昭和中頃
社長から会長になることは
「退く」
体のいい引退の過程だった
今の時代は違うのかな
会長は社長より権力がある
「偉さ」
トップに君臨する事を意味するのだね
私と訳ありの男
上場企業の社長だった男が会長になった
若い時 私はその男を顎でこき使っていた
その男を今でも「君」呼びするのは私ぐらいかもしれない
男と出会って半年も経たないうちに
私は世界放浪の旅に出て
1年半も日本に帰らなかった
そして長く会う事もなく
数十年後 男はトップに君臨していた
ここまで生きれば
出会った多くの男達が
ひとかどの人間になっている
誇らしい
母の気持ちかな
私はひとたび知り合いになれば
長ーい付き合いになる
自分から去る事はないからだ
「去る者は追わず来る者は拒まず」
自分からアクションをかける事はない
自分の生きるペースに絡んでくれば
それを大切にし 面白おかしく 生きる事を楽しむ
ずるいっちゃずるい
無理をしない関係は 一生の縁になる
生きる責任を それぞれ個々でおえる関係は
気楽なのだ
家族といる時の方が「責任」を伴うから
緊張し気も遣う
それにしても
みんな色々あった人生であるだろうけれど
格好いいし 素敵だ
こうして 出会いを振り返りながら
人生の夕なぎを迎えるのもいいものだ