ぽけっ。

　昨日、家に帰ってからは、思ったほど泣かなかったのだけど。
　帰ってきたきりゅうさんに話したら、涙が溢れてきて止まらなくなった。
　泣いて泣いて、泣き疲れて寝てしまいました。
　やれやれ


　それでも朝はやってくる。
　平日なので、通常運転。
　残念ながら頑丈に出来ているので、安静指示などは特になし。
　運動も普通にしていいよ～って……まるっきり普段と変わらんってわけね。
　心情的にはしばらく寝込みたいぐらいなのに。
　きりゅうさんには
　「いや、倒れられたら困る(笑)」
　って言われたけど。
　そーよねー、家政婦さんいないと困るしねー。

　普段と変わらないなら、しばらくやってないコアリズムでもやろうかと思ったけど。
　……なんかやる気でない
　めんどーい。
　しばらくはダラダラしてたって、いっか。


　みおちゃんの全力ボディアタックから反射的にお腹を庇おうとしては、
　「あ、もういいんだった」
　と気づいてちょっぴり寂しくなる。
　切ないわーー

　それでも、みおちゃんにはかなり救われてると思う。
　相手してると元気出さざるを得ないし。
　ションボリしてると慰めてくれるし。
　自分にはこの子がいるって思えるし。
　これが妊活の末にやっと出来た第一子…だったりしたら、傷はもっともっと深かっただろう。


　それでもやっぱり、悲しいのは悲しい
　ふと気づくと涙目になったりする。
　時間がいくらかの薬にはなってくれるとは思うけど…。
　一番の薬は、赤ちゃんがもう一度お腹に帰ってきてくれることだと思う。
　お空に帰って行ったから、安直にそらちゃんって名前付けた。
　性別分かんないし、どっちでもいいように。
　また会えるように、今度こそそらちゃんを抱っこ出来るように。
　頑張らないとなぁ……

サヨナラ。

　ゆうべ、きりゅうさんに
　「明日診察なんだー…」
　って話したら、涙出てきた。
　自分でもビックリするぐらい泣いた。
　そんな泣くつもり、なかったんだけど
　
　きりゅうさんは、ネトゲしながら最初何度か溜息をつき。
　「なんで私が泣いてても平気なの」みたいなことを言ったら、
　「だって何言ったらいいのか分かんないんだよ…」とかブツブツいいながら、しばらく背中をさすってくれた。
　そりゃ分かんないのかもしれないけど、それ以上に「困ったなー、なんで泣くんだよー、めんどいなー」オーラが出てたような…。
　涙の半分ぐらいは、それが悲しかったせいかもしれない。
　私の考えすぎでありますように。


　先週よりも1時間遅い、11時の予約。
　きっと夕方か夜ぐらいになるだろうと思ってたら、先週と同じぐらいの時間に呼び出された。
　例によってみおちゃんお昼ご飯中。
　あそこの待ち時間は、ホントに読めん……
　おかげで託児サービスに預けられて助かったけど。

　
　内診室で、ドキドキしながらエコーを見る。

　………からっぽだ。

　何も、ない。
　先週見えてた、小さな小さな胎囊すら、ない。
　私、既に、流産済みだった。

　「小さかったので、出血に紛れて出てしまったんでしょう」
　と、先生が言った。
　出血が多かったのは先週の金曜日と土曜日だから、多分その辺りだ。
　腹痛も、大量出血も、気がつくほどの血の塊も、なかったと思うんだけどな……。
　でも、受精卵が育たない初期の流産では、稀にあることらしい。

　実は夕べ寝る前に、ふっと頭に浮かんだんだ。
　「もしかしたら、もうお腹にはいないかもしれない」って。
　だから、実はそんなにビックリしなかった。
　何かのお告げだったりして。

　子宮を傷つけたり、最悪不妊になるリスクを冒しての掻爬手術や、
　出産と大差ないほどの激痛と大量出血を伴う自然流産になるケースもある中、
　身体へのダメージを最小限に抑えて、ひっそりと旅立っていった赤ちゃん。
　恥ずかしがり屋さんなのかな。
　親孝行な子だ……。


　出血はほぼ終わっており、おそらく更に出血することはなく。
　身体は既に新しい周期に入ろうとしているそう。
　切り替え早っ
　一応、今周期は身体を休めて、その後の検査で異常がなければ来周期から妊活開始OKらしい。
　これも、ダメージが少なかったおかげだね。
　ありがとう、赤ちゃん。
　君がすぐにお腹に帰ってこられるように、おかーさん頑張るよ。
　早く帰っておいでね。

審判を待つ。

　初めて出血があってから、1週間。
　出血、完全には止まってないけど、激減した。
　最初に血を見た時は顔面蒼白になったけど、今やちょこっと紙についたぐらいでは全く動じない。
　慣れってコワイわ…

