
入山日 2014年9月27日(土) 単独 (避難小屋直下から見た窓明山)
この記事の山行と同じ日に、予期せぬ自然災害に巻きこまれ、大好きな山の中で夢半ばにして倒れた多くの登山者に、この記事を捧げます。
Part.1 ===== > 快晴の下、三岩岳に登頂して、避難小屋まで降りてきて、初めての窓明山方面に脚を踏み出したところからの続きです。
三岩岳避難小屋からは未知の尾根歩き。あまりよくわからないが、(P ↓)のような表示盤があるということは一般ルート級のルートなのだろうと思う。実はいけないことだが、今日、コンパスを忘れている。しっかりした踏跡がついていてくれないと少々困る。GPSは持っている。三岩岳の小豆温泉ピストンだけなら自信があるので、最悪の場合(窓明山より先の下山時に踏跡が無くなる場合)、長い遠回りをして避難小屋まで戻ればいい。そういうつもりで進んでみた。
コース: 小豆温泉スノーシェッド脇P 6:30 ・・・ 旧道分岐 7:38 ・・・ 避難小屋 9:07 ・・・ 三岩岳 10:08-10:24 ・・・ 避難小屋 10:54 ・・・ 窓明山 11:47-12:00 ・・・ 家向山分岐 12:51 ・・・ セン沢山 13:52 ・・・ スタート地へ 14:49
(この山中。何箇所か、立派なこんな表示板が設置されている。)
避難小屋からは、いったんかなり大きく下る。でもそれも長くは続かない。鞍部まで降りきると道は緩やかな平坦状になって続く。
(避難小屋からの下り始めは、森の中の紅葉の中を進む。)
樹林帯を下りきって、森をぬけると開けると前方にでかでかと窓明山が見える。そこに続く稜線もはっきり確認できた。
鞍部を歩くようになり比較的平坦歩きが続く。避難小屋から一貫して広くはないが明瞭な踏跡が続いている。一般ルートとしてきちんと整備され、時には刈りばらいされているかのようにも感じる場所もあった。
(途中の湿原か振り返り見た三岩岳山頂部 )
鞍部から湿原、池塘の脇(P ↓) を歩いて窓明山に近づいていく。この稜線、周囲の潅木がところどころ色づいて非常に色彩豊かになっていて、歩いていて目が飽きない。
(道端に小池塘があった。 )
窓明山直下でしばらくの登り返し。ここで先ほど三岩岳山頂で一緒だった埼玉の単独氏にまた追いついてきた。
山頂手前にあった湿原風の平原。ここを北上して窓明山頂は数分だった。
窓明山頂付近から三岩岳をみる。
山頂に先着の埼玉さんが座って食事をされていた。山頂は狭い切り開きの中、一番北の突端で風景を楽しんだ。ノラさんは、坪入山への稜線は激破で1時間ヤブをこいでも500mも進まないとか言われていた。
ちょっとその方向を見たけれど、今日は足を踏み込むことはしなかった。尾白山/丸山間に匹敵する激ヤブって、人が歩く対象じゃないでしょ。・・・
(窓明山山頂部、三角点と山名板が地べたに置いてあった。)
山頂で少々ゆっくりして、今度は埼玉氏より先になな”がスタート。 ここからは、家向山直下をとおりセン沢山を経て、保田橋登山口に降りるルートになる。
(三岩岳の今日登った稜線。)
窓明山からの下りは鮮やかな赤い色の紅葉が目立つ。ルートは明瞭で歩きやすい、ひと目横を見ると歩けることが想像できないヤブの世界。ここも道が開けてなかったら尾根通しにでも歩くことは非常に大変だろうな、と想像した。
周りの赤い灌木の紅葉を眺めながらの下り。やはりルートはきちんと刈りばらいされているようにみえる。
家向山とかいう、ほっとするような名前のお山をめざして降りる尾根はさまざまな色のトンネルがいつまでも続く。
ふと、横を見ると先のスペースのみえないヤブ。ノラさんの”福島の山のヤブ” のお話を思い出した。こんな場所は1時間ヤブを漕いでも、そんなに進めないと思う。これは、ちょっとへヴィーすぎる、栃木県民でよかったとの雪田爺”さんのお言葉を思い出す。
今度は黄色のトンネルの下を下る。
会津の山は山深く、恵み豊か。恵みといっても食えるかどうか専門外なのでまったく判らない。どらやきみたいな大きさ。 こんな倒木をまたいで進んでいく。
