今日で、今働いた現場の勤務が最後だった。
今日は契約を数件取れたけど、目標数値に達することは出来なかった。
でも勤務終わりに、みんながわざわざ集まって盛大に私の終わりを祝ってくれた。
コロナさえなければ、送別会も開いてくれる予定だった。
最後まで、そこに例の彼も残ってくれていた。
彼とは12月からずっと話をせずにいた。
すごく、ものすごく心苦しかった。
でも今日、彼が今片思いしているという事実を知った。
今までそんなこと全く知らなくて。
もし早く教えてくれれば、私はすぐに諦めがついたというのに。
ずっと悩んでいたのは何だったんだと憤りを感じた。
だから、仕事終わる直前彼の足元を「この野郎!」と言って思い切り蹴りまくった。
彼は訳が分からず、始終戸惑っていた。
当然だ。
だって今まで無視していた女の子に突然足元を蹴られるんだから。笑
最後に、「次も頑張って」と言われたけど
「私のことはもう忘れてください」と伝えた。
彼は苦笑いをしていた。
本当はもっと怒りたかったけど、彼を好きな手前伝えたいことなにも言えずに終わってしまった。
私はその現場に約半年間いた。
今思い返すとものすごく濃厚な時間を過ごしたと思う。
現場に入った当初、人見知りであるところとたくさん考えてしまう性格が悪い方向に作用して、現場の人たちからあまり好かれていなかった。
さらに、お客様から契約をなかなか勝ち取ることができず
日に日に私の心は消耗していっていた。
現場に通う度自己肯定感はゴリゴリに削られ、帰りの電車のなかで毎日泣いていた。
それでも、
「他人に親切に」
「優しくしてもらったらありがとうをお礼を言う。いけないことをしたらしっかり謝る。」
「どんなに辛くても、笑おう。」
その3つを忘れずに、仕事に取り組んでいた。
すると気がついたら、私の周りにはたくさんの人たちで溢れていた。
職場の人からこんな言葉をもらった。
「高い壁を乗り越えていく度、その高い壁は貴方のことを守ってくれる高い砦になる。
だから、どれだけしんどくても、辛くても、壁によじ登るんだよ。
貴方なら、それができるから。」
次の現場でもまた同じ過ちをするかもしれない。
また誰かを傷つけてしまうかもしれない。
また、私も誰かに傷つけられるかもしれない。
それでも、今の私ならそれらを全て乗り越えていける気がする。
そんな自信と、勇気と、誰かを愛する心を知った。
だから
どれだけ辛くても、笑おう。
もっと自分のことを愛してあげよう。
そうして、また愛する人を探しに行こう。
次の現場は明明後日から始まる。
扉が一つ閉じて、また一つ新しい扉が開く音がする。
音の鳴るほうへ。
1歩ずつ前進していこう。
私の物語にまた、新しい色を塗り足すために。