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IQ84の一言の衝撃

2010-04-27 08:13:01 | 日記
朝茶を飲んで居たらNHKの朝の放送で
村上春樹さんのIQ84の発刊に関する感想を話された。
待って居たとばかりに食い入るように聞いた。
一言の言葉の価値と、命と、エネルギーが、
どのように人間に影響を与え、
感化されて行くのかを話された。
私の言いたいこと、感じて居たことが
次々と飛び出してくる。

このような大作に私ごとき者の感想を
かるはずみに話すべきでないと想い今まで
心に温めて居た。

一言の力が、どれだけ重要かが改めて感じさせられた。
  言葉を纏う概念と言う衣
一言の中に潜む価値と
一言が引き合う言葉の力と
一言に繋がる類語と、反対語と
連語の糸を手繰るエネルギーをひも解く。

この作業なしに言葉を使える
人間としての生き方はないと感じた。

生きて行くために自分を守るために
絶対必要なことではあるが、
在りのままで話すことが、
どんな波紋を起こして居るか。~~

話すまでもないが、その波紋が魂を奪われたり、
命を失う結果が出る出来ごとが不幸な
ニュースとして毎日報道される

意志を訴えるためには当然の行動では
あるがそのために派生して起こる影響や感情の
波動やエネルギーの変化を予想しなければ
思わぬ事態が発生する。

この状態を村上春樹さんは
「空気さなぎ」として表現して居る。
この言葉に邀撃を受けて一週間位
私の胸の中で騒ぎ続けた。

聞いたことも、想像もしたことない新語だからです。
人はみな遺伝子が違い、どんなに同感しても、
感激して理解しあっても、どんなに愛し合っても、
決して同化することは出来ない。

人と、人の間には、成虫になることのない、
蛹のようなものが介在すると言うことです。
この蛹が、食い違いや、誤解や、思い込みや、
視点の違い、拘りの違い 体験の違いから思惑が働き
錯覚を生み出すのだと言うことです。

怒る事も、喜ぶことも、感激することも、
陶酔することも、苦しみも、悲しみも
喜びも本当に真実なのだろうかと疑いたくなる。

感ずることの基盤の危うさを感じないでは
居られない、あまりにも膨大な内容の小説なので

空気蛹の衝撃を書いて見た。

錯覚と思い込みほど恐ろしいものはない。