読書もしなくなって数年経つ
若き頃は何冊も平行して読書三昧の日々
独身時代住んでいた木造アパートの部屋の床が
本の重みで抜けそうになったことがある
処分に困り
実家にダンボール何十箱と本を送り
預かってもらっていた
父は本棚にすべて整理整頓をして保管してくれていたが
父が亡くなり
野辺の送りをした後
その本の殆どを焼却処分してしまった
19年前のことだが
図書館に寄付を申し入れても断られ
今日のように雑多な書物など引き取ってくれる所もなかった
今は田舎でも焚き火は禁じられているが
実家の裏庭の畑で
一週間かけて父の思い出と共に
本も処分したのだった
感性豊かだった時代も今では遠い昔
懐かしいとは思わないが
現実を凛として受け止めることができる精神だけは
保ちつつ
老いていく自分と向き合いたいと思う
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