日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

懐かしの於呂倶羅山で残雪ヤブ歩き。   於呂倶羅山/北北東尾根

2013-05-07 23:50:48 | 山行

2013年5月5日 (晴)  単独              (於呂倶羅山山頂部と、向こうに高薙山方面)
自分が今こうしてヤブ山を主として歩いて、紀行をブログなどに拙文を公開しているのは、昨年GW中の "於呂倶羅山での復路、北東尾根迷い込み、迷走後の沢強引下り" という自分としては大事件?があって、そのこと以来ヤブを歩く楽しさにはまってしまったからです。その時の記事: ( http://blog.goo.ne.jp/blgmnt49/e/39c071dff9ccddd6a4ed0442bbc160f5 
この季節、そういうわけで、無性に於呂倶羅山を歩いてみたくなっていました。同じ一般的ルート(東電の練習用鉄塔からのルート)をピストンするのも今ひとつつまらないので、かねてから気になっていた、北北東尾根から登ってみることにしました。この尾根のスタートは山王林道にある立派な治山記念碑からの歩き出しです。この尾根は昨年自分が迷い込んだ尾根で、途中酷いヤブのピークの辺りで右往左往して下山できなくなり、心が泣きそうになっていたことを思い出します。今年の自分はうまく登りきれるでしょうか。山行前日、妙に気持ちがウキウキするのも久しぶりです。
* 記事を書く際、気づきましたが昨年の於呂倶羅、北北東尾根迷い込みも5/05でした。これは今回帰ってくるまで気づいていなく全くの偶然です。
コース: 山王林道治山記念碑 7:03    (北北東尾根経由)   於呂倶羅山山頂 9:24-9:40  林道出合い(東電練習用鉄塔下) 11:05   スタート地点へ 11:49   

(スタートは山王林道治山記念碑、ここに車を置き出発。尖った影は記念碑のモノ。向かいになぜか大好きな高薙山)



尾根取りつき後、すぐ、こんな景色が進路左に広がる。太郎山だったかな。大真名子だっけ? 壮大・・・



これは、女峰連峰の連なり。自宅からみる並びとは逆に並ぶ。


北北東尾根は最初、普通のヤブ尾根。踏跡はほとんどないが、尾根上のセンター付近には獣道らしいものが認められる。それと時おり極控えめな目印が出てくる。こんな尾根でも歩く物好きがいるんだなァ。(写真下)


歩きはじめて30分あたりから、尾根の樹林の密度が濃くなってくる。尾根のほぼセンターを歩くが、人一人、鹿一匹がようやく通れる程度のすき間があり、その空間を辿って登っていく。傾斜はほぼ全体的に急ではなく、比較的穏やか。 (写真下)


標高1800mあたりから尾根に残雪が出はじめる。標高を上げるにつれ、ほぼ全面残雪状態になる。 (写真下)



視界が開けた地点から進路左方面(南東)に、大きく太郎山が見える。太郎山もまだ雪が多そうだな。手前今いる尾根も残雪が潤沢にある。(写真下)  視界が開けるような場所は、かなり大量の積雪が残っている。雪ピ状になっていることが怖くて、進路左ぎりぎりの方へは寄れない。



時に場所が悪いと、膝上まで残雪を踏み抜く。ヤブは回避したいが、左に寄り過ぎは雪の斜面が不安定。時に枝を掻き分けながら進路を選んで行く局面。(写真下)


1982mと思われる小ピークと思われる周辺。この辺も雪が潤沢にある、歩ける場所はヤブをかき分けて進む。(写真下)進路右側方面に視界が開ける場所があり行ってみると高薙山が望めた。(写真二つ下)



(1982p周辺からの高薙山)


1982pピークからは、視界も悪くヤブの中。尾根も広くなっていて、進路に不安を感じる。地形図とコンパスを信じて南に方向を合わせ、進んでいく。(写真下) 少し下っていく広いヤブのある尾根道をしばらく進む。多少気持ちが心細い状態が続く。



こんな場所を越える局面がしばらく続く。


濃いヤブをかき分けるような障害のきつい尾根歩きは、印象が強く長く感じたが、実際はそんなに長時間でもないだろう。せいぜい20分を少し超える程度の期間か。ひょいと、障害ヤブのない開放的な平坦尾根にでる。 (写真下) ここは1年前の迷い込みの時に歩いた場所なのか、多分歩いた付近であるような気がした。

広い平坦尾根を歩いていく気分は、不安が去ったこともあり、1年前のこともあって、かなり爽快な心持ち。 (写真下)


ここは西方面に山頂がある地点なので、写真の右方向にトラバースした。 (写真下) このあとすぐ、明瞭な靴跡を発見、自分の向う方向と逆を歩いている。ということは2日前に歩いたみー猫”さんのトレースか。

見覚えのある西へ進む広い稜線を進むと、於呂倶羅山山頂に踊りでた。三角点脇には1年前、2回来た時は見当たらなかった山名板が置かれていた。


山頂付近から白根山方面。右の山は温泉ケ岳?


