蹴り損ないの棘もうけ~べらっくわの晴耕雨読な日々の果実 = 加賀ゆびぬき・イーネオヤ・作るいろいろ~

日々この手で作りあげるものたちを紹介しています。【bellaqua@alto.ocn.neドットjp】

挿絵本2冊

2011年10月24日 | 本と雑誌

今日は、OCNのほうの問題で、更新が遅れました。

最近読んだ本、

たまたま挿絵本が2冊。

(2冊とも図書館から借りてきたものです。)

皆川博子の『絵小説』

こちらは、宇野亜喜良のイラストありきで、

作家が選んだ詩の断片が添えられた短編集。

個人的には、吉岡実「僧侶」との再会が、懐かしかったです。

Cimg3268

もう一冊は、

ラフカディオ・ハーンの『怪談』

実は、恥ずかしながら、未読でした。

不朽の名作といわれるものって、

読むタイミングを逃すとなかなか読まないものです。

もう20歳にもなろうというころに、

「あー未だ読んでないなぁ。」ということで、

『野菊の墓』を読んで、辟易したことがあります。

読書にも、旬があるのです。

が、『怪談』は面白かったです。

滝沢馬琴や鶴屋南北みたいなドロドロした演出がないのが、良い。

また、この本、ヤン・シュヴァンクマイエルの挿絵がすばらしく怖い。

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シュリーマンの日本滞在時の日記

(石井和子訳『シュリーマン旅行記 清国・日本 』講談社学術文庫)

『ゴードン・スミスの日本仰天日記』(荒俣宏訳・小学館)

など、西洋人の日本滞在記というのはなかなか面白いものです。

客観的な報告をしようという精神と

未知との遭遇の感動と

まだ見ぬものへの憧憬が綯い交ぜになっている。

ハーンの作品にもそのような傾向がありますね。

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たくさんのふしぎ

2011年10月04日 | 本と雑誌

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福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」

10月号は「クラゲは花」

でした。

題名を見て、

クラゲの見た目の美しさについてのお話

と、思いきや、

クラゲはまさに花である

と言う内容のお話です。

クラゲがどのように増えていくのか

初めて知りました。

クラゲは地面にはえたポリプから生まれてくるんですって!!

今まで全く知らなかったことを

知るのは、気分が良いことです。

ワクワクするし、

嬉しいし…

子供向けの科学誌や総合誌はバカにできません。

ムスメのために、毎年何か一つ雑誌を講読するのですが、

(今年は「たくさんのふしぎ」)

ムスメ以上に親が一生懸命に読んでいるようです。

おかげで、亭主殿も私も、

ちょっとした物知りで知られるようになりました。

まっ、物知りといっても、

ハエはなぜ足を擦るのか?

とか

ソメイヨシノはもともとただ一本の木から挿し木で増やされた

とか

普段の生活に関連があるのか無いのか

よくわからないモノばかりですが…

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『悪人の物語』

2011年09月22日 | 本と雑誌

中学生までに読んでおきたい日本文学

というシリーズ(あすなろ書房)

第1巻は『悪人の物語』。

短編集ですが、

ちなみに、

一作も既読のもの(記憶している範囲で)がありませんでした。

もう一度中学生に戻らなければ…。(絶対イヤだけど)

中学の時に読んでいたのは、

『ジャン・クリストフ』

『チボー家の人々』

『嵐が丘』

などの翻訳小説。

ジュール・ベルヌなんかもたくさん。

それから膨大な量の推理小説。

川端康成、太宰治などの日本近代小説。

井上靖や、山本周五郎なんかも読んだなぁ。

(それらの本・作家が)懐かしいなぁ。

で、『悪人の物語』、悪く無かったです。

まず、ルビがふられていること。

意外と読めない漢字は多いのです。

それから註。重要です。“巾着切”とか、“飯盒”とか。

…でも“にがみばしった”という言葉になぜか註がなかったような…

荷風なんかにも“アッパッパ”なんて日本語が出てきますが、

註がないとやはり難しいでしょう。そういう註は必要です。

以上2点は児童・生徒を慮ってのことでしょう。

取り上げられている作家は11人。

古めかしい人が多いのはどうかと…

話の内容も“悪人”といっても

国や社会に横行する不正義を扱うものではなく、

こそ泥からコロシまで、3面記事的悪を取り上げたもの。

(3面記事なんて言葉にも註が必要かも)

色川武大『善人ハム』なんかは3面記事にもなりそうにない。

野口冨士夫のはまさに、3面記事。ワイドショウもの。

宮沢賢治はブラックが効いてますねぇ。

色川武大は今まで手にしたことが無かったので、

“ちくま日本文学全集”で読んでみました。

戦後・昭和の風俗を扱っていて、面白い。

それこそ沢山の註を註を要求したなりますね。

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中井英夫戦中日記 彼方より

2011年08月19日 | 本と雑誌

今週は、亭主殿、ムスメともに夏休みで弁当はありませんでした。

最近読んだ本のお話でも…

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『中井英夫戦中日記 彼方より』 河出書房新社

註がよくできていました。

日記として云々より、創作物として面白く読めます。

そもそも、中井英夫を読むきっかけは、

荒俣宏の『大東亜科学奇譚』で中井猛之進について読んだことでした。

この本なかなか面白い本です。

(ちなみにワタクシ、文系ですが)

西村真琴(西村晃のお父様)のエピソードで始まっています。

知る人ぞ知る、ロボット「学天則」の話です。

現在はちくま文庫で出ているらしいです。

『戦中日記』、および中井猛之進といえば

久生十蘭の『従軍日記』、未だ未読ですが、是非読みたいです。

科学続き?で

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沖方丁『天地明察』

この本、挫折してしまいました。

読了できそうにないのです。

読み物としては、なかなかに面白いのですが…

内容の問題ではありません。

私の問題で…

というのは、

竹本健治『ウロボロスの純正音律』という本を

以前に読んでしまったためで…

算哲といえば…で

思いはすぐ玲瓏館へ行ってしまうもので…

読んだことのない方には、訳分からん話でごめんなさい。

がらりと話題を変えましょう。

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カズオ・イシグロ『夜想曲集』

短編集です。

かつて、同氏の短編で河豚の話を読んだことがあります。

なかなか味わいのある短編でした。

本作では「降っても晴れても」が印象的かな。

全体的に不合理で、脈絡が見えない。

『私たちが孤児だったころ』が凝縮されたみたい。

ドタバタ劇。

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いとしのロベルタ

2011年08月02日 | 本と雑誌

十数年来の佐々木マキのファンです。

そう、「こどものとも」の“ムッシュムニエル”以来の…

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ムスメに買った『いとしのロベルタ』。

ムスメの読後の感想は「かなしいはなしだった」、でした。

ちょっとセツナイ話なのですが、

オチのあるお話です。

絵もとても凝っていて、タマリマセン。

もっともムスメに言わせると「怖い」そうです。

佐々木マキ、全開!の一冊です。

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