『啄木といふ奴』A GUY CALLED TAKUBOKU
石川啄木「ローマ字日記・一握の砂より」台本構成・音楽 喜多直毅
出演:おとがたり 朗読 長浜奈津子 ヴァイオリン 喜多直毅
https://www.otogatari.net
尖りながら、傷付きながら生きてゆく… 三行に込められた青春と恋、挫折、悲しみ。
朗読とヴァイオリンで描く石川啄木の世界。
『啄木という奴』2019.4.14(日)喫茶茶会記(四谷三丁目)
・公演フライヤー記載文・
子供時代、神童と呼ばれ、己の才を信じながらも挫折に満ちた人生を歩んだ石川啄木。
しかしその短い一生の間に詠まれた歌の数々は才気とインスピレーションに溢れ、今尚読む人々に鮮烈な印象と感動を与える。
恋慕、憧れ、望郷、病、そして生きる哀しみを情感豊かに歌う一方、感傷から身を置き、ナイフのごとく社会や人間存在に鋭く切り込む短歌も豊富である。
日常の“点”の様な風景や心理、記憶、想像の世界…、これらをたった三行の三十一文字で表現し、読み手のイマジネーションに強い翼を与える彼はやはり天才と呼ぶに相応しい。
今回は彼の短歌の数々を朗読するが、それぞれの短歌の持つ意味ばかりではなく、一首と一首の“間”に広がるものにも心を向けたい。また女声によって朗読される時、彼の短歌の質に何らかの変化が起こるはずである。
まるで啄木の人生に登場した女性達が、彼の俳句を声で辿る。
これにより啄木の作品に別な角度から光をあて、別な魅力を引き出すことが出来るのではないかと思う。
啄木作品とヴァイオリンのコラボレーションは非常に珍しいが、啄木が肌で感じた風や雨、芸者小奴の肌の温み、脳裏に浮かぶ故郷の山や川、また挫折によって味わった苦さまで、五感に基づいた音楽づくりを行いたい。
|