なぜか気になる三岳。行ったことがない。


今日は行かないが、次回は行ってみたい金田峠から切込湖へ降りるルートの偵察や、写真撮影、プチ食事をして少しゆっくりしてから下山にかかる。
(みー猫さんの靴跡に間違いない、なぜなら東に向うこの靴跡のみしか人のトレースは無かったから)


山頂から1789Pを経由する一番のメジャールートを下る。ここは過去登り下り、で何回か歩いているので、リラックスムード。途中1789P直前まで、雪が凍結していて、アイゼンを忘れたななころび”は難渋し、一度だけ派手にスライディングすっ転びをやらかす。
(1789P直前の急斜面、振り返って見たところ)


1789Pの大岩で腹がへったので大休止、大岩の一番天辺は山王帽子山に向って、背もたれ付きのデラックスシート。昼寝したい気持ちよさ。
(大岩から山王帽子山を望む。)


大岩から見た、白根山周辺。


山王林道に降り立った、今日はここに車を置いていない。ここから延々北方向にある治山記念碑まで歩かなければならない。 全体的に下り主体なのが救い。


車道降り立ち地点から早歩きで約15分歩いて、1年前自分が強行突破して下った涸れ沢に着いた。 山の中は総じて昨年より雪が多いと感じたが、この沢の末端は昨年より残雪が少ない。
(ななころび”のなんちゃって沢)


山王林道を歩いている間、行き交う車はごくわずか。バイクのほうが多いくらい。於呂倶羅山を北北東尾根で初登りし、1年前新鮮に見つめた光景の数々を懐かしく見られた。ヤブ歩きのきっかけとなったこの山に1年後に、しかも迷い込んだ北北東尾根から登れたことは、私にとっては大きな意味がある。この北北東尾根、上部では多少なりともヒヤヒヤ感も味わえた。この日は私の山ライフの中では、いい区切りとなる1日となった。  ■■


途中路肩に残雪が目立つ所があった。(写真下) ここは1年前より絶対雪が多い、昨年こんな残雪の場所は無かった。



ごく短いトンネルが三連発する場所。ここを車で通過する時、クラクションを鳴らして、鳴るその響きが好き。まさか歩いてここを通る日が来るとは・・・


日光治山記念碑(左)と路肩ひび割れている車道。 (写真下) このひび割れ、ここまで歩いた間に、他にもあった。昨年5、6月は無かったと思う。なので3・11の影響ではないはず。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
北北東尾根 (たそがれオヤジ)
2013-05-08 12:26:33
こんにちは。
於呂俱羅の北北東尾根、私、歩いたことありますよ。
元々、於呂俱羅に行くつもりはなく、金田峠の旧道を辿るつもりでいたのですが、どういうわけか東寄りに歩いてしまい、ちょうど、今回ななさんが歩いた尾根と、その西の尾根との間の沢を登ってしまい、やがて、西側尾根に乗り、左からも尾根(北北東尾根)が合流して1982mに至ったという次第です。
残雪のある分、ヤブはそれほどのものではないようですが、夏に歩くと、ひどいヤブですよ。1982m直下は、背中が草木のクズだらけになりました。
2010年7月の記事にありますので、よろしかったらご覧ください。

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たそがれオヤジさん (ななころび)
2013-05-08 14:58:01
こんにちは。
たそがれさんが途中から北北東尾根に迷い込んでしまった2010年の記事は、もう何度も穴のあくほど読ませてもらっています。昨年金田峠や高薙山に行く頃は毎日読んでおり、もうバイブルのようでした。金田峠の石祠と出会って、「あんた、ここにいたの。」というフレーズが印象に残っています。
1982mは通過しましたが、顕著な目印や目立つ地形もなく、うるさいヤブの中の通過点といった感じでした。
夏に歩くと、もっとひどいでしょうね。背中がコメツガの木屑だらけ・・・嫌ですねー。
でもこの尾根、簡単なだけで終わらなくて、かえって面白かったです。
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足跡きっと自分でしょ (みー猫)
2013-05-09 22:38:56
こんばんわ。
於呂と高薙の案内人のような感じでさらっと歩かれましたね。自分は初めてだったので非常に面白かったです。足跡は於呂から降りるときに極めて一部らしきものがあったような気がしますが、それ以外は全く見えなかったので、間違いなく自分でしょう。入山者も少ないのでしょうね。お疲れ様でした。
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みー猫さん (ななころび)
2013-05-09 22:55:50
こんばんは。
於呂倶羅山はなぜか何度歩いても楽しいです。みー猫さんの足跡に違いないと思って於呂山頂から追ってみましたが、この山初めてのはずなのに下り始める前のあのちょっとややこしいヤブの乗り越し箇所なんかをさらりと正解ルートを歩かれていてさすがだなと思っていました。(あんなのみー猫さんにとっては朝飯前か・・・、私は最初の時はドキドキしました。)
北東尾根はだれも会う人はいないのは、わかっていて登ったのですが、本当に静かで思いっきり孤独歩きを楽しめました。
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