会津の秀峰はナゼそんな名前なのか 田島/ 斎藤山

2016年9月25日（日）　晴　　　　（天栄村の山から見た斎藤山（奥　右））　　　
今年年末によしもとが今市に営業に来るようです。年末といえばお笑いのネタ番組も大盛り上がりの頃です。トレンディーエンジェルも来るようなので、大いにうけそうです。トレンディ斉藤さんと言えば、会津に斎藤山って山があります。地元の人によると、斎藤山の読みの発音は、人のサイトウさんを呼ぶイントネーションで呼んでいるようです。
25日は新潟方面のメジャー山を歩いて、今年最初の紅葉見物でもするつもりでした。前日が仕事だったのと、当日の新潟方面の天気予報がいまひとつだったので、夜中2時に起きだして始動するモチベが起こらず、会津の未踏斎藤山に変更しました。田島地区なら今市から90分程度。この山は少し前にみー猫さんが歩かれています。

登山道への入り口がはすぐに判った。駐車地を何処にするかで迷って、会津長野駅の周辺をウロウロ。結局、駅前のスペースがなんとか置いておいてもよさそうな雰囲気であったので、隅っこに置かせてもらって出動、。駅のすぐ脇の勝手踏み切りを渡って、スタートします。斎藤山にはガスか雲がかかっていますが、山頂週辺は見え隠れしている。


コース：　会津長野駅 --(雷電様コース）--- 展望地  -- 斎藤山山頂 --- 展望地 -- (早生栗コース）-- スタート地へ
歩くコースは初めての来訪でもあるので、ごくオーソドックスに。地形図には線はないけれど、主に山開きで歩かれているコースが整備されているようなので、それを頼りに。登りコースは雷電様コースって踏み跡を辿る。
（鳥居、苔むした階段を経て雷電神社にちょっと寄り道）



この斎藤山は森林を保護する活動のようなことをしているようで、コース途中木々の紹介の板がたくさん付けられている。咲いている花の名もおぼつかない私は、種別を判別できる木はほとんどないので、とても勉強になる。
（沢沿いの広い踏跡を緩やかに登って、徐々に傾斜が増すと気持ちのよい森の中を登るようになっていく）




延々というわけではないけど、時に急斜面の登りになる。（p　↓）踏跡や道標はしっかりしていて、里の人に守られている山と感じる。この雷電様コースってのは、”南会津・鬼怒の山”ではサブコースとして紹介されているけれど、ヤブで不明瞭と紹介されている。２０年以上前のその記述は、今となっては隔世の感がある。




会津の山らしいきのこがコース上に転々と繁殖中。




会津長野の駅前を歩き出して１時間20分で展望地と呼ばれる地点に到着。展望地の直下の山道を歩いているとき、なな”の15ｍくらい前を大ぶりのサルが1匹歩いているのを見るが撮影は間に合わず。振り返ると北東方面に顕著な形の二岐山が見えてきます。その前のトンガリは高倉山か。



展望地、ここは地元の人の手によると思われるベンチやテーブルが設置されていて、イベント時にはいい休憩所となりそう。




展望地からは二岐山、小野岳方面や、阿賀川流域の様子が一望できる。ここで少しゆっくりして背中の汗を乾かした。
（那須沢山方面。下に見えるのは田島の町）



左の綺麗な形の山が小野岳。ということは右隣のでかい山容は大戸岳の山塊なのかな。？（展望地から)



展望地からは南にほぼ水平な道を数分歩く。程度のよい林道風で、自動車も走れそうだと思っていた、帰路ここは林道であることがはっきりした。展望地まで作業の為に、軽の４駆が２台上がってきていたから。
林道をしばらく歩くと尾根取り付き（ここは、後で斎藤山の山頂に通じる尾根と判る）を通り越して、少し先からまた山道に入り込み。
（山頂への山道途中にも、木の名板はたくさんある。）



林道から取りついたコースはなだらかに登れるように、ジグザグに斜面を登っていくように付けられている。先ほど見送った尾根に乗ってしまえばよかったなと思い出すけれど、初めての山なので丹念に一般ルートの踏み跡を追いましょう。



林道から取り付いて30分以上歩いて、山頂直下にたどり着いた雰囲気。もう少しで山頂の一角に出て展望も開けるといった地点で、前方に黒い四足を発見。またクマ？と思ったけれど、目を凝らすとどうもカモシカのよう。少し前に、自分がこれから歩くコース上を横切ったようで、コースをはずれた20ｍくらい離れた場所で、こちらの様子をじっと見ている。1分くらいお互いにらめっこ、でその間に数枚撮影しました。
（ピンボケだけど、こんなヤツだった。）