　明日は診察。
　先生的には、診察を待たずして流れる可能性を視野に入れてる様子だったけど。
　出血はほぼ止まってるし、それ以外なんの変化もない。
　お腹はチクチク、とか、キリキリ、とか言った感じで痛む時がたまにあるぐらい。
　流産兆候である鈍痛とは…言いがたい。


　でも、奇跡なんてないって、頭のどこかで分かっている。
　明日はおそらく、流産宣告が下される日だ。
　11時の予約だけど、きっと夕方か夜ぐらいにしか呼ばれないだろう。
　託児サービスは3時で終わっちゃうから、きっとみおちゃんも一緒に連れてかなくちゃならない。
　あぁ怖い。
　行きたくない。
　考える度に、心臓が痛くなる………

温度差。

　出血量は関係ないと思いつつも、やっぱり振り回されてしまう私。
　また減った気がする
　一昨日減った時よりも少ないような。
　むしろ、夜にはほぼ止まった。
　
　昨日はお腹がチクチクと痛むことがあって「まさか！」と思ったのだけど…。
　『チクチクする痛みは子宮が大きくなろうとしている痛み』との説が多く…。
　流産する時は、もっと重苦しい鈍痛らしいね。
　そういうのはないなぁ。

　…って言うか。
　チクチクする＝子宮が大きくなってる＝まだ育ってるってことじゃないのか!?
　それに引き替え鈍痛なんて全くないし、やっぱり勘違いなんじゃ!?
　なんて、余計に希望を持ってしまうのが、切ないような悲しいような…


　夕べお腹を撫でながら、
　「なんとか頑張ってくれないかなー、おっきくなろうよー」
　とかなんとか話しかけていたら、きりゅうさんが言った。

　「どうしてそんなにその子に頑張って欲しいの？」

　…………？？
　え、いや、どうしてって……。
　そりゃそーでしょーよ、トーゼンよ、当たり前よ。
　だって赤ちゃんよ？
　何事もなければ、このまま育って、生まれて、うちの子になる筈の子よ？
　頑張って欲しいに決まってるじゃん。

　きりゅうさんは、あまりピンとこない顔をしていた。
　「さすがお母さん…」
　みたいなことを何やら言ってたような。
　まぁ、そうなんだろうけどね。
　男の人からしたら、まだまだ自分の子どもだなんて思えないだろうし。
　お腹が大きくなってきたら、やっと…って感じかな？？
　そこの温度差があるのは当たり前だし、分かってはいるのだけど。
　ちょっとショックと言うか衝撃と言うか。
　あ、ソコ疑問ですかー、みたいな？
　まぁ、しゃーないやねぇ……

もー分からーーん

　何故か。
　出血量が。
　減った
　昨日の夜から「あれ…？」と思ってはいたのだけど。
　朝一でトイレに行った時には、全く出血がなかった。
　その後は2回に1回ぐらいの割合で、便器に血が落ちる。
　落ちない時は、拭いた紙につく程度。つかない時もある。
　昨日、一昨日は、トイレに行く度に水が赤くなるぐらい出てたんだけどな。
　どういうことなんだろう……。

　母上には、
　「え、それって、もちそうってこと？」
　「それとも、もう全部出ちゃったってこと？」
　って言われた。
　ちょ、そんな、両極端かつ露骨な表現………
　初期流産の9割は受精卵側の染色体異常etcの問題で、母体の責任ではないことを説明すると、
　「え、じゃあ早く出てってもらわないと…」
　だーかーらーーー……
　いや、正論っちゃ正論なのかもしれんけどですね…。
　お願いだから、も少し優しくしてちょーだい……
　娘は結構、いっぱいいっぱいなのですよ……？


　いやでも、冷静に考えても、腹痛も血の塊もないんだから、完全流産はまずない筈。
　かと言って、出血が和らいだから事態が好転しそうなのかと言うと、そういうわけでも……。

　なんせ、そもそもの問題は、胎囊の成長が遅いことなんだもの。
　出血じゃないんだもの。
　先生だって、子宮から出血してる様子はないって言ってたし。
　正直、出血についてはそこまで深刻視してないような雰囲気だったし。
　…でも、だとしたら、どこから出血してるんだ？
　トータルすると、結構な量が出てると思うんだけど。
　動転してて聞けなかったんだよね。
　それに、このまま出血が増えて流れるでしょう的なこと言われたけど…。
　その場合は子宮から出血するってことよね？
　それは、今出血してるのとは別口ってこと？

　あーもー、わからーーーん
　分からんことだらけじゃっ。
　考えたって仕方ないんだけどねっっ。


　安静にしてろとか言われてないので、普通に出歩く
　普段着用のTシャツ2枚買った！
　しまむら的なところで、税込み500円×2枚だけど。
　やっすいストレス発散だな
　ついでにみおちゃん用の夏用カーデ、780円も買っちゃった。
　こっちのが高いじゃん……。