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Stockholm Sweetnin'

2009年03月07日 | 2006_2010_memo
 「ストックホルム・スウィートニン STOCKHOLM SWEETNIN'」は、クリフォード・ブラウンやアート・ファーマー、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)たちがライオネル・ハンプトン楽団の一員としてヨーロッパへ演奏旅行に行ったときに初めて録音した曲だ。作曲は勿論、若き日のクインシー・ジョーンズである。さて、ただしこの曲はライオネル・ハンプトン楽団で演奏したものではない。当時売れっ子街道まっしぐらだったクリフォード・ブラウンたちバンドマンは、バンマス“ライオネル・ハンプトン”から勝手なレコーディングを許されておらず、その厳しい見張りをかいくぐって、やっとの思いで逃げ出した彼らが地元のミュージシャンと演奏したものだ。(余談だが、この若手の勝手な行動を許さなかったのは、バンマスに同行していた彼の奥さんの方がより厳しかったらしい。彼のバンドが常にサイコーであるべきだと考えた彼女は、才能ある若手が別のバンドでいい演奏をして、彼の元から離れていくことを密かに恐れていたのであろう。)

 この録音は、クリフォード・ブラウンの「CLIFFORD BROWN MEMORIAL」に収録されている。そして、このときのブラウニーのアドリブは大変素晴らしいもので、スウィングしながらリズムを壊し、さらにオクターブを自在に動き回りつつメロデイアスなのである。そして、クインシー・ジョーンズは1956年に「私の考えるジャズ This Is How I Feel About Jazz」で、あらためてこの曲を採り上げたのだが、ブラウニーのアドリブをオーケストラがユニゾンでなぞるアレンジがされている。まあ、とにかくうれしい演奏なのだ。オーケストラの中でフィル・ウッズ(as)が聴けるのもゴキゲンさを倍加してくれるのである。

 そうそう、クインシー・ジョーンズが作曲やアレンジに注力し大成したのも、実はトランペッターだったジョーンズがクリフォード・ブラウンのトランペットを聴いて、自らラッパ吹きとして生きることを諦めたからに他ならない。二人は、本当に仲が良くお互いに尊敬しあう関係だったのである。クリフォード・ブラウンが若くして自動車事故で急逝してしまうまで…。

「私の考えるジャズ This Is How I Feel About Jazz」(Quincy Jones)


 ここでは音源を紹介できないので、アル・ジャーロウの歌詞付きの「ストックホルム・スウィートニン」を貼り付けておく。残念ながら、クリフォードのアドリブに歌詞をつけて歌っているわけではないが、味があるよ。こういうのも大切にしよう!

Stockholm Sweetnin'- Al Jarreau



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