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銀の河 ~ 長浜奈津子のブログ ~

2024年最後の満月 〜 代々木の空、おとがたりリハーサル

皆さんこんにちは、長浜奈津子です🌹
 

今私は、2024年12月、年内最後の "おとがたり” 朗読ライヴ『葵』源氏物語 紫式部にとりくんでいます。

不思議な夕暮れに遭遇しました… 

 


<「葵」源氏物語リハーサル>

都内某所、ビルの8階にて。私たちは、おとがたり朗読公演のリハーサルに取り組んでいました。

今回は今までのものより、時間がかかりそう… そう話し合いながら、ひとつずつエピソードや登場人物、物語について、立ち上げていきます。

 

 その時、窓の外にふっと感じるものがありました。

そろそろ夕暮れ時であったのは確かなのですが、なにか少しちがう雰囲気に誘われている感じがしたのです。

 


<悠久の時間のなかに>

 
窓の外には、満月の夕暮が広がっていました。
 
窓からみえるお月さまが
とてもきれいでした。
 
 
 
 
紫やピンク、青がたなびく空
裸眼でみたほうがずっと透明感があります。
 
時間の流れが変わって、悠久の時のなかにいるみたいです。
 

 


<まるで古代から聞る声>

もっともっと、きれいでした。
 
 
 
私はリハーサルの手をとめて、窓の外に夢中になっていました。
直毅さんに3回も待って頂いて、月を眺めていました…

本当に不思議で、なんだかこちらに話しかけて来ているような気がしました。
 
まるで私たちに、古代の空をみせてくださっているかのようです。
その時代につながったような心地がします。
 
 
「どうしてこんなにきれいなんだろう…」
 
ああ、この写真よりずっと透明感があります。
でも、写真を撮りました。
これはスマホフィルターなしです^_^
 
やがて夜になって、今年最後の満月の夜になりました。
 
神さま、こんなにきれいな空と月をみせてくださって、ありがとうございます。
 
 
 
 
 

 


<美しいひと>

月のように形を変えてゆらぐ、源氏の愛。
それにゆさぶられる女たち。
 
あまりに勝手でどうしてかなと、つい普通に感じてしまうのですが、
 
いや、あまりにも美しいものには、人は心を寄せてしまうものなのだなと。
源氏は紫式部の描いた、この世のものと思えない美しいひと。
 
 
それにして、登場人物が多く、複雑にからみあっているこのお話から、あえて人物と場面をしぼりました。葵、六条御息所、の姿を立ちあげて…この女性たちと、その間にゆれる源氏の物語を描きます。
 
…ということで、2024年最後の満月の日。
この日も私たちは、物語から印象的な場面と言葉をひろいあつめました。
 
音楽と声で丁寧に紡ぎます。
 
 
2024/12/15(日) 代々木にて
 
 
 
 
 

 

 

以下文は、公演について詳細です。


<あらすじ>

源氏物語『葵』紫式部

正妻の葵の上が懐妊。愛人の六条御息所は、冷たい光源氏に対する想いを断ち切れずにいた。 ”車争い”という事件をきっかけに、六条御息所の、これまで抑えていた嫉妬心や悔しさが一気に恨みへと変わり、自覚のないまま、生霊となってしまう。そしてこの生霊に取り憑かれた葵上は、呪いに苦しめられ、源氏の息子の夕霧を産むも、その後間も無く、命を落とす。年月をかけてやっと心を深く結んだ妻 ”葵上” の死に、大きく落胆する源氏。その手に残ったのは、美しい源氏の君に面影かさなる、ちいさな夕顔であった。


六条御息所

源氏の正妻は “葵上”。そしてもう一方が、六条御息所の存在です。彼女は源氏の父、桐壺帝の弟(先の東宮)の妃だった。教養が深く、芸術的な才能に溢れた、美しい女性。その筆跡は格別美しく、仮名書を得意としていたそうです。

初めは、源氏が六条へ執拗に思いを寄せていて、しかし想い遂げられると、突然足を遠のける源氏。源氏17才、六条24才である。源氏は、御息所への思いを遂げられた朝も、御息所の屋敷に住む美しい中将に、ふわりと恋心を抱くという有り様。

源氏は父に、私の弟が心から愛した女性のことを、ぞんざいに扱うのではない、と意見されます。

年下の源氏に振りまわされ、はっきりしない様子に、思案する御息所。娘の姫が伊勢神宮に使える斎宮となったことをきっかけに、もう源氏から離れて伊勢へゆこうと思うこの頃に、事件が起こりました。賀茂祭で起こった、車争いです。

 


鴨祭りの "車争い"

