日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

信仰の山としてのその山はかなり微妙な味わいだった    栃木市/三峰山 604.9P

2014-10-08 03:42:05 | 山行

入山日 2014年10月4日(土) 曇 単独   
4日は、2日前くらいまでは晴れ予報だった。前日ちょっと天候悪化の兆しがでていて、曇りが多くなる雰囲気だった。それでも、檜枝岐村方面の未踏山でも行こうと思っていたが、4時前に起きると、体調が悪く軽い頭痛も感じた為、無理をすることもあるまいとあっけなく2度寝に入る。平日最近帰りが深夜で疲れているのかも。朝ゆっくり起きたら、体調は良くなっていたので、栃木の低山で軽く汗を流すことにした。行ったことのない山なので、栃100のカウントアップにもなる。

登り口、栃木市星野の御嶽山神社近くには11時ちょっと前に着く。御嶽山神社のある場所がわからず、細い田舎道を車に乗ってウロウロしてから、庭いじりをしているおばさんを見つけ尋ねた。
「ミツミネサンに登りに来たんですが、麓の神社がわからなくて・・・。」とたずねると、「あーオンタケサンね。」と神社の位置と駐車場所を親切に教えてくれた。一瞬なな”は??となる。どうやら里の人たちにはオンタケサンと呼ばれいているようだ。

(御岳山神社から階段を少し登って、祖霊殿という建物に到着。この脇を通って入山。)


駐車場には栃木のナンバーを中心に5台ほど、少しは人が入っているようだった。
いきなり、登り始めの場所がわからない。明瞭な道標もないので、ここはちゃんとした下調べをしないと、人に尋ねることになる。珍しくその日は、ガイド本を持参だったので、神社の中を通って、鳥居をくぐって社殿の脇の石階段を登って・・・なる記述を読むことが出来て、対処できた。
祖霊殿から先は植林の沢沿いの斜面を登る。
少し登ると清滝不動に着く。小さな滝脇に祠があり、立派な像があった。真っ暗なのでフラッシュで撮影。



清滝不動からなお、植林中心の山道を登ると、上からおじいさんが二人降りてこられた。特に後ろのかたは白装束、お年は80後半以上ではと思う高齢のかただった。気をつけて行っておいで、と言っていただく。
地元のかただろうか、こういったかたの信仰の対象になっている山なのだなと、感じた。



また少し登ると、普寛堂という場所に着く。祠の中には、開山された行者さまの像だろうか、立派なものがあった。



山全体が霊山なのだろう、急斜面を直登する斜面脇には石祠があちらこちらに置かれていた。



弘法大師と書かれた石柱、祠には優しげなお顔の石像があった。



大岩の直下まで直登して、大岩は右方面に迂回して巻く。
(大岩のちょっとしたスペースにも石祠や石柱がたくさんある。)


大岩を右に巻くと、尾根をトラバースするような形で、落ちたら大変だと思うような、急斜面を横切っていく。自然林のいい雰囲気の斜面でもある。と思うも束の間、植林の中の窪地を緩やかに登るコースに変わっていき、結構長い区間植林の林を登っていく。
予想したとおり、植林の林のコースはそのまま稜線に突き当たり、稜線にでると心地よい風が吹いてきた。稜線を右折して3分で奥の院と簡易道標があったので、行ってみた。
(稜線にでると、そこは、ようやく心地よい自然林の尾根状になっていた。)



奥の院には、神様だろうか、3体の像。非常に慈悲深いお顔をされていた。



奥の院の前で、ちょっとパンを食べて休憩。北東方面には谷倉山だろうか。ちょっと望遠で撮影。




奥の院からさっきの稜線合流点まで少し戻り、そのまま道なりに尾根上を南東方面へ、三峰山山頂、三角点に向け進む。最初はしばらく植林の尾根の中を歩く。稜線に出て、ここからは気持ちのいい尾根歩きかと思っていたので少々拍子ぬけ。結構距離を歩いて、ようやく自然林のいい雰囲気の尾根になってきた頃、(P ↓) 右手の方向から、工事(作業?)の音がしてくる。事前に地形図を見て察知していたが、石灰かなにかを掘り出す鉱山らしい。クラクションのおとや、モーター音、採石する音が聞こえてきて、また少々興ざめ。