見上げると、黄色の鮮やかな葉が頭上を覆っていた。こんな紅葉写真をとっているとなかなか足が前に進まない。いつもより異常に多くカメラのシャッターを押している。私はみー猫さんか、と思いながら歩いた。
鞍部に降りてきた。鞍部の平坦な地点を少し進む。そのあたりも紅葉のトンネルが続いていた。
窓明山から下るだけ下ると道は緩くなり鞍部へ。鞍部の開けた場所から前方に家向山かそれの肩の部分と思われるピークが見えてきた。(P ↓)
同じく鞍部周辺の場所から、南方面の眺望が開けた。遠くの稜線は田代山方面か。その手前の稜線のスジが美しかった。
家向山へはちょっとだけの登り返しがある。綺麗な森の中の上りになり苦にはならず。
コースを辿り家向山山頂への分岐らしい平坦地に着く。そこはコース周辺で一番高い地点、しかし通過点的なピークで、しるしも何も無いので、気をつけていないと通り過ぎてしまう。コースはそこから南東に向きを変え降りていってしまいそうな雰囲気だった。
家向山山頂には行きたかったので、そこで悩む。北東方面にあるであろうそのピークは今いる平坦地から行くのだろうか。木々に遮られて、進む方向に尾根型が全く見えていない。その地点のコース北東面には何箇所かロープが貼ってあり、通せんぼをしていた。そういうことをするというのは、その先に行きたい目的の人がいるような地点であることが多い、というのはなな”は経験上知っている。
やはり、ここが家向山山頂への分岐なのだろうと思った。それにしても、踏跡がほぼ全くない。行こうかやめようか、今日はコンパスは忘れてしまっているので、無理はしないほうがよい。でも、GPSがあるから行けるかな? ちょっと心の葛藤。少し踏み込んでみた。行けないことはないヤブ、でも結構密なことは蜜なヤブだった。ロープをまたぎ20mくらい進んでみた。ヤブが結構うるさくジグザグにしか進めなかった。結局コンパスもなくこういったことをするのは、自分の山での規律に合わないので、家向山のピークは行きたかったけれど、今回はやめた。結果やめてよかったと思った。わづか2、30m先の一般ルートに復帰する時ですら、進む不安を感じて、ヒヤッとすることがあったから・・・。
(この先を進めば、家向山のピークがあったはず、今回は撤退)
家向山分岐からはやはり下り一辺倒になった。その斜面付近はまだ紅葉の始まり程度の色づきの木々が目立った。
振り返って、たぶん家向山と思われるピークが見えた。行きたかったねー、今回はコンパスさえあれば・・・と言い訳。
センタクサンと読むのか? ピークに到着。ただの通過点的なピーク、道の少し奥まった場所に三角点があった。
(センタクサンのピークの様子。)
セン沢山からの下りは急降下が続く。右を見ると三岩岳らしいでっかい山容が見えていた。
急降下が続いて、右の膝に少しの違和感が出てきた。なな”の場合、このままガシガシ下り続けると、悪化して、山下りができなくなるくらいひどくなってしまった20年くらい前の悪い記憶がある。ゆっくり膝をかばいながら下って事なきを得た。
もう、下界の車道が近くなってくる頃、目の前に谷をはさんで、越郷山というような山が見えてきた。自分のいる場所からみると結構堂々としている。マイナーな山だな、きっと道はないと思う。さすがにノラさんも登っていないだろうと事後 思案岳の時と同じことを書こうとして、念のためネット検索すると、ノラさんは2012年頃登られていた、恐れ入りました。その山のとなりにハゲ山というのもあるみたいで、それも登られていた。
(越郷山はなかなか格好よかった。)
車道に降下地点。見上げるとこんなところを降りてきた。(P ↓)道標類もないので、ここから登るのは、ここに下山したことのある経験者しかできないだろうなと思った。次回はここから登ろうかな。こんなところから登る必要がなんであるのかって? それは決まってるでしょう。あの山とあの山のピークに行くためです。
車道に出て、数分歩けばスノーシェッド脇の駐車場のフォレスターに戻れるだろう。
