日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

尾出山まで縦走するも、下山時に魔の倒木地獄林道にはまり込む。 雷電山/不動岳/高原山/尾出山

2014-03-14 02:29:24 | 山行

2014年3月8日(土) (晴、強風)    単独            (尾出山南直下からみた尾出山山頂部 )
こんばんは、最近会社が忙しくて過労気味のななころび”です。8日(土曜)に不動岳に行った後、13日までに27時間も残業なんて、・・・。ここの所、数週間、毎日午前様かそれに近い状態です。これって皆さん、どう思います。 忙しくて、ブログ作成まで手が回りません。(なな”はそんなに稼がせてくれなくていいんだよ。) 今回はポイントだけ、簡潔にいきましょう。
この冬場は、仕事が多忙なのと、天候のせいでなかなかロング歩きができない状態が続いています。わけあって、ちょっと長距離歩きに脚を慣らしたい事情があるので、少しはロングあるきかなと思えるコースとして、不動岳から尾出山へつなぎ歩きを計画しました。
コース自体は眺望もよく、コースも起伏ありの面白い稜線だったと思いました。尾出山の南直下の鞍部から、ガイド本に載っていた途中から林道になるコースで下山をしたところ、無数の倒木が道をふさいでいて(本当に数えきれないくらいの倒木でした)、乗り越えたり、巻いたり、くぐったり、突破したりを繰り返しうんざりしました。尾出山へ登るのに、当面あのコースを使用する計画はたてないほうがいいでしょう。(あの状態で下のほうからから行って、山頂に立つ人がおられたらお会いしたい・・・)

course: 尾出山神社 7:45 ・・・  雷電山 8:58 ・・・ 不動岳 9:26 ・・・  高原山 11:30 ・・・ 尾出山 13:05 ・・・ 林道末端 14:05 ・・・ 一般道 15:33 ・・・ 尾出山神社 15:57

歩き始めてすぐ70過ぎくらいのおじいさんに話しかけられた。土地の人のようで、山で作業をするような服をきておられる。話しているうちの3割くらいは判別できないようななまりで話されたけれど、不動岳に向かうと自分が言うと、林道に木がいっぱい倒れているのでだいじょうぶかな、というような事を言われた。後になって思えば、その意味をよくよく思い知ることになるのだが・・・
(落合という地名の尾出山神社から林道を数分南下。最初は雷電山北西尾根に取りついた。 急なヤブ斜面を登って振り返る図 (P ↓) )




今回の目的はトレーニング、それと行ったことのない栃木100二座の初踏み。ガイド本に乗っていたルートは準一般ルート級と想定できたので、それだけではちょっと面白くないと思い最初に向かう雷電山へは、ヤブルートで・・・。さっきのおじいさんのいう林道は今回は歩かないのだ。
尾出山神社から少しだけ車道を歩き、左脇を流れる沢を渡る小橋があったので、それを渡り急斜面にとりついた。とりつきの斜面はかなり急傾斜、最初数分は植林の中を、その後は細い枝の余り密生していないヤブの急登を15分ほどしたのだろうか。ぐんぐん高度を上げた。

登り傾斜がきついと、今日は足が痛い。昨年買ってまだ一度もはいていない、AKUの皮でないほうのシューズの今日はデビュー戦。皮靴ではないから、慣らし歩きなしでもだいじょうぶだろうと、いきなりの実戦だったけれど、小指の付け根の外側あたりが当たって痛い。靴自体はいいものだと思うが、やはり慣れるまで、少々の慣らしは必要なようだ。この日、終始足の側面が痛くて、早あるきしようという気が起きなかった。

急な傾斜が終わると、ひょっこりと穏やかないかにも歩きやすそうななだらかな尾根に乗ることができた。(P ↓) ここで、コーヒーをひと飲み一息を入れてポケットを探ると、問題発覚。朝きちんと入れていたはずのコンパスが入っていない。コンパスを入れておいたコンビニのミニ袋だけがあった。そんなバカな、と思いながら、違うポケットやザックの小物入れを探るけどどうしても見つからない。自動車に忘れてきてしまったか、どこかで落ちてしまったのだろう。2回連続のコンパス忘れ、情けない。これで、ちょっとロングの尾根歩き、できるのだろうか、と不安のスタートとなる。方角は太陽の位置で方角を確認していくしかない。



雷電山への尾根道はなだらかな連なりだったけれど、最後はちょっと急登。このあたりは、薄っすら踏跡のようなものを感じられた。
(雷電山山頂には石の祠があった。 )


