ふきの指定席

ひいおばあちゃん

・・・あの悲しい記憶の中に
ひいおばあちゃんが出てきませんでした
被災時の時のひいおばあちゃんのことは 全く記憶に残っていません
私 この母方のひいおばあちゃんが 大好きでした
いつも ニコニコしていて 太陽のような存在でした

被災した後 復興するまで 一家はバラバラで生活したのですが
ひいおばあちゃんは 我が家に滞在することになりました
とてもうれしくて ひいおばあちゃんとの 時間が大好きでした
幼稚園から帰ると
いつも両手をひろげて 優しい笑顔で 私を迎えてくれたのを
はっきりと覚えています
ひいおばあちゃんは いつも我が家族に遠慮して 部屋のすみっこにいました
これには深い事情がありました
私が大人になった時その事情を知る事になります
母の変わりに 家事をしていたのを 思い出します
あの時ひいおばあちゃんは 80を過ぎていました
私が 機関銃のように 話しかけるのを 嫌がりもせず
にこにことして聞いてくれましたね
私が 話すのに 夢中になり 息継ぎを忘れて むせたら
いつまでも背中を優しくさすってくれたりもした「おばあちゃん」でした
人の死を 人生で初めて心に迎えたのも このひいおばあちゃんでした
新しく建てられた家に戻ってすぐのことでした
まだ その時 人が死ぬことの深き意味を 心で理解していない私でした
母がひいおばあちゃんの死に水をとっていた姿を 
今でもはっきりと 記憶しています

今広島で被災されている皆様 お見舞い申し上げます
言葉もありません

 私は奇しくも 過去を振り返る 結果になりました
「おばあちゃん」を思い出し
懐かしく 愛おしさで 胸がいっぱいに なりました
被災され まだ行方不明の方が 沢山いらっしゃるのに 
過去を想うことすら罪に思います
お許し下さい




読んでいただきありがとうございます ♡♡♡

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