スノーシェッド内を歩いていると、白いセダンが後ろに後続者がいるのに減速して奈なな”の脇をすれ違う。先に山を降りられていた東京ナンバーの寡黙なおじさんだった。すれ違いざまに窓から手を上げて、手を振ってくれた。山中で数度見かけたり、挨拶しただけなのに、なんと山仲間の絆のありがたいことか。喋りかけるなな”が迷惑だったかなと思うくらいそっけないおじさんだったけど、静かないいおじさんだったのかも・・・。山歩き自体のよさに絶妙なアクセントをつけてくれたちょっとした出来事だった。 ■■
やはりこのお山は夏よりもこの時期がスカっとした空気で気持ちよさそうです。あまりに気持ち良さそうなのでヤブ覗きでプチ難渋を期待した読者もいたんでは?(笑)・・コンパス無しでは視界が無いヤブ中ではあらぬ歩きをしちゃいますよね(コンパスがあっても歩き易いところを拾ってたら環形彷徨してしまった吾妻山の反省・・・)昨日腕時計のコンパスがありえない方角を指していることに気づきました(汗)・・幸いシルバコンパスを持っていたので大事にはいたりませんでしたが、自宅に帰ってキャリブレーションやって直りました。お疲れ様でした。
秋の会津は天気さえよければ、どこに行っても綺麗そうなのです。でも会津のヤブ歩きはしんどそうです。
家向山ピークのヤブにちょっと向かってみて、自分が今歩いた方向がわからなくなりそうになりました。あんな場所にコンパス無しはやはりまづかったです。
昨日、自分は栃木の低山を歩いていたんですが、充電したはずのGPSの電源が2度も切れている事例がありました。原因はまだわかりませんが、やはり機器に頼りすぎはいけませんね。
来年はぜひこの辺りの薮山に御一緒にどうですか?一般的に伊南川の右岸の山はあまり薮のグレードは高くなく取りつき周辺の笹と蔓薮が突破出来れば,比較的登り易いです。に対して左岸の山は籔のグレードがあがります。特に1500m以上は密薮が多くやっかいです。日光のようなシャクナゲは少なく株立ちブナと蔓が混じった薮が多いです。家向山はななころびさんにはそう難しくないと推測します。と云っても私もまだ行ってないのですが。
今日は会津の友達と昭和村の志津倉山の予定でしたが、雨予報と遠いのでやめました。
窓明山の紅葉は期待以上でした。
ノラさんが家向山がまだなのは少々意外です。家向山は会津100なんですよね。家向山へは、一般ルートの分岐から400m足らず。時間と準備さえあれば行けるようなヤブでした。坪入山は残雪期狙いでいくかも。
あの周辺の薮山、よさそうな候補があればご一緒できるかもしれません。ヤブの中10時間越えで消耗しきってしまうようなのは、ちょっと勘弁ですが・・・(笑)。
三岩岳の山頂で、新潟からきたご夫婦のご主人が、残雪で北方の沢から登る様な事を言ってたのを思い出しました.
”巽沢山”は干支の”巽”でしょうから、たつみさわやま? とか、読むのでしょうかね・・・
キノコはツキヨタケですね.食べると中毒をおこしますよ(食べた事はないけど(笑))これ、食べられたらなと、いつも思います.
昨日は久し振りの藪漕ぎ(ってもオロ山~塔ノ峰のやさしい笹ですが)をしてきました.
家向山は分岐地点から明瞭な踏跡が無く、30分くらいでちょっと行って帰ってくるというようなピークではないようです。
巽沢山はたつみさわ山でしたか、勉強になりました。
ツキヨタケ? これも勉強になりました。キノコに詳しくなると、いろいろ面白いかなと思いますが、花の名前と同じで、歩くのに夢中で覚えていけません。
オロ、塔ノ峰周辺ですかいいですね。来週あたりは、なな”隊の仲間と足尾あたりもいいかなと考えています。
ななころびさんの情報を元に同じルートを10月11日に歩いてきました。満足のいく歩きでした。
個人的には窓明山から巽沢山までの尾根歩きが特に良かったです。
貴重な情報を有難うございました。
またいい情報をお願いしますね。(笑)
三岩岳周回。お疲れ様でした。貴重な情報というまででもありませんが、役に立てたなら嬉しいです。
素晴らしい紅葉だったみたいですね、あんな紅葉を観られていいなー。あとでまた記事見にいかせていただきます。