光源氏の君をひとめ見ようと、たくさんの見物人の集まる中。

正妻の葵上の牛車と、人目を避けてやってきた(忍び妻)御息所の牛車が、かちあってしまう。

双方の従者は祭りの酒で、騒ぎ立ててぶつかり合い、御息所の牛車は、葵上の牛車よりも、うんと後ろに追いやられてしまう。あまりの混雑に、御息所は帰ろうにも牛車は動かない。

やがて光源氏の御成の声を聞き、悔しくとも「ひと目見て帰りたい」と思ってしまう御息所は、息をこらして、源氏を待つ。

光源氏の行列がやってきましたが、葵上の牛車は、よく見えるところにあるため、源氏は意識してお通りになった。しかし、御息所の車は、押しやられて後ろにあったため、無視されてしまったのです。

この屈辱感。源氏にないがしろにされていながらも、想い寄せて、未練を持っていることが、周囲にあからさまになった。その上ここへ出てきたのも内密にしたかったのに、すべて知られてしまった。女心と、貴族のプライド(誇り)が大きく傷つけられてしまいました。

それでなくとも、平安時代に高貴な女性が外出するということはほぼ無いとされる中で、公にさらされた、この騒動は相当な騒ぎ、恥ずかしさだったのではないでしょうか?

 


<生霊に身を落とす>

この事件で平常心を失った御息所は、何年もの間正妻の葵上に対する、負けたくない気持ちなどが、激しい嫉妬となり、大きく膨らんでゆきます。御息所自身も大きく体調を崩してしまったが、「すまないが、出産間近で心身弱っている葵上のそばについていてやりたい。」という源氏の言葉も、さらに御息所の嫉妬心に火をつけた。

やがて思い煩う、御息所の苦しい思いは、本人の気づかないうちに生霊となり、葵上に襲いかかります。

源氏は、この二人の想いの狭間で心を痛め、愛と責任の重さに揺れ動きます。

やがて、葵上には悲劇が訪れます。

もののけと化した六条御息所は、出産に間もない葵上に取り憑く。日に日に体調を崩して苦しみながらも、葵上は無事に光源氏の息子、夕霧を産む。

自分がもののけになってしまったという事実に、苦しむ御息所。光源氏にも嫌われてしまったと思った御息所は、まだ幼い娘の付き添いが必要だと言って、伊勢へゆく準備を始め、その前に禊をする嵯峨野の野宮へ行った。

二人は別れた。

しかし、この先の話で、このままでは冷たいと世間に言われると思った源氏が、野宮へゆき、二人は再会、和解しました。その後、御息所は髪を落として出家。しかし病気にかかっていました。その後見舞いに来た源氏に、娘をよろしくお願いしますと将来を託して、御息所は亡くなります。娘は源氏の養女になり、その後は源氏と藤壺の宮の息子、冷泉帝の皇后になります。

 


<葵上>

正妻の葵上は、光源氏が元服の頃に、親同士に決められた結婚でした。

親の決めた政略結婚、源氏が他に通う女性の存在も耳にしながら、高貴な生まれゆえに、あからさまな嫉妬を源氏にぶつけられず、プライド高く保つ葵上。夫の浮名を耳にしても「どうにもならない」と諦める。そんな葵上を、素直に焼かないなんて可愛くない、と思う、源氏はますます妻から心が離れてしまいます。

それでも10年の時がたち、葵上は身籠もり、気の弱って心細そうに過ごしていた。そのやつれた姿にやっと源氏はあわれに思い、心を寄せ始める。ゆえに御息所への足は遠のいていった。(恨みは積もる…)

源氏は葵上のそばで、どうしてこれまでこの姫を深く愛することができなかったのかと後悔して、今更ながら心を尽くして、優しい心で接するのでありました。

そうして長い時間を経て、ついに葵上は光源氏と心を深く通わせて、二人の愛が実りました。

しかし御息所の生霊に取り憑かれ、日々苦しめられた葵上は、源氏の息子(夕霧)を産み、死んでしまいます。

 


<光源氏>

光源氏は、ただ心向くままに、つぎつぎと女性の元へかよいます。そして自らの愛が招くことごとに直面しながらも、さらなる愛へとまっすぐ向かってゆきます。

”正妻” 葵上と、”愛人” 六条御息所の ”車争い” 。二人がそんな渦中にあるその当日、光源氏は、正妻でも愛人でもない、小さな姫君 ”紫の上” を車に乗せて、祭りにやってきます。

そして物語の最後。10年越しに最愛の妻となった葵上を亡くしてから、源氏の足をまっすぐ向かわせたのは、あどけない "紫の上” のところでした。

物語では、紫の上にとって優しい兄、父の様だった源氏が、男が女に語る言葉をかける様になり、それに紫の上が戸惑う様子や、寝所をひとつにして、朝なかなか起きてこない紫の姫、そして源氏が、乳母子で最も近しい従者の"惟光" (これみつ) に、婚姻の祝いの餅を頼んだ、という場面まで描かれています。

