
入山日 2012年11月18日 (晴れ) 同行者:Yさん (見出し写真: 赤川ダムから見た、降りてきた古賀志山)
晩秋の鞍掛山から古賀志山を相棒Yさんと歩いてみた。秋の紅葉シーズンの古賀志山はほぼ初めてなのと、鞍掛山からの縦走も初めてだった。
コース: 森林公園駐車場前 6:55 登山口 7:35 鞍掛山 8:24 (大岩を往復) 559m峰 11:38 (山頂付近展望台往復) 古賀志山 12:36 スタート地点へ 14:05
(森林公園から先、鞍掛山登山口途中の林道)
(鞍掛山登山口からわずかな歩きで鞍掛山神社)
11/18は前日悪天候の為、貴重なわずか1日の山行充当日であった。前日予定として考えていたのは高平山から鳴虫山への縦走であった。なぜその気になっていたかと言うと、その辺りの標高の紅葉がまだかろうじて綺麗そうなのと、たそがれオヤジさんに直近で走行を薦められたためである。ただし、たそがれさんのレポを読むとかなりスマートな走行が困難な難解な尾根続きらしい。師のレポを熟読し、地形図をよくよく検討する。そんな折り、相棒Yさんからメール、翌日の山のお誘いだ。特に場所は指定して来ない、最近はこのパターンが多い。さあ、どうするか、ヤブをやっていないYさんを自分さえきちんと走行できないかもしれない難解尾根に連れて行くわけもいかない。道迷いや、道の選択に悩むような時の焦燥感やドキドキ感。そんな事があってこそより山歩きの魅力が輝くこともある。ただし自分の場合、そのようなあせりの場面を他の人と一緒にはどうしてか味わいたくない。ましてYさんをそんなシーンに巻き込むわけにもいかない。今回は高平山からのルートは諦めよう、(車で10分いつでもいける)。そんなわけでこれもたそがれさんのレポで知った鞍掛山から古賀志山の縦走、(これもいつかトライしたかった)を思いつき検討してみた。紅葉もまだありそう、ルートはかなりロングできつそうだが、その点自分もYさんも大丈夫だと思った。ルーファンの難易度・・・ これがちょっと問題ありか、たそがれさんは無難に走行されたようだがコースの長さを強調されていた。あと、かなりルート取りを慎重に確認されたようだ。ただ気になったのがハイトスさんがご夫婦で同コースを歩き思わぬ苦戦をされた点である、走行トレースをみると判っただけで3回ほど冷や汗をかかれているようだ。ハイトスさんといえば、群馬、栃木を中心にヤブ山を含め山々を歩き回られている歴戦のツワモノ。そんな山の先輩が苦労するコース、よほど注意しなければならないだろう。Yさんを連れて行くにあたり、GPSに自分のミスをやらかしそうなポイント7点の地点登録をし、安全面での準備を万全として当日を迎えた。
鞍掛山への登りはかなり急な直登(写真下)。ただ、このところの好調さもあって今日も気持ちよくこなせた。栃木三大急登などと冗談を言いながら登る。
登山口から約50分で鞍掛山到着、その先の大岩の展望地まで行ってみる。5分ほどほぼ平坦尾根歩きで着くのだが、ここが見事な大展望、栃木の山々以外にも遠く、筑波山、富士山、そしてスカイツリーも見えた(らしい)。自分は本日度の弱くなるほうのメガネ着用で、この場所からはスカイツリーを確認できず、Yさんは見えたと喜んでいた。風景撮影などをして気持ちのよい時間を過ごす、Yさんはお友達にメールなどをして絶景を伝えている。20分ほどの滞在後、古賀志山へ向けての尾根歩きを開始する。
古賀志山への道は気持ちの良い稜線歩き、鞍掛山までは針葉樹林帯の色あいのない登りだったが、一転楽しい自分好みの尾根歩きになる。紅葉はもう終わった木もあるが、まだ綺麗な色づきを残すものも多く充分楽しめる範囲内。基本西方向へ進行するが、時に大きく進行方向が蛇行する稜線である。心配していた道だが、わりと明瞭な踏跡有り、準一般ルートクラス。尾根を巻くような時や、尾根を乗り換えるような場面で、落ち葉がトレースを隠すような時も多少あるが、山慣れた人なら大丈夫だろう。ただし途中公式な道標のようなものは無し、小さな板きれ程度の道標はいくつか有った。それと時々テープやリボンマークもあるが、この尾根道、所々ルーファンの面で多少曲者なのは確かだ。
(大岩からこれから行く古賀志山方面、かなり遠く見える)
古賀志への尾根道(写真下)、こんな小道をなだらかに登ったり降りたりが多い。葉の色もきれいなものがまだかなり有る。
(縦走路、北側にそびえる高原山。)
この尾根、小ピークをしつこいほどいくつも超えて行く。わりと大きめのピークとピーク間を辿る時、こんな景色の鞍部を通過する。
(稜線脇の黄葉)
