日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

昭和村の里山は、古くからの信仰の山だった。  昭和村/ 高館山(愛宕山)

2016-09-13 12:47:26 | 山行

2016年9月4日(日) 晴    
志津倉山を一周してきて、林道を降りてきて昭和村野尻のメイン通りに戻ってきた。早朝に歩き出したので、まだ11時前。もう一山歩いても余裕で安全な時間帯。里に下りてくると、陽射しも全開で気温も高くなっている。以前昭和村に来たとき、国道を低スピードで流していると、”高館山登山口”と書かれた道標を見つけて、アレっと思った。高館山は里山でも、ルートのないヤブ山だと思っていたから。道標のある山なら、もう一山歩いても問題なし、と考えて向かってみた。

登山口の周辺をウロウロ車で走りますが、駐車適地がない。無理に停めて、村の人に迷惑をかけたくもないので、村役場の駐車場に車を置かせてもらって、そこからの歩き出し。役場から登山口までは約900mから1キロくらい。村のメイン通りの国道を歩くも、のどかな田園。陽射しが照りつけ暑い。熱中症に注意信号。登山口周辺には阿久戸の一里塚や火祭りの説明版がある。
国道から道標に導かれて、枝道に入ってすぐ、民家脇から小さな沢沿いに入山。ここの入口にも小さな案内版があった。



コース:昭和村役場 10:44 --- 阿久戸登山口 10:57 --- 山頂 12:49 --- 登山口 13:58 (後は寄り道)
沢沿いを歩いてすぐにお堂のようなものがあって、その脇を尚も登っていくとすぐに堰堤がある。その周辺は草ヤブふが密生している。歩いていた右岸に立派な道標があって、(p ↓) 登山道の方向を示しているけれど、その方面は踏み跡がほぼ感じられぬ草や笹のヤブ。ならば堰堤を横切って、左岸に行くのかと少し偵察するも違うようで、結局右岸のヤブの中に半信半疑の突入になった。



正式なルートの上を歩いたのか否かは判らない。その場で一番無難、あるいは元踏跡だったのでは、という地点を追って歩く。笹や草のヤブがメインなので、掻き分けて進める。時に草が覆いかぶさって密生敷いていたり、つる性のものが混じっていたりで、押し返されたり潜ったり、迂回したりになって、これは当初の楽勝計画とだいぶ違ってきたぞ、と思い始める。
(進路方向)



強引にヤブを突っ切ることが複数回あって、左右の腕に引っかき跡を盛大に付ける。
(進路方向2)




広い川原上の部分の日当たりの良い区間に、草木が密集してヤブ化したと思われる地点を歩いて、これは里山でも、最後までこんなヤブでは先が思いやられる。と思い出した頃、沢沿いの右岸に、やや明瞭な踏み跡らしきものが出てきて、そうなると当然それを追うことになる。(p ↓)



踏跡は時に不鮮明になったりするも、一貫して続いているのを感じる。ルート上を辿っているのだろう。今年蒲生岳山頂で福島のおじさんにもらった”奥会津山旅”を参考に(ザックに忍ばせて)歩く。ガイドによると、沢を4回渡渉するとあって、なるほど4回渡渉した。
(やや不鮮明になった踏み跡の区間。進行方向)




最初のヤブ区間を超えるのに、大汗かいて、あとは踏み跡を追って歩いて、実際より長く歩いた気がした。登山口から40分の地点、左岸から、道標を目印に沢分かれして山の斜面に取り付く地点につきます。明瞭な踏み跡が山を登って行きますが、この道標がないと、このルートを辿れるかどうか。
ただ、誤って沢をそのまま進んでも、踏み跡が不明瞭になって気づくような気もした。



沢分かれしてもすぐには尾根に乗らず、尾根と沢の中間のようなレベルの斜面を緩く登って行く。




尾根歩きのような区間に乗って、少々ヤブっぽいけど、踏み跡は追える。ヤブは濃くなったり、踏み跡が明瞭になったりの繰り返し。尾根になると、傾斜がきつくなる。あと気温が上がって、水分も飲んだ。
(進行方向、登り)



途中、大きな杉の木のような大木が3本ある平坦地で休憩。ここは、何かの作業場だったのか。そこを経由してまた急登。ヤブっぽかったり、踏跡が明瞭になったり。沢分かれして約40分で、神社に到着。思ったより大きな建家の中に、神様が祀られてる。(写真は後ほど)



暑いし、思ったより労を要する山で、早く山頂に立ちたい。神社脇を通り抜けて、大木が道を塞ぐ急斜面を登って、相変わらずヤブが濃くなったり、薄くなったり。ヤブ歩きを普段する人なら、最初の沢沿いの草、笹薮以外はヤブとは思わないかも、とは思う。