山頂の一角に着くと、電波塔の為の建家、大きなヘリポート。ここは話には聞いていたが、展望がよい。周囲の主だった山がぐるっと見渡せた。
（手前、三倉山とおく旭岳な？）　


ヘリポートからほんの少し稜線を辿って三角点のある山頂に到着。”南会津・鬼怒の山”の写真で見た山名板は失くなっていて、大きな山名板に変わっていた。



山頂は樹林に囲まれている。南や西方面の視界は開けていて、七ヶ岳や、巨大な男鹿山塊の姿が望める。山頂まで歩いてきた尾根なりに山頂から南東に更に進むと、約１キロ先に斎藤山本峰と呼ばれる斎藤山より100ｍほど標高の高いピークがある。ヘリポートから望むとすぐ近くに見える。一般ルートのある山なら40分程度で行ける距離かも。
帰宅してノラさんの記録を久しぶりに読むとこんな主旨のことが書いてあった。「斎藤山本峰には行こうとしては行けない。潅木やツル性の植物が密に生えていて、100ｍ進むのに・・・」と。
私も、ヤブが酷いとは言っても、現地で見れば微かな踏跡のようなものをたどれるのではないかと甘い考えを持っていけれど、南東方面の斜面を見渡しても、そんな雰囲気はゼロだった。そもそも斎藤山本峰には行けそうなら行ってみる程度の気持ちだったのと、そのピークの地点登録もGPSにしてもいないので、実際踏み入ってもピークに到達したかしないかも判らない状態だったと思うし、たぶん100Ｍも進まないで、投げ出したでしょう。
（斎藤山本峰/南東方面のヤブ）



（荒海山（左）、七ケ岳方面の展望。山頂から）



（男鹿山塊。右奥に日光連山。山頂から）



山頂で少しゆっくりしてパンを食べたりして、ヘリポートに戻ります。帰りは例の展望地まではピストンです。もう一度主に北や北東方面の山並を見渡しますが、斎藤山本峰（Ｐ　↓）はやはりすぐ行けそうな距離に見えていました。



帰路、下り行程は早いです。途中に挟む林道歩きをしていて、往路でも見なかった車の走行跡をみる。この１時間ほどの間に走った跡。やはりここも自動車が走れるのだと判った。展望地には無人の車が２台止まっていて、山の整備をしているような積み荷が荷台に乗っていた。



ここは木の種別の学習するには、本当にうってつけだと思う。



展望地のベンチに座って少々ゆっくりします。ここからの下りは往路とは違う”早生栗ルート”を選択。これは山開き歩きと同一のコースどりになるはず。里に向けて下る。



早生栗コースは綺麗な森の中の尾根を下る。踏み跡、目印も整備されていて、微妙な尾根の乗り換えのような地点も迷わず下れた。途中数名のおじさんたちが里を眺めて休憩していてご挨拶。地元のかたで、山を整備しているようだった。



コースの名前の由来になった木を見る。ここで山道は終了。あとはてくてく程度のよい林道をなだらかに下る。



美味そうなまっ赤なりんごが、たわわに実るりんご畑の中を歩いて里に出る。



稲刈り直前の長閑な田舎道を辿って、会津長野駅に置いた車を回収に向かう。



途中コスモスお花畑を見る。始めて歩く斎藤山は４時間半の小歩きだったが、森も深く展望もありで予想以上に楽しめた。新緑や秋の深まった頃に歩くとどんな感じなのだろうとも思った、歩いてみて地元の人に愛されて大切にされている山とも感じた。１０月中盤の山開きの時は、大いに盛り上がるだろう。１週間後、下郷あたりから田島に向けて車で走っている時、見えた斎藤山はとても雄大で綺麗な山に見えた。この日歩いたコースは、”南会津・鬼怒の山”でのコースとは、ほとんど重複しないコースとりだった。今日のコースを歩いてみて、あのガイド本のコースはここを上がってくるのか、というのも現地でわかった。今日自分の歩いたコースはあのガイド本の書かれた２０年以上前には、ヤブのバリコースだったのだろう。その頃、今日歩いたコースを歩いてみたかったというのも正直な感想。　■■






（会津長野駅付近から観た斎藤山）