日光山系 ななころびのあの山の向こうに

あの山の向こうには何が待っているのだろう。7回ころんだら7回起き上がる、平凡ハイカーななころびの気まぐれ山行録です。

水量増のケヤキ沢はそれでも癒しの沢でしたが、帰りの左岸尾根末端でちょっとヒヤヒヤ.      手焼沢/ 茶ノ木平

2016-08-14 19:16:55 | 山行

2016年8月6日(土) 単独  晴・曇                           (7mの屈曲滝の上部にあった滝)
13日、深夜に北ア遠征から帰ってきたのですが、帰ってきて知った金藤選手の金メダルにはビックリ。”快挙、!”水泳の練習をやっている大人や、古くからのファンは皆嬉しいのではないでしょうか。日本人関係者でも、最もよくいって銅メダル位しか考えてなかったのでは。とにかくおめでとう。このような記事を書いていたので、余計嬉しいです。。。
前週の白毛門沢の興奮も冷めやらぬ(?)6日。ここのところ、北関東の今市でもうだるような毎日で、とても通常の尾根歩きをする気にはなりませんでした。単独で入ってもよさそうな沢に入ってみましょう。危険な場所がもしあったとしてもチャレンジは無しです。ただ水を浴びて涼んで、トレーニングできて楽しめればいい、それだけです。数年前のハイトスさんと、たそがれオヤジさんの記録を参考にさせてもらいました。

日足トンネル足尾側に車を停めて、歩き始めます。駐車スペースには車は無かったので、釣りの人、ヤブ歩きの人、共にまだ誰も沢には入り込んでいないようです。例のトンネル入口脇きの施設の所から、ちょっと背徳を感じながらの沢入りです。手焼沢と長手沢の分岐にすぐであって、そこから入渓。今回は手焼沢を登ります。長手沢は、今日の歩きが楽しかったら、またいつか来てみましょう。
(最初から平穏な沢を遡上していきます。水量はかなり多いかなと思いました。ここ連日のユウダチの影響でしょうか。前週の白毛門沢より、水深が深い地点が多くて、気にせず歩くとへそ位まで水につかるので、序盤は適当に巻いたりして進みます。へそ、胸あたりまで深い地点は多かったです。)


コース:日足トンネル(西側)p 6:27 ---  登山道合流 11:22 ---  茶ノ木平展望地 11:48(休憩)  --- (手焼沢左岸尾根経由)   ---  日足トンネル(西側)p  14:56

序盤の古い石組堰堤のような滝。水流が多かったので、カメラ濡らしたくなくて、ここは右岸から巻きます。



序盤戦にでてくる小さな段差も釜が深いのと水流が勢いよくて、歩きごたえが結構ある。





           (途中、沢の右岸の斜面から水が染み出して、幾重もの水流が綺麗な光景に
            なっていました。)
                               


スタートして1時間。両岸が狭まってゴルジュ帯に入ります。尻まで浸かって進んだり、深すぎれば巻いたりして進みます。先輩がたの記録のとおり、変な挑戦をしなければ危険はなかったです。



7m曲がり滝っていうポイント。滝は右に屈曲して落ち口しか見えない。たそがれさんの記事の写真を帰ってみると、その時よりだいぶ落水の量が多いようです。ドードーと音を立てているし、正面に立つとかなりの風圧を感じ、ちょっとひるむ。写真だけとって左岸から慎重に巻きます。



でもって、巻き途中のその屈曲滝を見下ろします。水流のすぐ脇を歩く時は、少し嫌な感じ。




少し屈曲滝からを上巻いて、屈曲滝の上に出たら、また滝があって、その滝の釜の画像です。 (p ↓)





7m屈曲滝から20分で、今度は左曲がりの屈曲滝。近づくと結構水量のある滝。左岸から巻きます。



その滝のすぐ脇で撮影。(p ↓) 結構な水量。風圧を感じる。この左岸付近には古い石垣があって、こんな場所も昔は人の手が入っていたことを知る。



沢歩きの人の歩きの対象にはならないような沢ということですが、自分のレベルでは十分楽しめる。水は綺麗、適度に小さな滝もでてくる、巻いたりシャワークライムしたりできると、飽きません。時々水の中を魚影がすっと逃げていくのを感じます。
この辺で、いったん前のめりにコケて、カメラ水没。慌てて拭いてカメラは生きていた。以後、防水対策して、都度撮影が面倒になる。
途中地形図の沢の記載の上流部と別れて、二股沢を北上する方の右俣に入ります。



尻まで、濡らして遡上するので、暑さ知らず。やはりこんな時期は、こういう歩きを知ってしまうと、沢歩きしたくなる。上流に行くにつれて、沢の傾斜も急になったりして、その分滝超えができる。