鞍掛山から50分歩いた地点で来た方向を振り返る(写真下)、右のピークが鞍掛山、左のピークは北西にある辿って来たピーク、こうやって見ると大きな双二峰に見える。
(鞍掛山から60分歩いた地点、この尾根ではめったにない急登をつめるYさん。)
(古賀志への尾根道の紅葉 /小道)
(古賀志への尾根道の紅葉 /道端のアクセサリー)
(古賀志への尾根道の紅葉 /小道2)
尾根の進路が西から南にターンする地点(鞍掛山から約90分経過地点)での小ピークは尾根が2つに分かれる。道なりに見える尾根(進行方向右)には赤ペンキ→とその先にペンキ〇マークがある。進行方向左は急に下る暗めの樹林帯。普通進むのは進行方向右の尾根だと思った。どちらか迷いGPSと磁石で確認、データは進行方向左を示しているので、それをYさんに伝え左の尾根を下る。少し進み選択が正解だったことを確信する。(右の尾根は494m峰を経て北西方向に今市方面に下る尾根だったような気がする。)その後も進路左側に引き込まれるような道が有ったが、あくまで本尾根を忠実に辿ることに徹する。その後この日初めての遭遇者2名とすれ違う。70くらいのおじさん二人組、鞍掛までは行かないそうだ。途中でどこに降りるのだろう。
(鞍掛山から2時間経過地点のピークから見た559m峰とその先に古賀志山)
(写真上)のピークから基本南に進む。このピークからは急な下りを少々、途中落ち葉が多かった為か、明確な踏跡を失う。周囲を確認するが、最適な明瞭踏跡をなかなか見つけられない、綺麗な紅葉の森の中の道迷いだ、でも方向は確かなので、斜面を下ること4,5分。どうにか明瞭踏跡を拾えた。ちょっとヒヤッとした、Yさんゴメン。
(日光連山方面、山の2300m付近は雪で白い)
鞍部の森の小道を抜けると大岩がいくつか出てくる。左右の歩けるほうに踏跡がある。(写真下) いくつかめの大岩は巻く道を見つけるのに難渋、自分が左巻きを確認もヤブでNG、大岩のセンターを見てみるが登れないので、右巻き方向を見てみる。そちらを行くと高薙山の時のようなヤセ尾根枝つかみトラバースのようになりそうなので諦める。二人して周囲をキョロキョロ、左の少し下方に明瞭な道をYさんが発見、ヤブ専門外のYさんに助けてもらった。そこから少しの登りで559m峰に到着。
559m峰の手前地点には、60台?くらいのご夫婦が休憩中。Yさんが得意のコミュニケーション、鞍掛への稜線で2回間違って、2度とも期待しない里に降りたと言っていた。やはり、一般ルートよりは判りづらいと思う、結構いやらしいだましがあり、そんなポイントにも道標は無かったりする。
559m峰も眺望は良い、めざす古賀志が目の前にそびえる。ここでもYさんとしゃべりながらの撮影タイム、すぐ脇に70くらいの渋いおじさんが寡黙にお茶を飲んでいた。Yさんが登ってきた場所を質問すると・・・このピークに直登したらしい。(ん、何者?)と思い、今度は私が質問する。このピークに東から直に登るルートが有るそうだ、尾根型は素直ではないが、どう登るんだろう。その後もこの山域のコースの話が出るは出るは。。聞き間違いでなければ古賀志周辺だけでも登るルートが70は有ると言っていた。70?? その間もうひとり同じようなことを知っておられるこれまた同じ歳くらいのおじさんがこのピークに東から直登してきた。そのかたも交えてこの山域のコースの話が続いた。本当はいろいろ聞き込んで今後の計画のネタにしたかったが、時間も押しているので御礼を言って先に進む。それにしても、こんな話を引き出すYさんのコミュニケーション能力恐るべし、なにもしゃべらなければ、ただのおじさんにしか見えなかった。・・・
(559m峰からの古賀志山、いよいよ近づいてきた。)
(富士見峠前の開けた場所からの古賀志山から続くの西の山々)
富士見峠からは何度も歩いている一般ルートを辿る、気分は上々、足取りも依然好調。Yさんも好調なようだ。ここまで結構長かったし、時間も経過している。Yさんの体力恐るべし。まず古賀志山頂上周辺の展望地に着く。歩き出しから5時間半近く経過している。途中おしゃべり休憩の時間も有ったが・・・午後になっても依然天候はいい。ここではスカイツリーも肉眼で見えた。 (写真下 展望地から)東京のビル群とスカイツリーを始めて写真に収めた。
(展望地から今日歩いた稜線を見る、手前の尾根の向こうがそれだ。結構長い、よく辿れたものだ。というのが感想)
(久しぶりのピーク、数年ぶり)