雷電山から不動岳の間の尾根は踏跡がより明瞭になったような感じ、目印が時々でてくる。ほぼなだらかで、感じのよい稜線だった。




積雪のある不動岳の山頂に到着。尾根の途中にあるような長細いピークだった。依然、周囲の木々の葉が落ちているので、眺望は結構いい。
ここから、市境の尾根を基本北に向かって進む計画。まず不動岳山頂からいったん西に進路をとらなければならない。その方向に進もうとして、なな”ははたと困ってしまった。尾根をそのまま進むと南に行ってしまうようなきがする。(太陽の位置から推測) 西へ向かう尾根が見当たらない。これから歩く稜線もどれだかはっきりしない。コンパスが無いというのは、不便なものなのがよく判る一瞬。 結果として間違いの南方面への尾根を道なりに1,2分ほど進み、やはりどうしても違うなと、地形図を診ると、西への尾根は、山頂の来た道の少しばかり手前から延びていることに気づく。山頂から数十メートルもどり、正解尾根への分岐を見つけた。




不動岳からは最初、こんな樹林帯。岩混じりの中を進む。積雪は出てきたり、消えたり。




北進して周囲の開けた稜線に出ると、積雪が潤沢にあったりする。ここしばらく歩いた人はいないのか、人のものらしきトレースは皆無。栃木100、2座の間の稜線なのに、この不人気さは少々以外。後ほど、そのわけが、おおよその所わかることになる。



歩いている稜線は迷いどころがほとんどない素直な印象。木々の葉がないので、眺望がきくので尚更、ルートが判り易かったのだろう。
(高原山へむかう尾根道 )



目先に高原山の山塊らしきものが見えてきた。結構でかく感じられた。



高原山に近づくと、稜線の右だったか、左側だったか脇から作業道のようなものが合流してきて、しばらく並行して進む形になる。鉄塔があったので、巡視の為のものだろう。作業道と別れ、積雪の潤沢な急な斜面を登る。(P ↓)



(高原山直前にでてきた鉄塔。)


鉄塔の前はおかげで眺望がよい。遠いほうの稜線のぎざぎざは何だったのだろうか。



この日は終始、このあたらしい相棒にちょっとばかし苦しめられた。ぶっつけ本番で、今年前半の最大イベントのロングトレイルなんかで、この事実をわかるようなことにならないでよかった。



不動岳から約2時間かけて、高原山山頂に到達。この山頂は不動岳山頂よりもっと積雪が多かった。踏み跡は依然全くなし。



尾出山の手前にはもうひとピークあった。そのピークは広い林状のピークでここも積雪は豊富にある。目の前に結構とんがった形の尾出山の山頂部が大きく見えてきて(見出し写真 ↑) ここまで来たら靴ずれで足は痛くとも行かなければなるまい。



西方面の稜線。陣地とか氷室山とかの方面なのかな、なな”はそっち方面も全く未踏でよくわからない。氷室山とかがかなり身近に近づいてきた気がする。そのうちトライだな。




尾出山山頂まで、夏だったらあと数分の地点。雪がざっくり固まっていて、急傾斜で取りつける枝とかが少ない岩稜帯の急な登り地点。(P ↓) あと少しの地点でこの日初のアイゼン装着、めんどうくさがって滑落でもしたら、非常に危険な地点だった。アイゼンをつけていると、風をよける為、しゃがむほどの強風を感じる。この日の稜線上は常に風は強かったが、ここの風はちょっと立っていると身の危険をかんじるほど。あまりに、強い風が長時間吹きつけてきたので、竜巻かと思ったくらい。ここまで山頂近くまで来て、戻るわけにもいかない。



尾出山山頂に到着。神社があって、静かなピーク。ここまで、なぜか不動岳からずっと、踏跡一つない。このピークも同じ。
歩き始めて5時間以上もかけて到着、靴ズレを我慢してもあり、山頂到達は意外にもうれしかった。だーれもいない静かな山頂だった。




足が痛い。来た道を戻る山頂からの鞍部までの急降下、ここが足が一番痛かった。終始足が靴側面にあたり、歩くたびに、かなりの痛み。急降下が終わると、痛みの度合いも弱まったけど・・・
尾出山山頂の南鞍部(P ↓) から、東に沢沿いを下るルートがある。(ガイド本と地形図による。) 尾出山までは結構歩いた感があるので、簡単に降りられそうに思える、そのルートで下山することにした。そのコースは単純明瞭、地形図を見る限りその周辺の地形の一番低い位置、要するに沢をまっすぐ下って行くだけのコース。途中から林道に変化していくようだ。降りはじめは、簡単に車道に出られると簡単に考えていた。