         上の画像の滝の上部。こういう滝は水流も少ないので、岩登りの感覚で登る。
                          



目先の風景がかなり稜線に近づいてきた雰囲気がでてきてから、それでも随分とそんな景色の中を遡上します。沢登りは距離の割に時間がかかるものだと、最近悟る。二股沢を北上した後、何度かでてくる沢分岐を右、右、左と水量の多い方に進む。



沢沿いでも時々、小さなお花はでてくる。




沢の水流の音が、次第に小さくなってついになくなります。この後、笹のヤブになりますが、一番の窪地には明瞭な踏み跡があって、それを追います。



稜線までの最上部では結構の急傾斜ですが、それも大したことはヤブを踏んで、適当に上を目指して登って、一般ルートに合流。



一般ルート付近は、車道も走っていて、車の走行音が時々聞こえる。一般ルートもこの時期この山域を歩いている人もそんなにいるはずもなく、静かなもの。
(一般ルート)



沢が終わったので、あとは飛ばします。
茶ノ木平周辺。(p ↓) この風景をみると、数年前の冬、茶ノ木平で彷徨していろは坂、カーブ”つ”に降り立った、恐怖の迷走事件?を思い出します(笑)。




かつてロープウェイか何かの駅だったという展望地。男体山は雲の中、夏の雰囲気だけ味わって、近くの木陰のベンチに戻って、靴と靴下を取り替えて、ミニ食事です。



この景色を見ながら、食事。途中、中宮祠のほうから登ってきたトレランカップルがひと組。今日の遭遇者はたぶん、この人達だけだろうな。と思いつつ下山です。下山は手焼沢左岸尾根を下って降りてみましょう。ここは歩いたことはないのですが、お仲間の歩いた記事を見ているので、なんとかなるでしょう。尾根末端の1155pに行くあたりがちょっと判りづらいのですが、なんとかなるでしょう。



茶の木平を歩いていると、テーブルベンチの所で休憩中の沢歩きの格好をした御夫婦と出会いました。
おや、自分よりよっぽどきちんとした装備をしているぞ、どこからですかとどちらからともなく訊ねますと、なんと同じコースで登ってこられたようで、なな”の後続だったようです。下山後のお話中この方達(mt.raccoさん)であることを知りました。この沢を登ってきて、同じ所を登ったかたに会うのは少々意外でした。下山方法を聞かれたので、自分がこれから下る尾根のことをお知らせしました。
(下山は手焼沢左岸尾根。その最上部地点から観た半月山)



下山する尾根には、少々意外でしたが、薄っすら踏跡があります。時に一般ルートのようでもあります。時に、踏跡は無くなったりもします。



1250p地点付近。パイプの杭が地面に多く売ってある付近で、靴下を直して靴を履き直します。上から先ほどのmt.raccoさんご夫妻が降りてきます。やはり、ここを降りてきたんですね。なな”がしばらく停滞していて、先を行かれました。



自分としては1155pのピークを踏んで、尾根伝いに沢分岐の地天に降りるのが一番安全と考えていたので、1155pを目指します。野生の踏跡が錯綜して、目印に騙されたのか途中で自分が変な方にそれたのか。1155pの少し北の斜面を降りているようで、右往左往です。15分位ヤブの中でガサごソやって、大汗かいて登り返して隣尾根に行くと、目印と踏跡がありました。
(あのヤブ斜面の中で、右往左往して大汗)




(薄く踏み跡ありの1155p付近と思われる場所)


1155p付近に着いてすっかり安心したので、過信して地図もコンパスも見ずに(反省)南東の尾根を外して、その尾根の少し北の斜面に出てしまいます。下には沢がもう見えていますが、かなり急傾斜。なんとか行けるレベルの斜面です。今日はロープも持っているので、この斜面を降りてしまいましょう。
途中セミにちょっとなりかけたりしながらもロープをギリ出さないで長手沢に降りたてました。
(長手沢に降り立つまで、もう少し)



1155pにたどり着く前の迷走と、最後の急傾斜の慎重下りで、すっかり先ほどの御夫婦に遅れを取ってしまった。車についた御夫婦は、後からくるオッサンがなかなか帰ってこないので、心配しているのではあるまいか。そんなことを考えて長手沢を沢合流点まで歩きます。
登山靴で少し歩きますが、沢を巻く歩きは歩きづらく渡渉もあるので、沢靴に再度履き直しです。靴を履き替えて、パンをかじったりしていると、長手沢の上流から先ほどの御夫婦が歩いてきます。手を振って合図を送ります、あちらも結構苦労されたようです。
(沢合流点付近のかなり深い淵。これがハイトスさんのプールか?)




