小説をだいぶ以前から何度も
読んでいたので、
映画化していたのを知った時は、
小躍り。
主人公(さとる)のお家の照明が暗すぎる。
ふふふ…
好きな空気感。
小説では、もう少し鉄男さんと自然に距離が縮まるのだけど、
映画では微妙。
あんな、急な誘いをスーパーの店員さんから受けたら、
普通の女の人は引く。
しかも、介抱のお礼が手作りのお弁当って
…
他人の手作り。
食べられない人は
食べられんよ。
さとるから、鉄男へ渡すのだけど。
さとるは、料理上手。
鉄男は既に恋してる状態。
ここで、さとるの人との距離の取りかたが
ちょっと変だとわかる。
好意、善意なのだけど
押しつけがましく、必死。
実は、鉄男が入れ込んでるんじゃなく
さとるが、外の世界の他者に
助けを求めている。
家庭の破綻
教育の失敗
虐待、連鎖
精神の病
というものが、徐々に表れてくる。
このくらいの、闇って
わりと、その辺の家に自然に存在してる。
かなり酷めに見えるけど、
こうしたケースは多いと思う。
ただ、ギリギリで何とか日々を生きているだけ。みんなが。
一般的には、「メンヘラ」とされる女性に、まともな男は寄りつかない。
なんとなくヤバい、と感じたら
遊びはするけど、付き合わない。
結婚なんか、絶対にしない。
付き合う人は、すごく優しいか
自分自身の育った家庭に、何かがあった人。
また、その両方。
結婚するのなら、尚更。
よほど、その女性に惚れ込んでいるか、
お人好しの三乗くらいか、
自身の闇を、女性の闇で緩和させたいか、
どれかだ。
鉄男がそうだったように、
母親がベタ甘で依存的だったり、
どこかに影を持つ女性へ惹かれる男性
って、確かにいる。すごく少ないけど。
俺が守らなきゃ!の意識が、
何だか強い人。
正義感やら、何やらが。
女性はそれ程、弱くもないのだけれど。
さとるは、自分の手で
家族と決着しようとした。
本当は、強い。
やりかたが間違ってるけど。
家族を殺して、家を焼いたら
解決するわけじゃない。
働いて、母と訣別すれば良かったの。
時間がかかっても。
どんなに、育った環境が酷くても
それを言い訳に、自立しなくて良いなんて
ことは、ない。
まして、男性に頼って生きるなんて
厚かましすぎる。
もし、その方法で生きたいのなら
その男性に何をされても、付き従う構えでないと。
依存ではなく、
お互いに、助け合って支え合って、
同じくらいの愛や働きを、分かち合う。
それが正しい姿。
好きなだけじゃ、駄目だと思う。
好きなだけじゃ、現実を生きてはいけない。