夜霧のファンタジー イースト・プレス 中川秀幸

現代に蘇った昭和三十年代の貸本漫画の傑作

素晴らしいの一言しかありません

あやふやなデッサンとか、習った事がないのにバレエの上級技をいきなり決めてしまうとか、どしゃ降りの中どうして持っている傘をささずに尚且つ裸足で歩いているのだろうとか、おかしな日本語とか変な改行とかツッコミどころ満載で腹筋がどうにかなると思うほどでした

特筆すべきは主人公のミッチーが引き取られるお金持ちの家のお嬢様のるみの人間性

買ってもらった宝石をミッチーにスラれた時、怒るどころか

「わたしはその方に宝石はさしあげたのです」

などと言って庇ってしまうあたり、もしかしたら「お金持ちのお嬢様」ではなく「身分の高い家のお嬢様」なのかも知れない

「レ・ミゼラブル」を読み終えたばかりという可能性もありますが

リアルタイムでこの漫画を読んでいた読者の正直な感想を知りたいところです

これより良い物件はございません！ 宝島社文庫 三沢ケイ

リノベーション住宅専門の不動産会社という設定が新鮮だった

浮気した恋人と離れたくて前職の経験が活かせる「イマディール不動産」に転職した主人公の藤堂美雪

すると、あら不思議

会社の面々は善人揃いで宅建試験に合格してイケメンスパダリ彼氏も見事にゲットとラッキー尽くし！

元恋人・英二は疫病神だったのかもと本気で思いました

てか、自分が浮気して捨てた女に

「やり直したい」

なんてどの口がほざくのか

そしてSNS上で顧客の悪口を言うのはやめましょう

アパレルガールがあなたの洋服をお選びします マイナビ出版ファン文庫 文月向日葵

アパレルショップを舞台としたお仕事小説

大学を辞めて好きなファッション業界に飛び込んだ主人公の岡田朱音

性格も言葉もキツイ上司や空気読めない新人君との人間関係に頭を悩ませながらも「カリスマ店員」として認められていく過程が良かった

ファッションにフードにスイーツと女性の「好き」がふんだんにつまっている読んでいてワクワクする本でした

ファッションが好きな人、興味ある人に読んでほしいです

物語の舞台である神戸の街を散策したくなりました