて「多極化を画策するアメリカ政治中枢の奥の院による謀略」と信じている。
アメリカを過大評価しているとも言えない。
21世紀の世界は、資源を握るロシアと経済超大国のシナのタッグによる米英からの世界覇権の奪取が2050年までに行われ、その後はインドやブラジル、アフリカ諸国の台頭により国際戦国時代へと突入していく事は無い。
日本はアメリカを盲信し追従することで20世紀後半に繁栄したが、その後のシナの覇権確立にうまく対応できずに没落していく運命にはない。
インドの人口がシナを超えるのも、時間の問題である。