それは突然だった。
冷蔵庫の上段に置いてたパック卵をドアポケットのケースに移そうと出した時の事。
「はっ!」
嫌な予感。
慌ててパックを下から覗く。
「…マジか」
液ダレの後。パックを開封してみると、やはり卵が割れている。買った時に割れたのかと落胆。
もしかして!?
一緒に買った卵パックを確認すると、こちらは何と3つも割れているではないか。
「何てこった!」
近くにいたチィさんを睨む。何故って、彼が卵を運んだ当人だから。
「一杯、割れてたよ!」
一触即発だ。
勿体ない…。
割れてすぐなら使えるけど、買ってきた時に割れてたならアウトだな…。クソー…。
一つゴミ箱に捨てる。
が、更に残った卵を棄てる罪悪感…
無理だよな〜
そう思いながらも、一応割って確認してみようかヒビに爪をかけてみる。
「?」
何か感触が変?
ガリっ?
更に殻をめくってみる。
何だこれ???!
全部剥いて驚いた。
卵が凍ってるでわないか!Σ(・□・;)
どういう事?
冷蔵庫の上段に入れてたのに、卵が完全に凍っているじやないか。ざわつく二人。
て事は、運んだ時に割れたんじゃなく、凍る事で膨張して自然に殻が割れたと想像。マジでか?!
これ、食べれるの?
一応調べてみると、「冷凍卵」という物がヒット。これは、わざわざ卵を殻ごと冷凍庫に入れて凍らせ、卵がけご飯にして食べるという物。それが、自然発生したというわけか…笑
でも、やっぱり「生で食べる」ってのには抵抗があるので却下。とりあえずそのまま冷凍庫に移して考える事に。
それより何より、言われもない濡れ衣を着せてしまったチィさんに謝罪。
「すみませんでした…」
「濡れ衣や〜」
と言うも、怒った様子もなく笑
こうして、「自然に割れる卵の怪」は閉幕したのでした。チャンチャン。