最後まで急登。山頂直下は風が吹いてきて、少しだけ涼しさ。傾斜がゆるくなったと思ったら、山頂の一角に達する。





山頂の一角にあった、標石。なんと”愛宕山”と銘記してあった。ここも愛宕山と呼ばれていたのか。



愛宕山の標石の前で、ガイド本を出して、山頂周辺の記述を読む。村役場で高館山はどこから登るか?尋ねると、「高館山は知らないが、愛宕山なら阿久戸から登れる。」と言われるとの記述があった。地元では、ここは愛宕山のようで、自分もその呼称を尊重したくなってきた。その本によると、愛宕山の標石の20m先に三角点とあって、ヤブの中の僅かな切り開きに、三角点を見つける。標石の先20mって、ヒントがなかったら、”点”が見つかったかどうか。



三角点の周辺のヤブ。(p ↓)ガイド本によると、標石の周囲は切り開きがあって、博士山、志津倉山、御前ケ岳が望めるとあるが、今はこの通り。




山頂は、ヤブの中で、そっけない。なんでそんな山にも登るのかって、自分でもよく判らないけど、好きだからしょうがない。山頂で、この後熱中症だけにはならないように、栄養補給と水分とって、下山。木々の隙間から、野尻の集落を見る。



下りはやはりかなり急下りになる。これは登る時、やすやすとは登れないわけだ。ストックを突き刺しながら、踏み跡を用心して真剣に追う。



(愛宕神社の中の神様)



沢沿いに降りてきて、渡渉地点より早く間違った地点で沢に降りてしまって、脆い崖を1mくらい上がろうとして、なかなか上がれずに右太ももがつりそうになった。それ以外は、下り時は登りの時の学習効果か、沢沿いルートをスイスイ進める。最後の草、笹ヤブ地点は踏み跡らしい窪地を、(p ↓) ヤブをストックで叩きながら進むと、登りの時より驚く程簡単にヤブ区間を突破できた。




登山口まで降りてきて、汗だく。帰りの車道にあった電光掲示板には31度とあったのも納得。登山口の近くの一里塚を見たり熊野神社に寄ったり。自動販売機で珍しく冷えひえの砂糖入りの缶コーヒーを飲みながら歩く。役場の駐車場に着くと、併設の消防署から、ツメのスタッフの一人とご挨拶。このかたも暑さにまいった様な雰囲気だった。簡単に1時間程度で登って降りてこられるかと思っていた高館山は、部分的にヤブ化していて、想定よりは労を要した。秋や早春なら、ヤブは薄いのかもしれない。10月下旬は紅葉が綺麗なのではないか。
この山は実は愛宕山って呼ばれている山だと判った、今だに里のかたに信仰はされているのだろうが、かなり自然に帰りつつある山だった。、それで、かえって思い出の山にはなりそう。車に戻ると汗だくになって、温泉でゆっくりしたい事だけを体が欲している状態になる。帰りは最近お気に入りになった昭和村の温泉しらかば荘によって、少熱めの湯につかってゆっくりした。  ■■






(熊野神社に立ち寄って、参拝。)



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4 コメント

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2山目にしては (みー猫)
2016-09-13 07:14:54
おはようございます。2つ目に登るお山にしては、かかった時間がそう変わらないみたいですね。晩秋だと少し視界はありそうでしょうか?会津のガイド本、有効活用ですね。参考になります。
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愛宕神社があるので愛宕山 (ノラ)
2016-09-13 21:10:12
ななころびさん 高館山は分県福島の山にも載っていますが半分藪山のように書いてます。会津百名山にはマムシが多いって書いてありますね。途中の神社は愛宕神社っていうらしいです。入り口の登山口の道標があれだけ大きいと簡単に登れそうって錯覚しますね。ロマン紀行の記録にも踏み跡ははっきりしないところが多いって書いてあります。まあその通りの山のようですね。晩秋に行くのがよさそうですね。
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みー猫さん (ななころび)
2016-09-14 04:52:33
おはようございます。
登りは、いろいろ錯誤して登って時間をかけましたが、帰りに戻ってみると意外にあっさり帰れました。
ヤブが減退する?晩秋の頃はあっさり歩けるか、とも思いました。
葉が落ちる頃は、かなり視界は開けるとは思います。
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ノラさん (ななころび)
2016-09-14 05:03:44
こんにちは、私の持っている山渓の福島の本(最近買った)には高館山は載ってないです。
会津百の本、持ってていいですね。今は売っていないらしくて、中古本が高く売られています。
私も、入口の道標が立派なので、大芦愛宕山のような普通の神社参拝の里山と思って入りました。
浪漫紀行の会津の記録は私も見ています。あのかたが入られた頃は、山中の道標はなかったようなので、今よりヤブ山だったみたいですね。
マムシの件は知りませんでした。今さらながら、ちょっとぞっとしています。
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