この間に、正妻が亡くなったのに、私のところへは来てくれないと恨みつらみの手紙が源氏に届いたそうですが、紫の上があまりに可愛くて、見向きもしない源氏。喪中なのでと断っていたとか。

 


<最後に>

奔放、ともちがう。あまりの美しさが、まわりをそうさせるでしょうか。

源氏が歩けば、女性たちは目が眩むのでしょうか。

源氏の愛の物語、読者も次々とその章の顛末に惹かれて、その先が気になります。

紫式部はすごいですね。源氏の愛に終わりがなく、このお話も終わらずに永遠の命を得て、まだまだ時代も国も越えて広がってゆくでしょうか…

 

源氏物語の魅力を五感で感じるひとときをお届けしたい…と思って企画を致しました。

まだクリスマス前ですが、年末の頃…

12月22日(日)午後15時から、六本木ストライプスペースにて。

皆様、ぜひこの朗読公演にお越し頂けますように、心からお願い申し上げます。

 

息を呑むような源氏物語の世界、と書きました。

少し早い、クリスマスプレゼントになるように、心をこめてお贈りします。

 

おとがたり 長浜奈津子 拝

 


2024年12月22日(日)

14時半開場/15時開演   於:六本木ストライプスペース

 

おとがたり朗読ライブ

演目:源氏物語『葵』紫式部/与謝野晶子訳

光源氏の正妻 “葵上” と、激しい嫉妬に苛まれる六条御息所。その交錯する想いの狭間で、源氏の心は大きく揺れ動き、繊細な感情が波のように渦巻く。御息所の悲しい恨みと葵上の死を経て、源氏の愛は慈しみの愛を得て、まだあどけない紫の姫にそそがれる__ 。朗読とヴァイオリンで鮮やかに描かれる、胸が高鳴り、息を呑むような源氏物語の世界。

 

<出演>

おとがたり

長浜奈津子(朗読) 喜多直毅(ヴァイオリン)

 

<公演日時>

2024年12月22日(日) 開場14時半 / 開演15時

 

<会場>

六本木ストライプスペース

https://striped-house.com/map1.html

〒106-0032東京都港区六本木5-10-33 ストライプハウスビル Mフロア

Tel:03-3405-8108 Fax:03-3403-6354

(六本木駅 3番出口より徒歩4分)

 

<入場料金>

予約¥3,500 当日¥4,000 (全席自由)

<問合せ・ご予約>

電話 090-3339-1281(長浜)

メールnappy_malena@icloud.com(長浜)

イヴェント受付フォーム

 

イベント詳細・登録 | OTOGATARI

OTOGATARI

 

 

ー 出演者プロフィールー

おとがたり https://www.otogatari.net

女優・長浜奈津子とヴァイオリン奏者・喜多直毅による朗読ユニット。首都圏を中心に意欲的に活動を行なっている。物語の持つファンタジーを声や楽器の音を通して空間にありありと描き出すために、即興的に互いの間・抑揚・言葉に反応しながら進行するパフォーマンスは臨場感にあふれ、聴く人はまるで物語の中に居合わせるかのような印象を抱く。来場者はもとより、文学研究者からも高い評価を得ている。

 

長浜奈津子 https://www.nappy-cantactriz.com

桐朋学園演劇科卒業後、劇団俳優座へ。女優・朗読家。2016年より「市川荷風忌」朗読出演。ヴァイオリニスト喜多直毅氏との朗読ユニット“おとがたり”でも『濹東綺譚』他、荷風作品を多数上演。 六本木ストライプハウス「朗読空間~ひとり語り」では泉鏡花『高野聖』他、坂口安吾『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』他、朗読公演を重ねている。 村岡花子訳『赤毛のアン』朗読配信や、朗読教室の主宰など、幅広い朗読活動をする。 “女優の語り” で登場人物たちに命を吹き込み、物語る。

 

喜多直毅 https://www.naoki-kita.com

国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、そのオリジナリティと精神性において高く評価されている。他に黒田京子、齋藤徹 (故人) との演奏や邦楽・韓国伝統音楽奏者・現代舞踏家との共演も数多い。欧州での演奏も頻繁に行う。我が国に於いて最も先鋭的な活動を行うヴァイオリニストの一人である。

 



 

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最後までお読み頂きましてありがとうございました🌷



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長浜奈津子のHP =芝居と音楽と語り=


https://www.nappy-cantactriz.com/
https://twitter.com/vivi_gato
 
 
 

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