<札幌から、登別へ向かう朝>
2018年6月30日(土)は登別の「きっさ点」というお店でライヴ。
札幌の中島公園側のとあるホテルで札幌の2夜目を過ごした朝。今日はなんと『おとがたり』のフライヤーのデザインのように青空が広がっていました。3日目にしてさわやかな空を見られて嬉しかったです。
まずは部屋でコーヒーを入れる。おめざにしおんちゃんからの差入れ、ノースマンとメロンゼリーを頂くことに。ゆうべ遅かったので、遅めに起床。シャワーに入ったり身支度を整えながら、ふとお芝居の旅公演を思い出していた。私の20代の頃はほんとうに旅公演が多くて、九州から北海道までまあ、様々な土地でお世話になったものでした。当時は数ヶ月にわたる公演もあった。こういうホテルでの暮らしはなんとなく生活空間として慣れている。そして不思議と気持ちが落ち着くようなところもある。
さっさと荷物をまとめて、コーヒーを飲んで休み、出発時間の30分前。喉が開いていないので、荷物をフロントに預けて少しだけ中島公園に歩きにゆく。ボート乗り場がある。時間がないので池の周りを軽く流しながら、声を出してあたためていった。今日出にくい音域を少しずつ起こしてゆく。あっという間に時間がたち、急いで戻ると駅までのタクシーが来ていて、フロントには直毅さんがすでにスタンバイ。すぐに札幌駅まで移動をしました。
<札幌から登別ゆき高速バス>
駅前からバスです。乗り場までも階段があったり大変でしたが、なんとかバスに大荷物を積み込んで、高速バスに乗り込む。登別までは1時間半ほど、様々な想い出の札幌を後にしました。その間にもいろいろな旅のエピソードがあるのですが…これは今度、機会があればお話しします
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高速道路からの景色は、かつて見た風景。広いなあ…空も大地も、広い広い。実は昔、オートバイキャンプツーリングをしていたことがあって、懐かしかった。…にしても、これから出会う皆さんのところへ心が向かってゆく。
電話で何度かお話させて頂いている、和田さんご夫妻に会えるのです。青い北海道の空の下、バスは快調に走り続けて、目的地の演奏会場「きっさ点」の前を通りすぎると、もう数人の方がお店の前のベンチに腰かけていらっしゃる。
すぐ近くのバス停に停まって、さっそく和田さんのお迎えの車。こちらでは、直毅さんは黒田京子さんとの演奏などで、もう何度か演奏会でのご縁があるお店で、懐かしく挨拶を交わされておりました。私は初めましての出演ですが、皆さまに温かく迎えて頂き、本当に感謝をしております。
到着してすぐお昼ご飯に、きりりと冷たい麺をご馳走になり、お腹も落ち着いたところで、地元のスタッフの方と共に会場を整えて、まずはリハーサル。そして開演時間を待つことになりました。会場には私が東京でお知り合いになった、お馴染みの二宮さんが来て下さいました。(年末に池之端QUIで二宮さん主催のコンサートがあり、それに私は出演させて頂きます)そして函館から母も。会場には喜多直毅さんのお知り合いやファンの方、地元の方で満席になっておりました。
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<登別・きっさ点ライブ>
地元のお客様で、チェロを弾かれる方がいらっしゃって、会場でご披露して下さいました。
『おとがたり』公演は、午後15時から。
第一部の朗読ライブの演目は、『おとがたり』では何度も上演を重ねてきました、永井荷風の「濹東綺譚より~玉ノ井夜想~大江匡とお雪~」です。前日とは違う世界観、溝蚊の群がり鳴く場末の詫び住居、そこで浮き上がる大江とお雪のたたずまいと恋物語の情味を、じわりとあぶり出しのように浮かぶように、演じます。ヴァイオリンの表現もしかり、そこはかとなく立ち香る音、揺蕩う風の気配、おとがたりで幻燈のような陰影を作り出してゆきます。
そして一部最後には、喜多直毅さんのソロ演奏。「暗い日曜日」@きっさ点バージョン
一瞬で心をひきつける音は、お客様の心にしっかりと刻まれたようです。
第二部、音楽ライヴ。前夜と少し違えた演目で。タンゴ、シャンソン、昭和歌謡曲、そして唱歌も。ヴァイオリン一本で歌わせて頂いた「月の砂漠」は自由に歌えて、私にとっても印象に残る演奏でした。
<北海道生まれ>
私の生まれは函館ですが、北海道で育って、どこかそんな気質を持ちながら東京に行ったのだなと、なんとなく心におもう。こちらに住む人たちが親戚のように思えてくる。…いや、もちろんそれはまったくの勘違いだってわかるけれど、そんな気持ちになりました。今私は、東京の暮らしの方が長くなっています。東京に住んでいるからこそ、この距離が、故郷を懐かしく思わせるのかもしれませんね。私の中の同質な気質も、そう思わせる一つなのでしょう。そして今夜私は、東京へ帰るのです…。
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実写版、「北の国から」の風景。ほんとうに皆さんにお世話になりました。
こちらでもぜひとも再会をと言って頂きとても嬉しかったです。
終演後は、皆さんに声をかけて頂き、感謝。感じることを言葉で伝えて頂けるってほんとうに有難く、嬉しいことなのです。そして、手作り料理で打ち上げを。ウニのパスタ、蟹のパスタ、ばい貝、北海道のじゃがいもサラダ…大きな大きなホッケなど…味も美味しいのです!しっかりと頂きました。ご馳走様でした。
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<登別から、千歳空港、東京羽田へ>
和田さんのご主人に、千歳空港まで車で送って頂きました。
窓の外では北海道の夕焼け空がひろがって、夜になろうとしています。
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千歳では飛行機が25分遅れました。最後の〆に空港で北海道のソフトクリームを。
写真はありません。すぐにたべてしまいましたから(笑)
東京着が遅くなりましたが飛行機は無事に羽田空港へ。
『おとがたり』北海道公演を終えることができました。
次回公演が持てたら本当に嬉しいです。
北海道の皆さん、お客様の皆さま、本当にありがとうございました。
そして喜多直毅さん、ありがとうございました!…お疲れさまでした。
心に残る、楽しい素晴らしい旅でした。
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長浜奈津子の公式サイト
芝居と音楽と語り Canta Actriz
https://www.nappy-cantactriz.com/
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