採石場、このあと、更に進むともっと近くに現場が見下ろせる状態になる。



稜線でわずかながら咲いていたお花。



右手に鉱山がずっと続く尾根道。ずっと右側にトラロープが張られていて、”絶対入っちゃいけんよ”と主張している。時に発破をかけるらしいことが書かれている看板などが、頻繁に出てきた。
(三峰山頂に近づくと尾根は結構混沌としてくる。植林と鉱山さえなければ・・・と思う。)


暗い森の中を登り返して、眺望の全くない山頂に到着。奥の院からは稜線歩きが続いたが、何度か上り下りを繰り返した。このいくつかのピークから三峰山と呼んだのだろうと思う。山頂でも証拠写真のみ撮影して、すぐに撤収。



山頂からは10mほど来た方向に戻り、すぐに右折して北東方向の踏跡に進んでしまった。剃り出してきた地形図には破線が記入されていなく、ガイド本の地図はその時見なかった。大きく周回するとしか頭に無かった。相変わらすの立ち入り禁止のトラロープもあったので、それに添って下るのだろうという感じもあった。結果、それはコースではなかった。どうも進むのは尾根伝いだけれど、それまでの明瞭な踏跡が無く、単なる伐採跡のあるヤブ尾根っぽくなってしまって、ガイド本をザックから取り出して地図を見る。
もっと20分ほど来た道を戻ってから北東へ折れるのが正解だったみたい。今いる尾根でも降れるだろうけど無理はするまいと、元きた山頂部に戻り数分のロス。あとは正解の降下地点をすぐ見つけて、下山した。

(稜線からの下りは急な斜面一辺倒。振り返ると、どこをみても急傾斜だった。)


急な植林の斜面を一気に下り 緩やかになってくる頃、小さな沢を渡った地点にいい雰囲気の石祠があった。この山、コース一周して、全体的に信仰の対象が山全体に散りばめられていた。まだ歩くとじっとり汗ばむ今のような季節もあまり歩く山ではない。冬枯れのひだまりハイクなら、気持ちのよい運動ができるかも。
かなり大規模な山の西側の鉱山が山を侵しているのは、ハイカー的にはちょっと???な気分で複雑な気持ちになる。信仰の山なら、それらしく昔の姿のままにしておいてあげられたらと思うが、どうしようもないのだろう。翌日は会津方面に誘われている山予定があるが、また台風の影響の雨予報がついてきた。まったく今年の気象にはやられっぱなしだ。  ■■



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2 コメント

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鍋山とは・・・ (瀑泉)
2014-10-08 21:06:34
また,渋い山を歩かれましたネ。
かくいう自分も2012年5月ではありますが,山中にある史跡を探索しながら,歩いたことがありますヨ。
でもこの山,修験の山だから,場所によっては,整備されている石裂山より余程危険なんですヨ(笑)。
例えば,大岩を巻いた先のトラバース道では,以前,滑落死亡事故が起きていますしネ。それに,帰りに無理をしなかったから良かったケド,この山は石灰質の山でしょう,現に,あの大岩の穴=御岩戸はミニ鍾乳洞ですけど,至る所に鍾乳洞(風穴)があって,落ちたら見つからないなんて言われているんですヨ(笑)。
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瀑泉さん (ななころび)
2014-10-09 02:55:42
こんばんは。この時期としては渋すぎますね、この山は(笑)。

そうでしたか、話を聞くと恐ろしげな山に思えてきました。ガイド本にもさほど、危険には言及していなかったので気楽に考えて済ませてしまった感じです。
確かに、あの大岩を巻いた先の斜面トラバースは、落ちたらヤバイとは思いましたが、死亡事故があった場所とは・・・。
落ちたら見つからないような風穴も考えてもみませんでした。
今回の噴火のこともありますし、山は十分気をつけてあるかなければいけませんね。勉強になる情報をありがとうございました。
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