母に捧げる花（２月２８日撮影）

　お花が大好きだった母・・・
　季節ごとに沢山の花で香っていた庭が
　いつの間にか雑草で埋め尽くされていた
　昨年夏交通事故で足を骨折して以来あまり外出しなくなった母
　桜を撮影しながら４月になったら一緒に花見に行こうかな・・・
　そんなことを考えながら写していた
　まさかその時刻にすでに倒れていたとは思いもよらず・・・
　
　夜倒れている母を発見した時の衝撃
　そしてその姿は今も鮮明に脳裏に焼き付いている
　「ここにいるよ助けて・・・」
　声にもならない母の呻きが壁越しに聞こえ
　玄関のガラス戸を素手で叩き割り内鍵を外し家の中に入った
　無事な姿を一刻も早く見たかったから・・・

　永くて辛かったこの１１日間
　ただ眠っているだけのような安らかな死顔・・・
　それが唯一の救い・・・
　そして遺影はピースサインで笑いかけている
　昨秋写した母の写真
　まさかそれが遺影になるとは思わなかった
　でも自分で写した写真で送り出すことができてよかったと思う・・・
　最後の親孝行にもなった・・・