右と左の斜面の間の沢状の部分を降りてゆく。最初は全面積雪、流水はなし。 夏道がどこか、半分くらいしか判らない。どきどき、目印がでてくる。


途中から沢が深くなる感じで、その上部数メートルの箇所を高巻きする地点もでてくる。歩くルートのすぐ下の傾斜が急で、落ち葉と共に滑りぬきそうになり焦る。
何度か高巻きして、この下山ルート選択はちょっと失敗したかなと思いだしたころ、目の前の進むべき下部地点にばさばさと木が10本ほどまとまって倒れている地点があった。すぐ右脇は小さな滝状の沢、左斜面は岩の急斜面。行く手はまとまった倒木。
最初高巻きを試みるが、岩のとりかかりが乏しく断念。沢に降りるのは、結構危険そうだったので選択肢外。 さてどうしようかと考える。これからまた登り返して、別ルートに行くのも相当勇気がいるものだ。 結局複数の倒木の倒れる中を枝をかき分け、くぐったり、またいだりして突破することにした。先の傾斜がよく見えず、倒木枝も激ヤブ状なので相当なストレス。最後は枝にザックをひっかけながらも、懸垂のような感じで、ようやく倒木帯の先の着地点に降り立つことができた。
こんな感じの地点がこの先何度もでてきたらどうしよう、とまただいぶ不安になる。
(沢の脇の倒木帯を切り抜けて、振り返るとこんな感じだった。ザックと服は引っかき傷と木屑だらけになった。)


その後、同じような問題地点もほとんどなく、林道末端部分のような地点に降り立つことができた。林道に出ればもう大丈夫か、やれやれと思いながら、ほんの少し林道を進むと。目の前に林道をふさぐようにバサバサバサと複数の木が倒れていた。 (P ↓)


いやーすごいね、とか思いながら、少し沢に降りるような形で低巻きしてみた。低い地点に逃れて少し進むと、今度はその低い位置をふさぐように倒木が複数・・・。(P ↓) たまらず、林道に上がると目の前にはそこにも別の倒木が複数道をふさいでいる・・・。なんだこりゃ、全然前に進めないぞ。
その後も断続的に複数の木々がまとまって倒れている地点が何度も出てくる。30メートルと何事もなく進める区間がないほどだった。まとまった複数の倒木があるたびに、巻いたり、くぐったり、攀じ登って乗り越えたり、突破したりで時間はかかるし、やってるうちに息が切れてくるような感じになった。



超えても超えても出てくる倒木帯。倒木の向こうにまたまとまって倒木帯、その向こうは結構高みに未知尾根がそびえていた。



この日の越すのに一番苦労した倒木帯はこれ。高低ともに簡単には巻けない事情があり、強引突破。枝と幹の間に挟まれて動けなくなった時は、高薙山山頂近くでシャクナゲに囲まれ難渋したことを思い出した。(P ↓)




従来であれば、簡単に走破できるはずの林道も、この日は1時間近く苦闘しただろうか。こんな事をしていたら日がくれてしまうぞ、と思いだしているころ、高原山方面に上がっていく分岐を過ぎた。小さな橋に辿りついて、その上にわだちの明瞭な跡をみて、もう倒木帯はないな、と安堵したものだ。



のどかな永野川流域の山里に民家がわずかながら点在している。この辺もこの前の大雪の時は、孤立してしまった集落なのだろうか。そんなことを考えながら、スタート地の尾出山神社まで歩いた。
この日の収穫は目標とした通り、尾出山までの稜線を歩いてトレーニングができたこと。 未知の栃木100を2座と、未知の三角点を3つ踏めたこと。 最後の倒木地獄は”印象”最大級のおまけになってしまった。  ■■


これは、最初に登った雷電山、カナ?


尾出山神社と樹齢500にちかい天然記念物のモミの木だそうです。



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2 コメント

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尾出山 (みー猫)
2014-03-14 23:56:02
こんばんわ。
尾出山の直下は、ちょっとおっかないところありますよね。備えをして正解と思います。それにしてもすごい倒木地獄でしたね。白鬚に向かったときよりもずっとたいへんそうに思います。林の中央部よりも林道のサイドのところが良くやられていますよね。折れたり裂けたりして、杉ってそんなに弱いのかな?って思いました。でも収穫があって良かったですね。
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みー猫さん ( ななころび)
2014-03-15 20:31:40
こんばんわ。
尾出山の直下は硬くなった積雪と滑ったらやばい急斜面で、用心しました。
帰りの倒木地獄にはびっくりでした。こんなのは、もちろん生まれて初めての体験。この林道が元のようにもどされるのは、いつになるのかと考えてしまいました。今のままだと、この林道から尾出山に取りつこうとした人は、ほぼ撤退になるんじゃないでしょうか。
今回は曲がりなりにも、歩きとおせたのが収穫になるでしょうか。
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