古賀志山頂でこの日初めて腰を下ろしての休憩、簡単な食事をする。山頂には家族連れ、山のグループなど大勢の登山者が憩う。ベンチテーブルに相席された小山のご夫婦とおしゃべり。このご夫婦は山歩きは少々だそうだが、そのかたの友人というかたにもらったという地図を見せていただいた。 (写真下)影像は故意にぼかすが、この1枚は古賀志、赤岩辺りをカバーする地図、青部分が赤川ダムだ。赤の線が記入者が歩いた全コースだというのが驚き、古賀志山縦横無尽ではないか。先ほどのおじさん二人といい、この地図の記入者といい、この辺の人は凄いな、そういえばものすごい速度で疾走していた屈強のトレラン青年も2,3見たし。皆さん、それぞれの手法で山を楽しまれているのがよくわかった。さっきのおじさん達とまた会っていろいろ話を聞きたいな、そう思った。
下りは自分は初めて歩く山頂から東に直に降りる尾根、最初はかなり急な岩場下り。途中から緩やかになり(写真下)、いったん林道と合流し、その後森林公園のトリムコースとなっている尾根を緩やかに下って森林公園に降り立った。降り立った公園は紅葉真っ盛り、家族連れ、カップル、ハイカーの人たちなどがゆっくりした時を過ごすまさに楽園。
今日の歩いた稜線、長かったが飽きることの全くない面白いコースだった。何よりもちょっと得たいの知れないロングコースをあまりトラブル無しで歩けた達成感がうれしい。紅葉もまだ綺麗だったし、そして本日急に現われた栃木のこの周辺の山歩き達人の方々と少しふれあい、刺激を与えられたように思う。これから冬場にかけてこの山域、いろいろ歩いてみようか。
Yさんも最後まで元気、今日はYさんなら普段やらないようなマイナーコースを歩かせてしまったけど、結構満足しているようでちょっと安心。今日も1日付き合ってくれてありがとうございました。 ■■
(下山地点の森林公園)
(森林公園、上を見上げると・・・)
(赤川ダムとその向こうに古賀志山と右に今日歩いた稜線)
不明瞭な未踏の縦走を引率ぶっつけでやっつけてしまう辺り、すごいじゃないですか。おまけに紅葉の道迷いなんて、お山が遊んでくれたみたいですね。古賀志山は、家族でハイキングと山の会の岩場トレーニングとなぜか両極端の2回しかないので、ブログにコメ寄せていただいているしぼれさんの記事を参考に中間を狙って歩いてみたいと思っているのですが、さっぱりどこなのか分からないのですヨ(笑)
古賀志山、いいですね。根強いファンが多いことは、野球親爺さんのブログで知っておりましたが、レベルと実態がそこまで過激とは知りませんでした。地図が真っ赤っ赤になるまで歩きこなしたら、他の山には見向きもしないでしょうね。
古賀志山もまだ一回だけの歩きですけど、もう一度、コースを変えて歩きたくなりましたよ。
紅葉もいいですね。もう、見納めにしてしまってもいいくらいではないですか。
それにしても、ななころびさんには、同レベルで歩けるYさんというお仲間がいていいですね。うらやましいですよ。
しばれさんのブログ、皆さんのブログほどは見ていなかったのですが、栃木のマイナー系もすごく歩かれてますよね。古賀志のレポなんか覗いたことあります。これからしぼれさんからも色々勉強させてもらおうと思ってます。
紅葉を今年はたくさん見られました、この多さは人生初だと思います、紅葉時期は特に相棒との登山が増えます。
私はたそがれさんの高木さんとの気兼ねのないやり取りの記事が羨ましいですよ。
今回のように鞍掛山からの縦走がちょうど良い具合の負荷になるかと思います。
ただし、我々のようにルートを踏み外さなければの話ですが。
我々も訪問時に感じたのですが、所々のピークであらぬ方向から登ってくる人に出会うのでどこから来たのか聞いて見ると皆さんばらばらでした。
ベテランさんが云われるように沢山のルートがあるようです。
自分も地元だったらせっせと歩いている事でしょう。
古賀志山からの下山ルートで鎖場の急斜面があると聞いているのですが、今回はそこを下られたのでしょうか。?
今回下山したのは山名板のあるピークから直に東に下りるルートでした。一箇所プチ鎖場が有りましたが、ハイトスさんの言われている場所ではない気がします。古賀志山頂から5分ほどの北方面に展望地があるのですが、そこから直に東方面に下りるルートがあります。そこの最初の下りは3段階ほどの岩場の鎖箇所があります。そんな急斜面も下り始めのほんの数分のみですが。言われているのはそのルートのことでしょうかね。その鎖場は気をつければいづれも問題ありませんが、そのルートは登りで使ったほうが楽しいかもしれません。
下山口から車で10分ほどで行けるろまんちっく村は露天風呂もあり、濃厚な地ビールも飲めますのでお勧めです。