長手沢は手焼沢よりも水量が多いように感じます。沢をずっと歩いていくと、流されてしまいそうな水量の地点も多い。結局、沢に降りた地点は、沢合流点の100Mか150M上流だったようです。最後に顔を洗ってタオルを濡らして、上体をさっぱりさせました。車に戻ってmt.raccoさんのHP、私のブログの情報を交換しました。主に御夫婦歩きで、沢、スキーとかなりマニアックで自分のレベルとは比較もできないのですが、奥さん共々ナイスなかたで今後お二人のHPへは、訪問することも増えると思いました。
手焼沢は自分の手に負える癒しの沢で、でも体力トレにはなり、歩きかたによっては難易度も上げられる歩きができるとも思いました。それと、季節柄か水量が多いかったのもかえって面白みが増したのではないかと思いますが、とにかく1日涼しい山歩きができてよかったです。 ■■



(地蔵滝は轟轟と音をたてて流れ落ちる。風も大いに感じた。)



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10 コメント

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手焼沢 (たそがれオヤジ)
2016-08-14 17:06:04
手焼沢、ご苦労さまでした。
確かに水量が多いようですね。ハイトスさんプールと記された淵は、私らが行った時はさほどの水もなく、ハイトスさんががっかりしていた所で、それでいて我慢できずに泳いだところは、そのちょい先、地蔵滝の上ですね。
これだけ水がほとばしっているのでは、さぞ気持ちも良かったでしょう。やはり、この時期は全身に水を浴びないとねぇ。
長手沢は、自分の印象としては手焼沢よりも面白味が半分といったところなのですが、これは、下りで使ったからといった事情によるものなのかも知れません。危険度は沢靴を履いている限りは0のようなものです。
手焼沢の左岸尾根は隠れたツツジの名所でもありますから、今度はその時期にでも探索してみてください。だれも歩かない尾根ですから、ぜいたく気分にもなれますよ。

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たそがれオヤジさん (ななころび)
2016-08-14 19:34:24
こんばんは。コメントありがとうございます。
沢合流点手前の長手沢の淵はかなり深そうで、水もエメラルドグリン。私は、ハイトスさんに習って、全身突っ込もうかと思いましたが、さすがに断念しました。
もう少し猛烈に暑ければ、次回はやります。(笑)
沢は登るのと下るのでは、印象も違うのでしょうね。私は未知の沢を下るのは、ちょっと怖いです。
手焼沢の左岸尾根はツツジの名所ですよね。その時期も歩きます。
帰宅して手焼沢のたそがれさんの記事を見ますと、mt.raccoさんが、コメント入れられていますね。あの記事を見て初めて行かれたようで、私と会った日は2度めの入渓だったそうです。たそがれさんが、我々を引き合わせてくれたような感じですね。
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お疲れ様でした (mt.racco)
2016-08-14 20:19:11
こんばんは。
レポ中に何度も名前を連呼していただきありがとうございます。

我が家も北ア遠征の前週、ちょっと近場までという感覚で訪れたのですが、前回より水量が多くて、泳いだり、シャワーしたりかなり楽しめました。
また、下降は途中の枝沢で2回も懸垂下降するおまけ付きで^^

さて、文頭に「13日、深夜に北ア遠征から帰ってきたのですが」とありますが、どちらに行かれていたのでしょうか?
我が家も薬師沢左俣というマニアックな沢を遡行して帰宅したところです。
どこかでスライドしていたのかも知れませんね。
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mt.raccoさん (ななころび)
2016-08-15 12:56:38
こんにちは。その節はお世話になりました。あそこでお知り合いになれてよかったです。

手焼沢はあの水量ですと、私のレベルでが十分沢遡上を楽しめました。mt.raccoさん、尾根末端の支流での懸垂下降2回、ご苦労様です。動画でみました。(笑)

私は、未踏の北ア/烏帽子岳、船窪、北葛、蓮華をゆっくり回ってきました。遠く薬師岳の稜線をずっと見ていたのですが、その先にお二人はいたのですね。昨日記事は見て、動画も見させていただきました。後でまた寄らせていただきます。
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Unknown (ふみふみぃ)
2016-08-15 13:58:54
尻まで浸かるとは沢ジャブではなく沢ザブですか。夕立といえども数日続けば水量が結構増えるものですね。もうすぐ台風が来るようで週末の沢は気をつけた方がいいのかなとか考えてしまいます。
>>やはりこんな時期は、こういう歩きを知ってしまうと、沢歩きしたくなる。
私もそんな感じで沢に涼を求めようと沢靴とヘルメットを買ってしまいました。簡単そうなそこらの沢を歩こうと考えておりケヤキ沢を歩く時は参考にさせてもらいます。深すぎるとこは要注意みたいですね。

