梅雨が明けても
この時期になると
私の脳裏から離れない
小さな雨蛙の客を思い出す。
これからも忘れることはないだろう。~~
恋人のような存在に~~
夕方茶の間に灯りが点くと
窓際のガラスにぴたっと白い腹を
ガラスにつけて訪れ
雨蛙の客が居る。
「窓を開けて開けてくれ。」
と言うのだ。
若き日の住処には東の窓際に
葡萄の棚があり
青竹で棚を吊って居た。
その青竹の中を住処とする雨蛙~~
今晩もやって来た。
即窓を開けてやると
恐れずに入って来て
座布団の上に座るのだ。
何をするために来るかは
家族は誰もが知って居るから
周りを見渡し、
蝿を探して、
蝿叩きで殺して座布団に載せる。
逃げないように、
動けないような叩き方をして
蛙の前に出すと、
絶対に食べない。
どんなに勧めても食べない。
気が付かない私は
「どうして食べないの。」
と話すが伝わるわけはない。
では、もう一匹と、蝿を探して
動く位の叩き方をして、蛙の前に出した。
待ってましたとばかりに食べた。
ショックを受けた私は、
「ああああ~~新鮮な食べ物を食べるような
習性が蛙の体に組み込まれて居るんだ。」
と思った時に
蝶の触覚~~~
蜻蛉の目がぐるりとまわる。
人間は感性を持たされて居るんだと~~
私の感性が雨蛙の感化を受けた
一生なのだ。
もっと生産的な感性を磨かないとね。