
入山日 2014年8月24日(日) 単独 (まるで飾りっけ無しの持丸山山頂部、夏の季節は葉が茂っており眺望もまるでない。)
天気がはっきりしないけれど、蒸し暑い日が続いた。それでも夜になると自宅周辺ではもう秋の虫の音がするようになった。今年の8月は、期待していた遠征もできず、楽しみにしていた祭りが終わってしまったとか、祭りが来る前に中止になってしまったような感覚。日本各地は豪雨で悲惨な出来事が多発していて、なんとなく気分もパっと晴れない。
今回の週末は、休みが24日一日のみで、午後に自宅の用事があるので tファミリー歩きのお誘いにも乗れなかった。歩かずの週にすると、その後に響くので多少でも歩ける未踏の山にでも行ってみよう。
時に(特に大佐飛山)参考にさせてもらっている"中高年の山登りと温泉”さんの持丸山の2005年の記事を、例によって事後帰宅してから読んだ。以下の記述から記事が始まっていて笑ってしまった。
”残念ながら山全姿の写真が有りません。
強烈な藪と道もなく、山頂や登山途中全く展望無し。もう二度と登りたくないです。”(記事より引用)
随分と辛辣なことを書かれていけれど、これを事前に読んでいたらもっとワクワクして山に向かったと思う。ヤマレコかなにかで見たことがあり、結構なヤブがあって普通の山とは違ったというようなレポを見たことがあるので、一般的なルートで登っても、それなりのヤブはあるのだろうと思っていた。さて、実際はどうだったか・・・。
この日は短時間勝負しかできないので、栃木100ガイド本を参照し、登りは一番一般的な114号鉄塔経由ルート、くだりは115号鉄塔経由で周回するミニ藪歩きとするはずだった。
滝見橋のたもとにスバルを置いて出発。林道を15分ほどのほぼ平坦歩き、左脇下には沢が流れている。
(進路前方に鉄塔と登っていく方向の尾根が見えてきた。)
コース: 滝見橋 7:15 ・・・ 林道終点 7:28 ・・・113号鉄塔 7:53 ・・・ 一般的ルート合流(a地点)8:40 ・・・ 持丸山山頂 9:20-9:35 ・・・(a地点)10:01 ・・・ 114号鉄塔 10:20 ・・・ 滝見橋 10:53
林道終点から山に取り付いた。ガイド本で書いているとおり、鉄塔巡視用に道がつけられている。歩き出すとすぐ分岐。113号か114号鉄塔か選びな、ときた。しまった、鉄塔の番号まで覚えていない。すぐ尾根に取りつくような雰囲気だった113号方面を選んで登りだす。
これは計画の一般的ルートに、最初から合っているか否か半々だと思っていた。巡視路はジグザグに登って行く。(P ↓) 期待している西方面より、北に向かう局面が増えてこれは違う確率が高いかなと思い出した。
分岐から20分ほど急に登って尾根上に乗れた。尾根は西に進んでいるようにもなったのでまた、計画とおりの一般的ルートかなとも思った。違っても、あっていても、鉄塔までは行けるのだから、そのまま進んでしまおうと思った。その場合は予期せぬバリエーション、ヤブ歩きになるかもしれないからそれでもいいかと思った。
尾根に乗って、すぐに鉄塔に到着。113号鉄塔だろう。鉄塔までは道は明瞭、鉄塔からは道は失くなった。踏跡があっても鹿道程度。うっすら踏跡がある部分も多いので、それを追って尾根沿いに登っていく。(P ↓) ヤブは笹主体だし、ほとんど障害はない。朝つゆでズボンが少し濡れる程度。このあたりで、今歩いているのは一般的ルートでないことを悟る。その一般的ルート尾根の一つ北というか北東の隣の尾根にとりついたようだけれど、ヤブ尾根歩きができるし、間違いがわかっていれば大した問題ではないのでそのまま進んだ。
