日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

小舎から黒部五郎への周回は思い出に残る歩きとなったと思う。 双六/三俣蓮華/黒部五郎岳 Pt.2

2013-08-16 10:29:16 | 山行

山行日 2013年8月11日 (日) (晴) 
双六小屋に泊まって迎えた2日目未明からの続きです。 Pt.1 ====== >
4:50 双六小屋出発。 初日、新穂高温泉、鍋平Pから双六小屋までの歩きは悪コンディションもあり、ちょっと苦戦気味。2日目のこの日は前日、小屋でたっぷり寝ての仕切りなおし。朝歩き出し感は悪くない。
(双六岳へ向かう斜面から見た、昨夜泊まった小屋)


TIME: 双六小屋 4:50  三俣蓮華岳 6:37  黒部五郎小舎 7:58-8:23  黒部五郎岳山頂 10:51-11:05   黒部五郎小舎 13:17 

この日の最大の目的は黒部五郎岳に登頂して、無事黒部五郎小舎に戻ること。コースタイムは9H。通常地元でやっている歩きのボリュームからすれば数字的にはなんら問題ないと思える。しかし、ここはアルプス。標高2800mの高度と、未知の尾根がどんなものかもわからない。通常より疲労が早まる可能性もある。多少の不安感を持ちながらの歩き出し。とにかく今日はできるだけ時間節約で・・。 小屋を出て斜面に取り付くといきなりの急登。 数名の大学生風のテン泊グループと上っていく。彼らの荷物の大きさ恐るべしだ。 まずは双六岳は巻いて、中道と呼ばれるコースを進む。 巻き道に入ると、道は穏やかな登りとなった、やれやれ。この中道”コバイケイソウの大群落と、燕岳方面から登る日の出を見られる、素晴らしい機会を提供してくれた。 
(双六岳、巻き道の斜面)


5:14 燕岳の稜線方面からお日様が上がってきた。


薄明かりの中、夢のような斜面を進む。この巻き道、眺望、花の咲き具合共に申し分ない。前
方に裾野のガスをいだく鷲羽岳が見えてくる。



コース脇に咲いていたイワカガミ。


高度を徐々に上げてゆくと、目の前も素晴らしい眺望が日の光を浴びて輝きだしてきた。右から鷲羽、水晶、三俣蓮華岳が見える。






山中の天気はめまぐるしく変わる。朝の日差しは黒部五郎だ岳方面からの雲に遮断されてしまった。周囲はどんよりの白っぽい世界になる。 進路左(西)方向にはこれから向かう黒部五郎のでっかい姿、かなり遠い。今日あそこまで行くのかー。 5:58


振り返ると今歩いてきた中道”コース周辺の斜面が見える。その向こうに槍ヶ岳周辺の岩峰郡の姿。雄大で爽快・・・



6:37 三俣蓮華岳2841.2mの頂に到着、なな”はもちろん初登頂。さっきの大学生たちは、一番東よりコースから山頂に到達。中の一人に大学名を尋ねると、「法政大です。」との答え。やったねー、ズバリなな”の母校だった。そのことを彼に伝えると、他の仲間にもなな”がOBのことを知らせてくれ、丁寧に挨拶してくれた。 これから黒部五郎のテン場に幕営らしい。法大の部員のみんな、これからもがんばってね。
(大学生の装備は恐ろしくでかい)




三俣蓮華岳からは西へ稜線伝いに黒部五郎小舎に向かう。最初は小さなお花の咲き乱れる稜線をなだらか歩き。その後ハイマツ帯の中の長い下り。最後は樹林の中の急降下をしばらくこなすと、ひょっこり草原の中にたたずむ黒部五郎小舎にたどり着いた。
(三俣蓮華から黒部五郎小舎に向かう稜線、先のほうはガスで真っ白)



7:58 小屋到着。水場で顔を洗い、エネルギー補給を。ここから黒部五郎岳山頂まで行ってこの小屋に帰るのが、今日残された課題。なな”の当初の予定は稜線ピストン。 なな”の持つ昭文社の地図97年製はこの稜線コースは実線だが、昨日双六小屋の同部屋のかたに見せてもらった最新版では破線になっていた。どちらも、行きが3H、帰りが2H。ちょっとコースに不安があったので、小屋のスタッフに確認すると、非常に丁寧かつわかりやすく解説してくださった。稜線コースは一部ハイマツがコースを隠す場所があり、一部岩場歩きの箇所が歩きにくいとのこと。小屋としては北側のカールコースなるものの往復を推奨されているとのことだった。なな”は往路カールで、復路稜線コースを考えたが、稜線コースはガスってくると厄介なので、晴れている今のうちに往路で稜線、復路でカールはどうかと提案され、なるほどと思ったものだ。
結局、その提案通りの予定で歩いてみることにした。その場で、小屋の受付も済まし小屋出発、 8:23



