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しかしだ、なかなか人生上手く行かないもんだ。と思って、でも「ダークになってたまるか!」つって、ギターを弾いて唄ってみる。ちょっとブルーなことを忘れられる。
中学ぐらいから、結構そんなことでギターとお友達になった。
かつて磐田の駅前に「足立楽器」という老舗の楽器屋さんがあった。そこにはアツミが通うようになってからず~っっと、いつも黒い長い髪をひとつに縛った無口なお兄さんの店員さんが一人でいた。
そのお兄さんは、お店に来たお客さんに何も勧めない。聞かれたら応えるだけ。あとはギターの機材を触っていたり修理していたり、奥にある貸しスタジオを借りに来ている高校生とのわずかなやり取りなど、雑務でを過ごしているようだった。
アツミは生まれて初めて自分のギターを、この足立楽器で購入した。
嬉しかったなぁ。ずっと欲しかったギターを、お金を貯めて買えた時の喜び。でもお兄さんは無表情で会計をこなした。そのギターはモーリスのアコギ。でっかくて重たくて、PUも付いてないので、今じゃもっぱら作曲用のギター。表舞台に出ることはないけど、このギターじゃないと曲が出来ないという程のメロディー製造機として、アツミの部屋でいつも大活躍である。あぁ、でも「流れ星」はこのギターで一発録りだったな。(「流れ星」がどこに収録されてるかわからないって?それは命危ないな。)
さて、ギターを買ったはいいものの、アツミの周りにギターをやっている人がいなかった。自分でギターの弾き方を模索するしかなく、購入してからしばらくは弦の張り替えの仕方も解らず、バスに乗っては足立楽器に通った。足立楽器のそのお兄さんに弦の張り替えを頼んで、その張り替える様子をじっと見るのだ。それで張り方を盗むことにした。
弦の張り方は、人それぞれやり方が微妙に異なるし、こだわりもある。しかしアツミの弦の張り方は、足立楽器のお兄さんと同じ張り方なのさ。しかしお兄さんはチューナーを使わなかった。いつも自分の耳だけでチューニングしていた。これだけはアツミとは違う。
やがて足立楽器は場所を変えて営業したりしていたが、アツミがデビューした頃、お店はなくなってしまった。
お兄さんにそれから逢うことはできなくなった。どうしているだろう?
そして磐田でギター関連の物を扱う楽器屋はなくなった。しかし今年ようやくららぽーと招致に伴い、アコギを扱う楽器屋さんがやって来た。
だけど思い出す、足立楽器。
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アツミが現在も使用している、足立楽器ロゴ入り楽器用クロス。
「ミュージック」のスペルが間違っているあたりに、激しい萌えを感じる。