北東から登ってくる別の尾根と合流して笹薮は薄くなった。その代わりに篠竹のようなものが密生している少々痩せた尾根歩きになったりした。その篠竹風の密生地にも鹿一頭分ほどが歩ける細い踏跡が通っているので、普通に歩けるレベル。(P ↓)
一箇所だけ篠竹が密生した痩せた尾根があって多少歩きづらかった。それもほんの短い区間、それを過ぎると気持ちの良い緩やかな自然林の尾根になる。
(尾根の周囲は手つかずの森、巨木もあったりする。)
踏跡もうっすらあり、登りもきつくなく快適に歩ける。
歩き出してから、1時間25分で当初予定していた一般的ルートに合流。そこには、よく見ると目立つように目印がつけられていた。
一般的ルートに合流すると、さすがに踏跡はやや明瞭になった。それと目印のたぐいもよく目にするようになる。昨今の栃木100狙いの登山者が増えての目印の多さなのだろうと思った。
(一般的ルート合流後の登山道、進行方向)
途中一地点だけ、樹林間の急登を少々する地点があった。ジグザグに登っていく、森はあくまで自然で山深い趣があった。
(急登地点、進行方向)
急登を一通りこなすと、またなだらかな登りになる。少し、ヤブっぽい感じもでて道も細くなるけれど、踏跡はあくまで明瞭、障害ヤブもない。(P ↓)は進行方向。
ややや、と思ったのは、もう山頂だろと思った平坦地点。目の前を背以上の高さの笹が塞いでいる。(P ↓)それも、下に踏跡があるので大きな問題はない。少々メガネが濡れる程度。その笹薮もあっという間に終わって、ヤブの中の一角というような山頂に到達した。
山頂には、だれもいなかった。登山口にパジェロミニがあったので、誰かに会うかなと思ったが、ここまでは誰にも会わなかった。
山頂部は、ほんの少しの切り開きがあるものの、周囲はヤブ。最初三角点がすぐに見当たらなくて、”あれ、三角点無かったんだっけ”と地形図を見てしまった。三角点は上部がほんの少し出ている程度で、草の陰に隠れそうになっていた。
山頂でパンを食べて休憩。下りは南西に伸びる尾根を進み115号鉄塔経由を歩くつもりだった。予期せず、114号鉄塔の一般的ルートで登らないことになったので、そのルートで下ってみることにした。一番一般的なルートを歩かなければ、あの山はヤブが濃かったとか、ただの普通登山道だったのと言えないから・・・。
(三角点の向こう側、南西方面の尾根方向に少しだけ行ってみた。今回は見るだけ。先にはヤブ尾根が続いていた。)
帰りは一旦来た道を戻る。途中急降下する地点で、道を失うもののすぐ判り、ルートに復帰。
往路に通過した、一般的ルートと歩いてきたヤブ尾根の合流点の目印を確認。その後、一般的のほうの尾根を下る。なんとなく予想していたが、歩行の障害となるようなヤブは出てこなかった。気持ちよく下って行けるさほど急傾斜でない尾根が続く。
案外、簡単に115号鉄塔まで降りてきた。
115号鉄塔の周囲はこの山の中では、珍しく眺望が開ける。一番遠くに見えたのはあの日留賀岳ではなかったか。(P ↓)
鉄塔周囲はちょっとヤブっぽくて、笹が密生している。上から来たので、うまく踏跡を辿れなかったのかもしれない。すぐに明瞭な踏跡をみつけ、それは樹脂のような巡視路特有の階段に変わった。ルートを降りていくと、左サイドに、朝方自分が取りついたと思われる尾根が降りてきているのが見えた。(P ↓)
115号鉄塔に着く前から沢の音がしていた。115号鉄塔を過ぎて少し降りるとすぐに下方に沢が流れているのが見えた。かわいらしい、木製の橋が掛かっていた。
木の橋を渡って、沢の脇をほんの少し歩くと朝通った113号、114号鉄塔の分岐地点に到着。そこから少し下って、林道末端に降り立った。