小屋を出て斜面に取り付くと、いきなりのヤブっぽい急登。踏跡は明瞭、ついで沢沿いのガレを登るような状態になり広い残雪の残るざれ場状の場所に出た。(P ↓)
ここで踏跡、目印とも見失いちょっと嫌の雰囲気。GPSをオンにして斜面北方向に行くと、明瞭な踏跡に合流できた。



8:58 黒部五郎岳(左)の姿の主要部全部が見えるところまで来た。まだ結構あるなー、というのが実感。



稜線コースの下部、中部。コース脇には可憐なお花が咲き乱れる。




進路左(南)方面に笠ケ岳。 この日みー猫さんがこの山をつめていたのを、この時はまだ知らずに眺めていた。


9:21 この稜線コース、小さなこぶをいくつも超えていかなければならない。すれ違う人は極わずか、それもほとんどが山なれた若者から中年までだった。ほんの7,8人とすれ違ったのみか、他のコースより断然静か。



この周辺だったか、大きな岩がゴロゴロの稜線。それも隙間があるので気持ち悪い。岩と岩を渡り歩く感じになり、ちょっと怖かった。その為慎重歩きを強いられスピードがあがらず。ほんの20分くらいの難所だっただろうか。



9:45 山頂部がだいぶ近づいてきた。


今、登ってきた稜線を振り返ると南側からのガスで覆われていくところだった。


山頂直下、もう少しだ。あと25分くらいだろうか。


近づいてみると黒部五郎岳/山頂部は巨大な岩盤の塊。巨岩、奇岩が出てきて息を呑む。


10:51 ついに到着した黒部五郎岳山頂で久留米の大学生(ワンゲル部)の若者に撮って貰う。久留米の若者たち、女子も多く和んでいた。2840Mの高山、三俣蓮華についでの登頂、三角点とこれは日本100. さすがに嬉しい。この稜線をちょっと苦労して歩きとおせたのが何よりの達成感。ここに来るまで2日かかった。


山頂からカール地形を覗くと、凄いことになっていた。かなりの高度感、その向こうに赤牛、水晶、鷲羽岳が屏風のように並ぶ。


下山はカールコースから。ちょうど1周周回するような形になる。
(カール地形に下り始めから見た黒部五郎岳山頂部。 カールにはコバイケイソウの超大群落。)


本当にこの斜面はすごいと思った。あたり一面コバイケイソウの放つ怪しい香りが充満。こんなお花畑見たことがなかった。


カールから振り返っての、黒部五郎岳の岩盤。




カールのコースは最初急斜面を急降下。あとは、沢沿いの道を沢と一緒に下るような感じ。目の前には常に鷲羽や水晶岳が広がり、眺望も抜群だった。



そして、お花もたくさん咲いていた。




このカールコースで、最後にカール地形の全貌を見ることができる地点。もう一度この姿を目に焼き付けて、今回はこれでさよなら。またここに来る日はあるんだろうか。今日、あとは小屋に着いてゆっくりするだけ。ちょっと自分にご褒美としてりんごやおいしいドリンク? でも胃にながしこんでやろうか。 ■■
3日目の歩きはPt.3に続きます ===== >




(2日め記事最後に、黒部五郎小舎の晩御飯の写真を。 てんぷらメイン、チキンとサラダ、ひじきと大根、にんじんの煮たもの(ゴマ風味)、パイナップル。別茶碗にそば、ご飯、味噌汁はお代わりOK。)



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2 コメント

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part2 (たそがれオヤジ)
2013-08-16 20:08:34
こんばんは。
ゆっくり探索といった感じですね。こんな歩きも、時間に余裕がないとね。無理をせずですか。
黒部五郎小舎の食事って、昔も今も変わらない感じがしますね。
ななさんの学歴を知っちゃいました。とてもとても、自分なんか、恥ずかしくて…。
あと、残り一日、下山ですね。とはいっても、すぐに男体山に行かれるとは大した方ですよ。

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たそがれオヤジさん (ななころび)
2013-08-16 21:43:56
こんばんは。
ゆっくり探索”といっても、自分としては、いっぱいいっぱいの状況なのですよ(笑)。自分はアルプスでは無理はできませんし、臆病なので午後2時や3時以降の行動は、自分としてはご法度です。
今回、双六小屋で憩っていると、午後3時頃にまだ2時間以上先の小屋やテント場に向かう人が結構いるので驚きました。
私は後輩には恥ずかしいOBです。
男体山は、体のナマリを防止する為に行ったようなものです。
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