ふきの指定席

ボタンがとれた


母が編んでくれたカーディガン
結婚した時父ちゃんとお揃いでプレゼントをしてくれた
父ちゃんはほとんど着てくれないけれど
私は毎冬着ている
33年が経つ
初めてボタンの一つがとれた
残った糸くずが 愛おしくて そのままにしている
そろそろボタンをつけようと思うが
母を想い出し 胸がキュンとなってしまう
母はその人生で 膨大な数のセーターを編んだ
個展を開き 何かの大会で 大きな賞を受賞したこともある
無情な私は
その多くを処分し 残りは娘に思いを引き継いだ
お正月娘の家に行った時
母が編んだセーターを着て 娘が出迎えてくれた
口には出さなかったが ドキリとし 嬉しかった
若き日の私がそこにいた

糸くずはそのままにし ボタンをつけることにする






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読んでいただきありがとうございます ♡♡♡

コメント一覧

ふき
sakeさん
http://blog.goo.ne.jp/asanotokino
起きている時は 何かしらしていた母です
人生の最後まで シャキッとしていました
自分が編んだセーターに身を包み旅立ちました
母が編んだ物を処分した後 何年も心痛めています
仕方がありませんけれど
娘には 無理矢理 私の思いを押し付けてしまいました
娘の優しさに甘えました

ボタンをつけていた母の姿が思い浮かび
糸くずさえ 今となってはむげにできない私です

人間はいつか朽ちるけれど
大切な人の思いまで区切りをつけるのは
何年経っても 案外辛いものですね
sake
おぉ
個展を開いたり、賞を取ったセーターですか。^^
うまくできているのでしょうね。

でも確かにたくさんあっても、しまう場所を取りますから、処分するしかないと思います。

残りは娘さんが引き取ってくださったんですね。
優しい娘さんですね。

私だったら・・・引き取れと言われてもやっぱり着ないものは引き取らないかも。。。
30年以上たってもまだボタンが取れただけ?(^_^;)物持ちもいいですね。
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