(こちらの橋は115号鉄塔への取りつきはじめの橋。こちらへは、もっと季節的に適期にトライしようと思う。その時は横瀬山とか、高瀬山とか、下の里から見るとどこからも行くのが大変そうな山を絡めていってみたい。)
この日は日光の昭文社の地図(広域を見るために持参)と地形図のコピーを2部持っていった。
今回のルートは文章だけでは表現しづらい、また時が経てば、自分が歩いた軌跡もよくわからなくなってしまうだろう。かなり格好悪いけれど、持参した地形図コピーに大体の軌跡を記入してみた。(P ↓)
中高年の山登りと温泉”さんが2005年に歩かれて(”強烈な藪と道もなく、・・・")と書かれた時から9年後、歩いた感想は一般的ルートに関しては、ほぼ全般的に踏跡あり。目印も豊富。障害ヤブは山頂手前のほんの20メートルほどの背丈以上の笹薮のみといったところ。ここのところの名山ブームもあって、ここ数年でめっきり一般ルート化してしまったのかもしれないと思った。
ヤブっぽかったのは予期せず登ったヤブ尾根で、それも大部分は笹主体のヤブだったので、歩行は簡単にできた。ただし、これは普段、自分のような歩きをしている人間からの偏った見方なのかもしれないのでご注意を。
げんに下りの山頂直下では、来た道を戻る過程で、一度軽くルートを見失っているし、山頂の山名版と鉄塔への道標以外は道標は全く無い。初心者的なハイカーがふざけて歩いていると危険なめに会ってしまう可能性はあると思った。
この日は、登りでいきなり予定外のヤブ尾根を辿った事もあって、予想していたより歩き自体は面白いと思えた。ただいかんせん、この時期はこの山を歩く適期ではなかった。それと、残念なのは、昨年のみー猫さんのこの時期この山の記事で見て楽しみにしていた、れんげしょうまが見られなかったことがちょっと心残り。 ■■
(アナログ的でごめんなさい )
二度と登りたくない・・・ってお山は思いつかないですね・・・・いい時に登れてるのか?単に鈍感なのか分かりませんが・・・・ななさんの歩きが登山の標準だとすると、だいぶふるい落とされそうです(笑)・・・地形図は新しい国土のやつですね。送電線の表記が無いです。レンゲショウマはY字からの下りの矢印あたりで見たんだと思います。天候不順と関係しているんでしょうかね。お疲れ様でした~。
みー猫
吉田拓郎でしょうか。彼は元気ですかねえ。
さて持丸山、お疲れ様でした。
もうだいぶ前の残雪期に登りましたが、山頂からの眺めは悪かったと思います。ガスっていてはっきりしませんでしたが。
この時期に登るとだいぶ暑そうですね。
持丸山は思っていたより自然林が豊富、深山の雰囲気あり、ヤブはほとんどない(一般的ルート)と意外に感じた山でした。
レンゲショウマはみたことがないので、見てみたかったのです。
2005年には激ヤブと表現されているかたがいて、それと比べて今はずい分と様変わりしていますね。
自分は今はフォークはどうでもよくなっていますが、拓郎の最初の数枚のアルバムは大好きでした。
あまりこの時期に行くような山ではないのは解っていたのですが、天気が・・・。あの日はなぜかそれほど暑くはなかったです。
横瀬山とか高瀬山も行かなければと思っていますが、どうも山深い感じなのでじっくり攻めたいです。
持丸山がチタケ採りの山であること、滑落事故多発の事初めて知りました。
地形図の破線は道はないらしいですね。横瀬山の方まで破線が続いていますが、何を根拠の破線なんですかね。
山頂から南西方向に少しだけ偵察をしましたが、山頂から先は、いきなり踏跡が不鮮明になっていたので、その先のことは大体察しがつきました。
ゲリラ雨の中の背丈超えの笹薮歩きはちょっと・・・。(笑)
次回持丸山周辺を歩く時は116号鉄塔経由で行ってみようかしらと思っています。