あの時のウクライナの首都キーウにも、
先日のパレスチナのガザ地区にも、
空はあっけらかんと青が広がっていた。
空だけ見ればありふれたのどかな晴天。
だけどそののどかな晴天の下では
夥しい数の人々が血を流して倒れている。
AFP通信の映像でもBBCニュース速報でも
地上の人々の逃げ惑い泣け叫ぶ姿が
時事刻々と映し出されてきている。
どうしてこんなことになってしまうのか。
神の意向で人間が増えすぎないように、
人口調節のため人間に恨みと優越感と
蛮性を植え付けたとでもいうのだろうか。
どの側にも正義と信じるものがあり、
そのために奪い、戦い、殺め合う。
煽るもの、加担するもの、媚びるもの。
世界がつながり始めたこの21世紀に
自分たちさえよければ他がどうなろうと
構わないという考え方はじつに近視眼的で
恐ろしく稚拙なものだと思う。
従わないやつ、生意気なやつ、
価値観の違うやつは力でねじ伏せ
場合によっては根絶やしにしてやれ。
そういう気運が今地球をぐるぐるしている。
本当は多様性こそが地球のいちばん
大切にしなければならないことなのに
私たちはそれを捨て去ろうとしてる。
果たしてこの世界は皆がそうありたいと
思う未来に向かっているのだろうか。
今日の横浜の空は、あの時のキーウの空や
先日のガザ地区の空と同じように
抜けるような青い色が広がっている。
なのに空の下の光景が彼の地と全く違う。
その違いに言葉にならない虚しさを思う。
※コスモスの花言葉は”調和”。
調和=ととのいやわらぐこと。
偏りや矛盾や衝突などがなく、
互いがほどよく和合すること。