ななころびさんも北アの烏帽子岳に行かれていたとは驚きです。私は11日に日帰りで烏帽子岳に登り南沢岳の手前まで歩いてピストンで帰りました。もし11日にブナ立尾根を登っていたならすれ違っていたかもしれませんね。

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ふみふみぃさん (ななころび)
2016-08-15 21:18:48
こんにちは、いつもありがとうございます。
手焼沢は難度はゼロですが、釜や淵が深い地点が結構ありますので、真面目に水面だけを追い続けると、尻や腹まで浸かる局面が多いと思います。
ふみふみぃさんも沢靴買いましたか。すぐ上達しそうですね、一人で入る時はお互い気をつけましょう。
私も最初、Tファミリーの皆さんに誘われた時、沢はあまり乗り気出なかったのですが、今は一人でも行きたいくらいです。真夏に汗だくになって尾根登って、汗だくになってもっと暑い里に降りてくるなんてことを、しなくていいので、沢歩きは素晴らしいです。

えー、11日に烏帽子行きましたか。烏帽子の先の池塘群のあたり良かったでしょう。烏帽子岳も尖ってましたね。もしかしたら、すれ違って挨拶までしていたかもしれないですね。でも、あの人手で、若者比率も高いので、絶対ふみふみぃさんを特定はできませんね(笑)。
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Unknown (瀑泉)
2016-08-16 01:32:04
ななころびさんもすっかり沢の魅力に取りつかれてしまいましたネ。まぁ,実際,沢をやってしまうと,真夏の稜線歩きなんてしたくないでしょう(笑)。
ちなみに,山の平均速度が時速2キロなら,沢は時速1キロというのが一般的なんですヨ。
まぁ,実際,初級の沢では,其処まで遅くは無いでしょうが,沢は行きつ戻りつしたり,巨岩帯を乗り越えたり,時には高巻きやロープを出す場面も多々あるから,山歩きに比べると遥かに時間がかかるし,まして,水分を含んで重くなった服や靴で稜線に詰めることになるので,体力も相当必要になります。(とはいえ,滝屋の自分は,そのまま沢を下っちゃうケースの方が多かったりしますが。)
手焼沢,それにしても水量が多いですネ。奥日光は雨が降っている気配が無いけど,いろは坂の下はやはり雨が多いのかな?
自分の時も,たそがれオヤジさん達よりは多かったのですが,それ以上に水量があるようで,二俣の6m滝をシャワー(mt.raccoさんの画像に有り)で越えるのは大変だったでしょう。
長手沢は7mの斜瀑までが見所で,それ以降は面白味の無い沢です。なので,下から登って沢ジャブしなから往復するウォーターウォーキングが,夏の暑い日には一番ですヨ。
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瀑泉さん (ななころび)
2016-08-16 17:02:09
こんにちは。
最初、Tファミリーの皆さんに誘われて沢に初めて入る前は、こんなの面白いのかなーって、ピンと来なかったのですが、・・・。沢歩きもあるとなると、アルプス級はともかくとして、真夏の稜線歩きは、ちょっと・・・って感じですね。(笑)
沢は時速1キロっていうのは、なるほどって感じです。地形図で大した距離でなくても、かかる時間が長かったのです。沢をやると、通常より涼しい分、疲労も多いのは、瀑泉さんが言及されたような要因なのですね。(納得)
私が入る数日前からずっと、栃木は夕方、局地的大雨があちこち降っていたのです。増水はたぶんそのせいです。
二俣の6m滝をシャワーって、地形図の沢と別れる二俣の滝ですかね。あそこは、シャワーで登ろうと思って、でも水量も多いしリスキーと感じて、右岸を巻いたのです(お恥ずかしい)。
長手沢の情報も、ありがとうございます。ここも単独で入ってもいい癒しの沢みたいですね。そのうち訪ねてみようと思っています。
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沢登り (サクラマス)
2016-08-18 15:47:36
ななころびさんも沢登りをかじられるのですね。先日田沢川に行きましたが、あそこも増水してましてF/Fでは釣りになりませんでしたよ。この沢にも魚影が確認できたとありましたので機会があれば忍び込んでみたいものです。
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サクラマスさん (ななころび)
2016-08-19 03:05:54
こんばんは。私の場合の沢って、お仲間について行くか、ほとんど簡単な沢で水を浴びるだけです。
手焼沢を遡上する間、目の比較的悪い自分でも数回は、魚影の黒い影がスっと動くのが見えました。
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